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「ポジションサイズ」 ⑥ Optimal fと破産確率を利用した実際のトレードサイズの算出

※2024年3月17日加筆修正しました。

トレードサイズ(Position size)の計算式

求めたOptima fを用いて、たてるべきposition sizeを計算します。計算式はTWRを算出する過程で使用した、HPRの算出公式に似ています。

  Position size ($) = 現在の口座資金($) x Optimal f / 最大損失(%)

例えば、口座資金が$10,000でOptimal f = 0.06、今までの最大損失が10%の場合は、資産を最大化するposition sizeは $10,000 x 0.06 / 0.1 = $6,000となります。つまり口座資金の60%を株式投資に回します。口座資金が$10,000でOptimal f = 0.2、今までの最大損失が10%の場合は、資産を最大化するposition sizeは$10,000 x 0.2 / 0.1 = $20,000となります。これは元の口座資金を上回っていますので、利益を最大化したい場合は、信用取引でレバレッジをかけることになります。

Optimal fを利用したトレードの最大の特徴は、レバレッジにも対応していることです。信用取引であっても、トレードの成績表は従来通りに+21%利確であれば+21%、損切り-7%であれば-7%で大丈夫です。なぜなら、純粋なトレード成績をもとに予測因子であるOptimal fが計算されているからです。この成績に傾斜をかけてしまうと、計算結果が狂います。信用取引で大きく影響をうける項目は破産確率です。Optimal fでは等化(金額損益ベースではなく%損益ベース)にしていますが、破産確率の算出は金額ベースで算出されます。例えば、$10,000の口座資金で1株式あたり20%、フルレバレッジ200%で1株式あたり40%のpositionをたてた場合、-10%の損切りをくらうと40% x -10% = -4%となり$250の損失になります。これは、Position sizeが1株あたり20%の時に、-20%の損切りとなった額と同様で、2倍の下落に値します。つまり、信用取引でのOptimal fの運用は、利益を最大化するoptimal fの計算結果には影響はありませんが、破産確率が上がっていきます。信用取引は諸刃の剣なので、破産確率の上昇をおさえるためには、損切りラインを-4%にするなど、従来よりもタイトな損切りを設定する必要があります。

Optimal fで算出されたPosition sizeの考え方

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