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あなたはこの英文の文法がわかるだろうか【ホロライブENで英語学習・番外編#4】

Faunaさんの配信では度々、クラシック音楽を流しながら乗り物のシミュレータゲームをしているのですが、これがなぜだか本当に面白いのです。

つい最近もフォークリフトのシミュレータゲームをしていたので、その切り抜きを作りました。
ただ、話し言葉のせいで文法が分かりにくい所があり、ちょっと訳に悩む部分がありました。
その点を主として、記事にしたいと思います。ただ、推察だらけで冗長ですので、「さっくりと英語学習をしたい!」という人はその問題の英文以外の英語解説を見ていただければと思います。

さて、作った切り抜きはこちらです。



英文書き起こし

Is that it? Is that my ending?
This is all you have for me?
Fork you! Fork you!

I didn’t even manage to do a flip.

Let me out! Free me! Free me!
It turns out it’s hard to drive on this thing.
Goodbye!
It wasn’t as dramatic as I hoped it would be.

Fork, stuck…
Yes! I’m free!
Oh, I’m literally in the middle of the map.
I was like I must be off the map now, right?
I must be free. I must have glitched through the map!
I’m still caged, like an animal.

We’re free!
This is what we were fighting for this whole time.
I understand my purpose now.
It is to roam around in the flowers.
All that time spent trying to understand a world that was that made for me was for not.
My true purpose in life is this! To roam free!
Amongst the flowers!

This is what it means to be a forklift.
Finally, I am free.

日本語訳

そういうこと?これで終わりなの?
これで全部なの?もう!もう!
宙返りすらやり遂げられないの…?

出してよ!解放して!解放して!
ここで運転するのが難しいのは分かったよ。
さらばだ!
思ったほどドラマチックじゃなかったなぁ。

フォークリフト、スタックした…
やった!自由だ!
あ、地図のまさしくど真ん中にいるのか。
地図の外にたどり着いたに違いないみたいに思っていたのにね。
自由であるべきなんだ。地図をすり抜けたはずなんだよ!
まだ囚われているというの?檻の動物のように…。

自由になった!
このためにずっと戦ってきたんだ!
今、私の存在意義を理解した。
それは、花たちの中で放浪することだったんだ!
ずっとこの世界が自分のために作られた世界だと思い込もうとしたけど、そうじゃなかったんだ!
私の人生の真の目的はこれだ!自由に放浪することなんだ!花の中で…!

これがフォークリフトに「なる」ということなんだ。
ようやく、私は自由だ。

英語解説

do a flip

訳としては「宙返りをする」になります。おそらく海外のネットミームです。人気海外Vtuberの3D配信で、「なんかやってほしいポーズとかある?」みたいなことを視聴者に問うと、必ず何人かが「Do a flip! (宙返りしろ!)」とコメントするくらいよく使われています。

turn out (that) 〜

「〜という結果になる」「〜ということがわかる」という意味。隠れていたものの状況が変わり(turn)、人目に出る(out)という感じで「明らかになる」というニュアンスがあります。

be off the map

「off」は「〜外れて」や「休みの」、「調子の悪い」など様々な意味合いを示す言葉ですが、ここでは前置詞の「〜外れて(離れて)」で「マップの外で」という意味になります。

glitch through the map

「glitch」は口語表現(Web辞書の英辞郎だと俗語扱いされてました)で、「(機械などの)問題・不調・故障」の意味のようです。ただ、ゲーム用語として、ゲームとして意図されていない挙動(バグ・不具合)の意味があり、ここでは「バグでゲームマップをすり抜ける」という意味で使われています。

amongst

「among」と同じで「(複数のモノの)間に」という意味。「among」の方が一般的だが、文学的な表現として「amongst」が好まれる場合があるらしい。

問題の英文

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All that time spent, trying to understand a world that was that made for me was for not.
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さて、話し言葉なので文法がおかしい点はあると思います。会話文における多少の文法のおかしさは普段そこまで気にしないのですが、この文はそもそも主語、主文と副文が分かりにくく、中々に訳しにくいと思いました(私は、日本の文法に偏った英語教育で育ったので、こういう文の訳は苦手なのです…)。
おそらく色々な言葉が省略されてしまっているために、分かりにくい文になっているのだと感じました。そこで、前後の文脈も踏まえて次のように考えました。

================
All that time (I) spent(,) trying to understand a world that was that made for me(,) (that) was for not (me).
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括弧内が省略されたと考えた言葉です。

まず、「All that time」は、「all the time(いつでも)」と同様に時間的な情報を示すもので、この文の主語ではないと思いました。そうすると「spent」は「all that time」を修飾するものと考えられ、「All that time (I) spent」で「私が費やした時間ずっと」という意味になります。そうなると、「spent」と「trying」の間で意味が途切れるので、間にカンマを置きました。

次に,「spent」で一旦意味が途切れているとすると、「trying to understand a world that was that made for me」が分詞構文になると考えました。そして、「world」の後の「that」が「world」を修飾する関係代名詞になります。関係代名詞以下は最初「was not made for me」で「私のために作られた世界ではない」の聞き間違いかと思ったのですが、多分「was that made for me」と言っています。ではこの2つ目の「that」は何かというと、「world」の代名詞ではないかと推測しました。つまり「trying to understand a world that was a world made for me」で「世界は私のために作られた世界だと考えようとした」の意味になります。

では「trying ~ for me」が分詞構文だとすると、その後の「was for not」は何なのでしょうか。そもそもここに至ってもなお主語に相当する言葉がありません。「trying ~ for me」自体が現在分詞による主語だとも考えられますが、それだと後の「for not」は何を意味するか見当がつきません。なので、ここの「for not」は直前の「for me」と対比させて「for not me」とし、「trying ~ for me」は主語でなく分詞構文として扱うべきです。そうなるとやはり主語がないので、主語が省略されていると考えました。ここで省略できるとしたら、既に代名詞で省略されている「a world」だけです。つまり、「a world was for not me」で「世界は私のためではなかった」という意味になります。

よって、推測した省略語を入れて直訳にすると「費やしてきた時間の間ずっと、世界が自分のために作られた世界だと考えようとしたが、自分のための世界ではなかった」になります。
この私の推察は正しいかどうか、正直自信はありません。というか難しく考えすぎな気もします。もし別の文法解釈や、「もっとシンプルにこんなニュアンスじゃね?」のような意見がありましたら教えて下さい。

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