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「古今和歌集」私撰秀歌 巻第十八 雑歌下 歌943

 ここから「巻第十八 雑歌下」です。

 雑多な歌です。下巻は、憂う気持ちを歌う、歌になります。

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「よみ人しらず

よのなかにいづらわが身はありてなしあはれとやいはむあなうとやいはむ」

●漢字付加:
世の中に
いづら我が身は
ありて無し

あはれとや言はむ
あな憂とや言はむ

●歌意:
 世の中のどこにわが身はあるのだろうか、あるようで、ないのである。あわれと言おうか、それともああ憂いことであると言おうか。

●感想:
 「あはれ」(ああ感慨深いことであるよ)と、「あな憂」(ああ憂いことであるよ)の対比が楽しい。

 これを読んでしばらく「あなう~」がマイブームになった。たぶん原因は、「よつばと」の「しまう~」だと思います。

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目次と序:
https://note.mu/yanai/n/n5825ea920db5

参考文献:
講談社学術文庫「古今和歌集 全訳注 四巻」(久曾神 昇)P94
#短歌 #詩

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