からっぽの腹
じりじりと鳴く蝉の
その腹のなかはからっぽらしい
ぎょろりとした目と
ぱりぱりとした翅と
大きな大きな生殖器
そしてからっぽの腹
それが蝉たちの持っているものだ
道端の寄せ植えから
蔓植物が柵を乗り越えて伸びている
僕はその蔓が伸びるより早く歩くから
その蔓に捕らえられることはない
けれど
じりじりという蝉の鳴き声からは
いくら走っても逃げきれないだろう
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