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大覚寺 源氏の重宝・膝丸 特別公開

 京都にある大覚寺に行ってきました。
 今回、こちらの霊宝館では期間限定で源氏の重宝と伝わる刀剣が展示されます。それは是非見たい!という訳で、大覚寺に行ってきました。

大覚寺 霊宝館

 大覚寺は、宸殿しんでん(重文)や御影堂、五大堂などが回廊で結ばれ、王朝の雅な雰囲気が漂う平安時代創建の門跡寺院です。
 嵯峨天皇と弘法大師空海との歴史交流の舞台であり、平安初期、嵯峨天皇がこの土地に離宮嵯峨院を建立され、嵯峨御所と呼ばれました。これが大覚寺の前身です。
 今回、霊宝館では源義経も使用した源氏の重宝・太刀「薄緑(膝丸)」(重文)や、新調された白鞘などが特別公開されています。
 それではさっそく参拝から。こちらが入口です。

大覚寺

 入口を通ると、表門があります。

表門

 因みに、よく建物などの前に立っている説明札ですが、こちらは取り外し可能で、簡単に取り外すことができます。寺や神社でドラマなどの撮影を行うとき、簡単に外せるようにしてあるらしいです。
 門を抜けると式台玄関があります。

大覚寺

 この隣の納経所で入館料を支払って入ります。こちらが中から外を見たときの様子。

式台玄関

 神輿が飾ってありました。

神輿

 順路通りに歩くと宸殿があります。

宸殿

 こちらは重要文化財です。江戸時代、後水尾天皇より下賜された寝殿造りの建物です。
 正面には御所の名残りとして右近の橘、左近の梅があります。また、妻飾りや破風板、天井などには装飾がこらせれていて、とても美しいです。

蔀戸

 こちらの蔀戸しとみどには、精巧な作りをした蝉の飾りがあります。訪れた時は是非下から見てください!

 その後は、村雨の廊下を通り御影堂へ。こちらは大正14年(1925)に建造されました。

御影堂

 大覚寺の歴史上特に重要な嵯峨天皇、弘法大師、後宇多天皇、恒寂入通親王の尊像をお祀りするため「御影堂」と呼ばれています。こちらから見えるのが、石舞台です。
 その後は五大堂(本堂)へ。

大沢池

 五大堂からは大沢池が見えます。
 こちらで大覚寺の御朱印と、刀剣の御朱印を頂きました。他にも色々と販売しています。私は蓮の花が好きなのですが、たまたま蓮の花が刺繍してある御朱印が売っていたので、そちらを購入!

御朱印

 刺繍が綺麗です!家に帰ったらさっそく飾りました。
 その後は霊宝館へ。

霊宝館

 霊宝館は、旧嵯峨御所大覚寺に伝わる寺宝の数々を春季・秋季の年2回公開しています。通常は非公開なので、気をつけてください。
 今回見たかった薄緑(膝丸)は、刀完成後、罪人の首で試し斬りをしたところ、その膝までスパッと切れてしまったことから膝丸という別名がつけられました。
 源為義のとき、兄弟刀である髭切は源義朝に譲られ、二振りは離れ離れになっています。
 その後、熊野権現に奉納されていた膝丸は、平氏追討の任を帯びていた源義経に献上され、義経により薄緑の号が付されました。頼朝のもとで膝丸と髭切は再会しますが、また離れ離れに……。
 
 膝丸は、第二次世界大戦終結後、GHQにより廃刀させられそうになりました。しかし、日本は刀剣の美術的価値を強調して、認められた刀剣のみ返却。膝丸は無事に返却されましたが、他多くの価値があった刀剣は没収され海に捨てられたりしました。歴史が分からない国はその価値が分からないのでしょうか……。捨てることは簡単ですが、もう二度と戻ってきません。何とも悲しいことです。

 長い歴史を経て、膝丸は大覚寺へ奉納され現在に至っています。
 こちらの霊宝館は写真撮影禁止なので写真はありませんが、とても美しいので是非現物を見てほしいです!

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