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30代でのMBA留学における費用対効果①ビジネスに関する知識の習得

私自身、入学時に37歳でしたので、MBA出願する中ではかなり年上の分類です。実際にビジネススクールとのインタビューでも「あなたたぶんクラスで一番年上になるけど大丈夫?仲良くやっていける?」という質問を6校受験して2校で聞かれました。もちろん当時は「私は年齢で人を判断しません。また、私の豊富な経験を還元していくことで、クラスに貢献できます!」とドヤ顔で回答してました(実際には一切貢献できてませんが涙)。今振り返るとそういう質問してきた学校に行っていたら、結構キツかっただろうなと思っています。
ということで、私が考えるover30でMBA留学する意義や留意点について書いていきます。

ビジネスに関する知識

就業経験が長ければ長いほど、MBAに対してこの部分は得られるものは少なくなります。もちろん、様々な知識を体系的に、しかも短期集中で学べたのは良かったのですが、別にわざわざ海外MBAに来なくてもいくらでも学ぶ手段はあると思います。本当に知識を習得したいのであれば、コスパの良い方法は他にもありますね。
例えば、この二つはお勧めです。通学せずともMBAの授業が受けられます。
edX : edX | Build new skills. Advance your career. | edX
Cousera : Coursera | Degrees, Certificates, & Free Online Courses
それでは、MBAで実際に学んだ知識について、私なりに思うところを少し掘り下げていきます。

リーダーシップに関する知識・リフレクション・ソフトスキル

これはMBA来てよかったことの一つです。世の中一般として、管理職に対するトレーニングが圧倒的に少ないらしいです(byMITの某教授)。私も留学直前の1年間は管理職だったのですが、ほとんど何の研修も受けないまま、いきなり現場に放り込まれて部下ができました。今振り返ると、部下の皆さんはとても不幸だったなと思います。
授業では「何をすると部下の心理的安全性を破壊してしまうか」ということも学んだのですが、私は心理的安全性を破壊しかねない典型的なマネージャータイプ(notコーチタイプ)だということがわかりました涙。これを知れたのは大きな収穫でした。また、組織の立ち上げを2度ほどやってきたので、組織論を学ぶ中で何がダメだったのか、何が正解だったのかをリフレクションできたのもすごくよかったです。さらに、MIT Sloan Fellowsのプログラムでは、エグゼクティブコーチなる人が1年間伴走してくれて、個人個人のリーダーシップスタイルについてメンタリングをしてくれます。このコーチとの相性が素晴らしかったので、帰国後も個人契約するか悩んでいるぐらいです。
一方、いわゆる普通のMBAに行く年齢(アンダー30)だと、マネジメントの経験が少ないため、リーダーシップ系の学問が単なるお勉強で終わってしまう(実務で悩みに直面するまで数年かかる)という声をちらほら聞いております。そういう意味でも、30過ぎてマネジメント経験をちょっと積んだくらいのタイミングでリーダーシップの授業を受けることは、とても意味があることだと思います。

ファイナンス・アカウンティング等の一般的なハードスキル

これらの知識も一通り体系立って、しかも英語で学べるのは、まあまあ意味があったと思います。海外の財務諸表とかもアレルギーがなくなるので、いざ経営企画部門に異動したり、海外子会社のボードメンバーになったとき等、将来とても役立つと思います。
一方、もちろん効率的に学習できるのと、教授の質が高いのはいいことなのですが、わざわざこれらの科目の習得を目的にMBAに(ましてや海外MBAに)行く必要は無いと思います。日本で自習できますし、本質だけを学ぶのであれば日本語でさくっと学んだほうが圧倒的に高コスパです。
※これらはあくまで私のようなファイナンス・アカウンティングを実務でそんなに使わない職種の人間目線です。これらの領域で「広く」&「深く」追求したいということであれば、MBAは効率的な学べる場かなと思います。

その他の科目

例えば私は今の学期では、自分の視野を広げる意味でAIのクラスとSustainabilityのクラスを取っています。新しい知識を体系的に、そして本質的に学べる環境は本当に恵まれていますし、とても勉強になっています。「広く」&「浅く」&「体系立って本質を理解したい」というニーズには刺さります。
一方、専門性を追求したい・最先端のトレンドを知りたい、というニーズですとそれは何とも言えないです。上述のファイナンスやアカウンティングの話と同じです。もちろん、トップスクールであれば素晴らしいゲストスピーカーが登場することも多々あります。ただ、どうしてもビギナー向けのレベルで話さざるを得ないですし、質疑応答とて一人せいぜい2、3問くらいしかできません。時たまランチやディナーも企画されますが、あったらラッキーぐらいのものですね。
なので、結局実務でガリガリやっている人の専門性や知識の鮮度に、たかだか数週間~数か月のお勉強で追いつくことは難しいというのが感想です。

経営の疑似体験

私は志望理由にこれを入れてました。「私は経営経験がない。ケーススタディを通じて、意思決定の練習をしたい。」結構真面目にそう思ってました。が、ケース読んで議論したぐらいで、経営者として会社にイノベーションを起こしたり、組織マネジメントができるわけありません笑。
もちろんケースを通じて事例をたくさん学ぶことはできますが、、、経営の疑似体験は言い過ぎですね。優秀な経営者の意思決定のTipsを垣間見ることができる、ぐらいが適切な表現です。知らない会社の話を聞くことができるので幅はすごく広がりますが、結局本読んだりしたら補完できちゃうよなーというのが感想です。
もちろん、中には企業常駐プロジェクト型の授業もあります(私は未選択)。これはこれですごく勉強になると思いますが、いわゆる大学生のインターンシップ的なノリ外様のコンサル的な位置付けは抜け出せず、言いっぱなしで終わるので、本当の意思決定のヒリヒリ感は無いですね。私のクラスに限るかもしれないですが、企業常駐プロジェクト型の授業を大絶賛している同級生には出会ったことがないですね。


以上、まずは得られる知識について触れてみました。繰り返しになりますが、あくまでover30の人目線です。もっと若い時期にこれらの知識を学ぶのであれば、また意味合いは異なってくると思います。
引き続きこのお題でいくつか記事を書いていきますので、お楽しみいただければと思います。

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