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住まい支援の強化について      参議院予算委員会 動画&会議録             2023年11月28日@その3

<質疑要旨>
住まい支援の強化について
・この9月、国交省・厚労省等関係省庁の間で「総合的・包括的な住まい支援」の素案が示された。国土交通省・厚生労働省の共管の仕組みとして一刻も早く実現していただきたい。
・大家さんが空き家を低廉な家賃で貸してくれるよう、例えば支援付き住宅に登録すれば固定資産税を軽減するなどさらに踏み込んだ対応をとっていただきたい。
・住まい支援にはお亡くなりになった時の対応も必要です。ご遺体を適切に保管・管理できる事業者の届出制の創設を住まい支援の構築とあわせて取り組んでいただきたい。

<答弁者>国土交通大臣 厚生労働大臣 内閣総理大臣

<会議録>
○山本香苗君
 次に、住まい支援の強化についてお伺いいたします。
 高齢、障害を理由に入居を拒否された、保証人がいない、緊急連絡先がない、転居費用がないから転居ができない、施設に入った方の持家が処分できずに放置されたままになっているなど、住まいをめぐる多様なニーズが地域にはたくさんあるわけでありますが、こうした様々な相談というものを一括して受けるような窓口がありません。また、住まいの問題を抱えている方の多くは、住まいの確保に困っているだけではなくて、住み続けていくために支援が必要な方が多いわけです。
 こうした実態踏まえまして、福祉施策と住宅施策の連携により、相談から住まいの確保、入居後の支援までの一貫した支援体制の構築というものをこの間繰り返し求めてまいりました。ようやくこの九月に、国土交通省、厚生労働省等関係省庁の間で総合的、包括的な住まい支援の素案というものが示されて、近々おまとめになると伺っておりますが、一刻も早く両省共管の仕組みとして実現をしていただきたいと思います。
 斉藤大臣、武見大臣、よろしくお願いいたします。

山本かなえの質問に答弁する 斉藤 鉄夫 国土交通大臣

○国務大臣(斉藤鉄夫君) 居住の安定、特に高齢者、それから生活困窮者の居住の安定というのは非常に大切だと思います。山本委員、一貫して御主張してこられました。 
 国土交通省、厚生労働省、法務省の三省合同で設置した有識者検討会が本年九月にまとめた中間とりまとめ素案では、今後の居住支援の在り方の課題と方向性について、居住支援の充実、市場環境の整備、ニーズに応じた住宅の確保方策等を御提案いただいており、緩やかな見守りなどのサポートを行う住宅の提供もそのポイントの一つとされております。住宅政策と福祉政策の合体ということだと思います。 
 今後は、検討会での更なる議論を踏まえて、委員御指摘の厚生労働省との共管の仕組みも含め、これらが真に実効性のあるものとなるよう、国土交通省、厚生労働省などの関係省庁が一層の連携を図るとともに、スピード感を持って住宅セーフティーネット制度等の住まい支援の強化に取り組んでまいります。スピード感を持ってやっていきたいと思います。

