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野生の生肉に触れる

「みんなのジビエ料理教室」、無事終了いたしました。皆さんとてもテキパキと動いてくださり、デザートも合わせて7品15人前を3時間で作ることができました。

これ↑は「ぬた和え」に使った猪のスネとハラの肉。猪や鹿の肉は、子供の肉はピンクがかっていて、大人になるほどに深紅になっていくのですが、今回のお肉は真っ赤よりは少し薄めの色で、大人になったかならないかくらいの若い肉でした。ちなみに猪も鹿も、栄養状態に問題がなければ2歳で性成熟します。こういうことを説明しながら進めていきました。

ぬた和えで猪肉をゆでたゆで汁で、ピラフを炊きました。たっぷりの刻みパセリが苦味のよいアクセントになりました。

この数年で「ジビエ」という言葉は、食べることが好きな人々の間ではかなり浸透したかなと思います。でも、皆さんレストランで、すべておぜん立てされた状態でしかジビエと出会ってらっしゃらない。現状では「ジビエとはどんな肉なのか」、素材を肌で感じる機会がまだまだ少ない。だからなんとなく「調理が難しい素材」という印象を持たれがちです。

今回は「初めて野生の肉を切った」という方が数名いらして、いい経験だったというご感想をいただきました。意外と家庭でも調理できるものだ、ということもお伝えできたかなと思います。

ジビエは国産の天然資源です。駆除される野生動物の肉を知ることは、自分たちが生きている社会や自然環境を知り、考えることにつながると思います。生肉に触れ、おいしくいただきながら「これが育つ自然ってすごい」と感じる経験が、その方の人生の質をちょっぴり上げることを私は信じています。

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