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実際に使える防災知識とは 4

実際に使える防災知識第四弾です。
そろそろ、追いかけて読むのも面倒になったという方が多そうですが。
多分、今回が1番役に立つのでは?と個人的には思っています。

さあ、今回も始めて参りましょう。

実際に、台風・地震・水害などで被災した場合。
それぞれに、問題が違います。

ただ、共通して起きることは停電・断水・ガスの停止。
この辺りが一番多いと思われます。

基本的にガスが止まることは、ほとんどありません。
配管が損傷した場合のみでしょうか。
昔は、ガスは自動停止しないものでしたが。

今や、ガスは揺れなどで安全に提供出来ないと判断されれば瞬時に安全装置が可動して速やかに停止します。
そういう意味ではとても安全な物なのです。

ただ、このガスの安全装置。
止まってしまったら、自動復旧はしません(笑)
復旧させるには、ガスメーターについている復旧ボタンを押す必要があります。ネジ式のカバーがついているボタンがあり、カバーを外してから押し込む形になります。
ゆっくり押し込むと「プシュ」っと音がしますので。
3分も待てば元に戻ります。
見た事が無い方は、ご自宅のガスメーターで確認しておくと良いでしょう。

そして、次は水が止まったらどうするのかと言うお話です。
基本的に、災害で水道管が壊れていない限りは水は出る物です。
取水場などが壊れてしまった場合や、公共の配管が壊れると直るまでに数日~数ヶ月掛かります。
そうなると、非常に困る事が多いのです。

一般住宅で水が出ない場合は、水道施設の破損などで水が止まっていると思って間違い無いでしょう。
しかしながら、マンションなどの集団住宅ですと停電して直ぐは水が出たのに。数十分から、数時間で水が出なくなるという場合があります。

この場合、停電など。
水道施設の破損とは別の理由で、水が出ない可能性が高いのです。

そういう場合に最初に確認していただきたいのが。
水道の元栓の部分で水が出るかということなのです。

覚えておいていただきたいのですが、マンションなど集団住宅には各家庭に水を分配する前の大元の水栓があります。他にも、庭木などに水を撒くための撒水用水栓。ポンプ室の水栓等々。
管理人室などで鍵が保管されている事が多いのです。

停電していても、水道施設に異常が無ければポンプ室や、散水栓などからは水が出る可能性が非常に高いのです。

ですから被災した場合。
まずはこちらの水栓が出るかどうか確認しましょう。
ここから水が出れば、水を買いに行く必要は無いのです。

実際に被災してから探すのは手惑う上に、鍵などの有かが分からないことが多々有ります。平常時に、管理組合や、管理人、管理会社などに確認を取り。非常時に速やかに、共同水栓が使える手筈を取って置くことが大事です。上記、水栓については下記のサイトの1番下の写真が分かり易いです。確認してみて下さいね。

私も2004年に、台風被害に遭遇した時。
1週間ほどライフラインが停まり、大変だったことがあります。しかし、当時はポンプ室の中に有る水栓から水が出るとは知らず。
3日ほど、水の確保に苦労しました。

その後、どなたかが気がついたらしく。
「ポンプ室の鍵が開いたから、水が汲めるから取りにおいで」
という連絡がマンション内に回り。水が汲めたということがありました。

この場合でも、女性が水を汲んで両手に持って階段を上がるのはとても大変です。どんな形でも良いので、リュックにペットボトルや、清潔なビニール袋などを入れ。背負って水を運ぶのがお勧めです。災害時は、肩や腰を痛めたら悲惨です。安全第一で生活をして下さい。

他にも忘れないでいただきたいのが、自宅のトイレの先にある施設です。
水害などでは、多くの汚水処理施設が被害を被る事があります。
マンションでは、少ない水でトイレを流すことで排水管が詰まったり。
汚物を流すルートが壊れているのに、誰も気がつかずトイレなどを使い。
マンションの地下が汚水溜まりになって悲惨だったという例もあったとか。詳しくは私も知らないので、聞いた話で失礼します。

私の経験ですと。
西日本豪雨の際、汚水処理施設が被害に遭ったため。
仮定での水利用を最低限に控えていただき、洗濯・入浴などに配慮を。
という広報が回って来たことがありました。
市民側からすれば「何を馬鹿な事を言ってるの?汚れ物も溜まっているし、被災した後処理も水を使うし」と思うかも知れませんが。
その汚水は、どこに行くのですか?という部分も考えて使う必要があるようです。