山本かなえの質問に答弁する 武見 敬三 厚生労働大臣

○国務大臣(武見敬三君) 厚生労働省も、この国土交通省、法務省、合同で設置するこの検討会において、住宅施策と福祉施策が一体となった住まい支援の在り方等について検討を行っております。 
 また、厚生労働省の審議会におきましても、単身の高齢者、それから生活困窮者といった方々が民間賃貸住宅に円滑に入居し、安心して生活ができるよう、住まいに関する相談支援の明確化、入居前から入居後までの切れ目のない支援体制の構築、それから低廉な家賃の住宅への転居費用の補助など、生活困窮者自立支援制度の見直しについて検討を進めております。 
 住まい支援におきましては、不動産関係者らとともに生活面の支援を行う福祉関係者が一体となって支援を行うことが委員御指摘のとおり大変重要でございますので、国土交通省と一層の連携を図りながら、委員御指摘の共管の仕組みも含めて、必要な制度改正が早期に実現できるよう検討を進めてまいります。
○山本香苗君 今この新たな仕組みを機能させるために大家さんが空き家を低廉な家賃で貸してくれるかどうかというところが重要なんですが、これまで、残置物処理のモデル契約条項だとか人の死の告知に関するガイドラインの策定とか終身建物賃貸借の対象拡大、もういろいろやってきたんですけど、なかなか進みません。 
 もう一歩踏み込んだ形で、先ほど緩やかな見守りの支援付住宅のお話がありました。こういったところに登録した場合に固定資産税をまけるとか、そういったインセンティブを是非とも御検討いただきたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 大家さんの中には、高齢者などの孤独死などに対する不安から、その入居に拒否感を持っている方もおられるため、高齢者が円滑に住まいを確保するには、大家さんが住宅を提供しやすい市場環境の整備を図ること、これが大事だと思います。 
 例えば、先ほどお話のございました見守りなどの入居中のサービス、そのサポートにより大家さんの不安が軽減され、安心して住宅を提供できるようになることから、こうしたサポートのある住宅の普及が重要であると認識しております。 
 また、死亡時に借家権が終了する終身建物賃貸借についても、高齢者へ住宅を提供しやすくする仕組みとして有効であることから、手続の簡素化など、より使いやすい制度への見直しが必要であると認識しております。 
 さらに、賃貸住宅を探している方に対する賃貸住宅で過去に人が亡くなった場合の告知については、令和三年に国土交通省がガイドラインを策定しましたが、これが十分活用されていない実態も踏まえ、宅地建物取引業者への周知等を行ってまいります。 
 いずれにいたしましても、中間とりまとめ素案では、制度の充実や見直し、補助、税制、先ほど固定資産税のお話がございました、税制等、幅広い方策について検討を進めるよう御意見をいただいていることから、これを踏まえまして、住宅セーフティーネットの充実のための方策を幅広く検討し、実効性のあるものとなるよう、しっかり結論を出していきたいと思います。○山本香苗君 ありがとうございます。 
その上で、住まい支援には、お亡くなりになったときの対応といったものも必要です。 今月一日、愛知県岡崎市で、葬儀会社が以前使っていた建物に置いてあった二つのひつぎの中から、高齢と見られる男性二人の御遺体が見付かりました。このうちのお一人は碧南市でお亡くなりになった身寄りのない六十代の男性の方で、碧南市が業者に保管を依頼したと報じられております。 現在、御遺体の取扱いを規定した法律はございません。誰でも御遺体を管理、保管することができてしまいます。行政も、御遺体を適切に取り扱える業者かどうか判断ができません。身寄りのない御遺体をないがしろにされることがないように、御遺体を適切に保管、管理できる事業者の届出制の創設に是非お取り組みいただきたいと思うんですが、総理、いかがでしょうか。

山本かなえの質問に答弁する 岸田 文雄 内閣総理大臣

○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、高齢者の住まい支援につきましては、入居前、入居中、そして退居時まで、この様々な課題が指摘をされています。関係省庁と連携して、これまでも、単身高齢者を含めた住宅確保要配慮者に対して住宅セーフティーネット、これを構築するべく政府としても取り組んできたところですが、その中にあって、御指摘の御遺体ですが、御遺体については礼意を失うことなく適切に取り扱われる、これが重要であり、御指摘のこの遺体を取り扱う事業者、これが、しっかりと見極めなければなりません。 そして、この事業者については、その実態や課題等を把握するため、厚生労働省において、令和四年度に遺体の取扱状況に係る調査行ったところですが、さらに今年度は、事業者の対象範囲、調査項目、これを拡大した調査を行うこととしており、その調査結果を踏まえて、事業者の届出制等の要否を含め、遺体の取扱いに関する規制の在り方、これを政府として検討したいと考えます。
○山本香苗君 是非とも、政府で御検討いただきたいと、こういった問題が二度と起きないようにしていただきたいと思います。

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