FilmEducation in 飯綱町①〜地域の魅力が伝わるCMを作ろうプロジェクト〜
F.ラボアンバサダーの高村ミチカです。小学校教員を11年経験後、現在はフリーランスライター/編集として活動をしています。元教員だからこそ、学校と学校の外側をつなぐ学びの結び目のような存在でありたい。「本物の学び」を引き出すお手伝いをしたい。そんな思いで、F.ラボアンバサダーを務めています。
F.ラボは現在、小中高大や特別支援学級の他、フリースクールや塾など20以上の教育機関と連携して、40以上のワークショップや授業プログラムを実施しています。
今回のシリーズでは、その中でも、長野県にあるフリースクールOZ Fieldでの実践をご紹介します。
2021年の開校以来のお付き合い
長野県飯綱町のフリースクールOZ Field(オズフィールド)
OZ Field(オズフィールド)は、長野県飯綱町の廃校を利活用したいいづなコネクトWESTにあるフリースクールです。自分らしく生きる仲間が共に学ぶ場、学校とは異なる学びの場の選択肢として2021年4月に開所。飯綱町の自然、地域の皆さんなど環境そのものを学びの対象とし、一人ひとりが自分の持ち味を十分に発揮して自分らしく生きていく力(総合力)を支援していく「場」「時間」「人」を提供しています。
F.ラボとOZ Fieldは、なんと、2021年の開校以来のお付き合い。
過去のnoteでも幾つか実践をご紹介してきました!併せてご覧ください。
▼インタビュー映像
▼簡単な台本の作り方
毎年、スクールでの日常を記録し自分の成長を伝える映像制作を年間のPBLとして取り組んでいます。映像で通知表を作る、という面白い活動です。(こちらの内容については、次回のnoteでお伝えします、お楽しみに!)
それ以外にも、短期PBLとしてインタビュー映像を活用した地域のCM作りや企業のプロモーション映像制作を行う他、今年度はさらに長期PBLとして年間を通して季節を表現する映像制作にもチャレンジ。
本記事では、短期PBLとして取り組んだCM作りの授業についてのお話を取り上げます。飯綱町にあるりんご農園「一里山農園」さんと、一里山農園をはじめ地元産のりんごを使ったシードルを醸造している「林檎学校醸造所」さんを子どもたち自ら取材をし、その魅力を一本の映像にまとめる活動です。
FilmEducation in 飯綱町〜地域の魅力が伝わるCMを作ろうプロジェクト〜
魅力を引き出すインタビューとは?
FilmEducationの授業は週に1回。隔週でカントクがオンラインで入り、年間で2回ほどは対面で一緒に活動をします。
今回は、CM作りの取材のタイミングに合わせて、長野へ赴くことに。ということで、ここからはOZ Fieldでの出張授業の様子をレポートしていきます!
OZ Fieldに到着すると、カントクの周りに子どもたちが集まってきます。いつもは画面の向こう側にいるカントクとリアルで会えて興奮している様子。
しかし、興奮も冷めやらぬ間に、インタビューの待ち合わせの時間もあるので、早速授業が始まります。
まずは、インタビューの仕方の確認から。
ゲスト、インタビュアー、カメラマンの3つの役割に分かれて練習をします。カメラマンは、レンズをゲストの目線と同じ高さにし、バストショットの構図を作るのがポイントです。インタビュアーは、しっかりとゲストの方に体を向けて目を見て質問を投げかけるようにします。
当たり前のようで意外と難しいのが、しっかり目を見て話す・聞くということ。コミュニケーションの基本にもつながる大切なポイントです。
インタビュアーは、事前にどんなCMにしたいか構成表を作成し、それをもとに質問を考えています。
さぁ、いよいよインタビュー!
素材集めの時間です
最初の取材先は小野夫妻が営む一里山農園さん。寒暖厳しい飯綱町だからこそ、甘味と蜜がぎゅっと詰まったりんごが自慢の農園です。
りんごの木々に囲まれる中、インタビューがスタート。
りんごに託した思いは? どんなりんごを育てたいですか?
事前に考えた質問に沿って、どんどんインタビューを進める子どもたち。普段は、なかなか恥ずかしくて発表が苦手な子も、堂々と話をする姿を見せてくれたそうです。目的や役割があることが、子どもたちの活動の原動力になっているのかもしれません。
次に訪れたのは、林檎学校醸造所さんです。
一里山農園をはじめ地元産のりんごを使ったクラフトシードルを制作しています。実は、創業メンバーの一人、小野司さんは一里山農園の4代目。農園でインタビューを受けてくれた小野夫妻の息子さんです。
なぜシードルを作ろうと思ったのか、どんな人にシードルを飲んでほしいかなど、小野さんのシードル作りへの思いを取材しました。
どの素材を使ったら、より魅力が伝わるかな?
目的に合わせて編集をする
1日目は、主に取材をし、素材集めを行いました。2日目は、集めた素材を整理し、目的に合わせて選択したり並べたりと、いわゆる編集作業を行っていきます。
映像を作り終わったら、カントクからのフィードバックをもらいます。
「これってどこに注目させたいの?」
「インタビューの映像、ちょっと長いかもね」
「テロップのタイミング、もう一回考えてみようか」
大事なのは、何を伝えたくてどの映像を使うのかを考えること。どうやったら魅力が伝わるだろうか、どんな順番で伝えたらいいだろうかと、試行錯誤する過程は、まさに探究的な学びです。
カントク、花冠をもらう
映像を撮影している合間に、子どもたちが、カントクに花冠を作ってくれました!普段はなかなか見れない貴重な姿……。
こんなことができるのも、子どもたちと年間を通して関わっているからこそ。
映像制作を活用した授業は、クリエイティブな学び。一つの正解があるわけではなく、それぞれの思いによって表現の形が変わってきます。
その子が普段何に興味があって、どんな思いで映像を作っているのかが分かると、どんな声かけをした良いか、どんなフィードバックをしたら良いかが見えてきます。関係性の構築が、子どもたちにとってより深い学びへとつながっていくのです。
次回は、そんな関係性を構築してきた年間の取り組みについてご紹介。「通知表を映像で」の秘密に迫りたいと思います!次の記事もお楽しみに〜。
完成作品
お二人のインタビューを通じて、りんごやシードル作りへの思いが伝わる映像になりました!
▼次の記事はこちら
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