そして、最大の問題はトイレでは無いでしょうか。
数年前に、故郷である静岡が台風の被害に遭いました。

その時に、SNSで皆さんが言っていた事は「トイレに水を流したら、どれだけ水があっても足りやしない。という言葉でした。

皆さんに1番知っていただきたいのは、最新式のトイレは全て節水型です。
節水型というのは、特殊な水流を作って流すことで少ない水で汚物を流すと言うシステムです。

イコールただ、やみくもにバケツで水を流しても汚物は流れて行かないのです。ですから、貴重な飲み水をトイレ用水として使うほど馬鹿げた事は無いのです。

節水型のトイレの仕組みについては、下記リンクを見ていただければ一目瞭然だと思います。

節水型トイレの水流についてTDK

ですから、断水時にトイレで用を足して水を流すことは辞めた方が良いのです。では、どうしたらよいかと言えば洋式の場合。
まずは、用意しておきたいのは下記の物です。

①黒のゴミ袋(大)
②吸水させるもの(非常用トイレの凝固剤・新聞紙等)
この2つがあれば、トイレは事足ります。

出来れば、便器に溜まっている水を掃除用のスポンジなどで押し出してしまうと、ゴミ袋が濡れずに済み後処理時の不快感が減ります。

その上で、便座を上げ黒のビニール袋を被せ、便座を降ろします。
その中に、凝固剤や新聞紙と言った吸収材を入れ用を足します。
小なら、数回。大なら1回で袋を外し。
口をしばって屋外に保管。
燃えるゴミの日に捨ててしまえば良いのです。

これで、貴重な飲み水をトイレ用に使わずに済みます。
所で、なぜ黒のゴミ袋なの?と思われるかも知れませんが。
後で、汚物を捨てる時に見えない方が精神的に良いからです。

最近の自治体のゴミ袋は、半透明な物が多く。
汚物が丸見えでは、ゴミに出しにくいですし。
保管している時も、目隠し効果が有った方が絶対に良いですから。
最悪、透明ビニール袋でも平気ですので覚えて置いてくださいね。

他にも断水時のお話をしますと。
被災して、停電し。まだ貯水タンクの水が有る場合は。
断水前に出来る限り、水を溜めておく事をお勧めします。

お風呂に目一杯水を入れておくと、雑用水に関しては確保でき。
3~4日は飲み水以外は困らない事もあります。
トイレタンクの水も、気にしない方でしたら使えるかも知れません。
プラスα、非常用の浄水器があれば飲み水にも転用出来ます。

また、良く有る話ですが。
懐中電灯を用意していたけれど、本当に夜間不便だったというお話。
1度、夜間。
懐中電灯だけで、色々と家庭内で行動してみて下さい。
1時間もすれば、グッタリしてしまうと思います。

これは、懐中電灯で片手が塞がっているからなのです。
特にお料理なさる方、懐中電灯だけで料理してみて下さい。
天井に吊そうかとか、どこかに立てかけて手元固定で明るくしようとか考えると思います。手元をピンポイントで照らすということは本当に懐中電灯では難しいのです。

ですから、停電したときの為に備えるべきのは、両手が自由になる。
ヘッドライトでないとと、私は思っています。

人間は頭を向けた方向を見ますから、頭のど真ん中にライトを付けていれば、基本見る方向を照らしてくれます。
ヘッドライト一つで、行動し易いこと間違いありません。電池の減りの少ないLEDライトも良いかも知れません。
メーカーによって、明るさも様々でして。

ヘッドライトで、座って本を読む程度は出来ても。
何か探しものをするほど、先まで照らしてくれない物もあり。
実物を手に取って、明るさをアウトドアショップなどで確認して購入するか。「カンデラ」「ルーメン」「ルクス」といった、明るさの単位で光の強さを現して商品を売っていると思いますので、そちらを確認し。
家族の人数分揃えておく事をお勧めします。

他にも、充電しなければ使えない電子機器についてです。
状況次第で、電池切れになりやすいでしょう。

特にスマホなどは、使わなくてもGPSなどで、位置のやりとりをアプリがしていることが多く。使わないでも、自然と充電は減って行くものです。

非常時は、LINEグループなど親しい方や家族に無事を伝えた後。
確実に充電が出来る場所が確保出来るまでは、スマホは機内モードしておくのが1番利口な使い方です。全ての通信を止められますので電池持ちがよくなります。

まだまだ、話し足りないのですが。
今回はファイブゼロJAPANをご紹介して終わりにしたいと思います。

多分、そろそろ皆さん周知の物となったであろうファイブゼロJAPAN。
災害時に、公共施設などに設置されるフリーWi-Fiです。

自衛隊の災害派遣が来てくださるレベルの災害になると設置され。
誰でも、無制限に使う事が出来る便利な物です。
意外と速度も速く、快適なWi-Fiが提供されるのです。

私も実際に、被災時に使わせていただきましたが本当に快適でした。
唯一、気をつけなければならないのがセキュリティー面が低いということです。ですから、最悪ハッキングされて困る様なサイトにはアクセスしない事。これだけは、念頭に入れて置いてください。

ちなみに、私がファイブゼロJAPANを利用したのはこの時。
広島空港での利用でした。

広島空港は本郷にあります

こう言うときは、食料の確保も難しいのですが。

被災時の某コンビニ店内

そんな中でも、ネットで情報を得られるというのは安心材料でした。
余り情報を詰め込んでも、一気には頭に入らないのが人間ですので(笑)
私だけかも知れませんが、今回はここまでにいたします。

お付き合い戴いた皆様、今回もありがとうございました。

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