筋トレ日記

前の記事で少し触れたのですが、9年前にダイエット目的で筋トレを始めて、今でも続けております。就職してからずっと教育現場で働いているのですが、同僚(先生方)とも生徒とも、筋トレの話をすると盛り上がれるので、「健康」が人類にとって一大関心事であると実感しております。自分の人生でも、こんなに長い間続けられた趣味はないので、自身の振り返りとして書き留めておこうと思います。

「始めるまで」

筋トレを始める前、当時170cmで73キロ、ウエストは88cmくらいで完全にメタボでした。小腹がすくとすくにお菓子などを食べる、ソフトドリンクを飲んで一時的に血糖値を上げるなどして、日ごろのストレスを発散していました。体型を家族に揶揄されることもありましたが、世の中の40歳代はだいたいこんなもんだろうと真剣に取り合いませんでした。休職して時間ができたため、ある日、知人に勧められてダイエットを始めることにしました。

「自重とPFC」

知人から、体重を落としたいなら「カロリー制限と有酸素」、かっこいいからだを作りたいなら「PFCと筋トレ」と教わりました。無論後者なので、最初は知人から勧められた自重トレーニング(腕立て、腹筋、背筋、スクワット)から始めました。学生時代にずっとテニス部で、自重はよくやっていたので、「何をいまさら」と思いましたが、腕立てをやろうとした時、腹を床から離して腕で支える(最初の態勢)が作れない自分に愕然としました。腹の重さを支える腕の筋力がないわけです。急に自分が恥ずかしくなりました。

食事は、PFCつまり、Protein(タンパク質), Fat(脂質), Carbohydrate(炭水化物)のバランスが大切だと彼に習いました。自分のそれまでの食べたい時に食べたいものを食べるという食生活が、F(脂質)とC(炭水化物)に偏っていることを知りました。好き勝手食べても、サラダを食べればすべてリセットされると思っていました。

まず、間食をやめました。これは、休職してストレスがほぼ皆無になったので、割と苦も無くできました。次に、夜のごはん(糖質)をやめて、サラダ(食物繊維)に置き換えました。最後に、一日を通して、高たんぱく&低脂質の食材を摂るように心がけました。休職中は、自分が食事を作る担当だったので、これがしやすい状況だったと思います。日々の摂取カロリーの総計は当時計算していませんでしたが、たぶん始める以前に比べて毎日500~800キロカロリーぐらいは減っていたと思います。

1か月もすると、腕立てをするのが楽になり、心身の変化を実感することができました。

「スポーツセンター時代」

3か月もすると、自重がなんなくできるようになったので(主観的に)、知人に勧められて近所のスポーツセンターのトレーニング室(1回300円、1か月1200円)に通い始めました。大学終わりで行くと、人もまばらで、マシンやウェイトの取り合いにはなりませんでした。知人から教わった分割法を実践しました。分割法は、例えば、脚、胸、背中、肩などを曜日ごとに振り分けます。私は、月:胸、火:背中、水:肩、木:脚、金:胸、土:背中、日:休み、という順に回しました。各部位を鍛える種目は本やyoutubeで勉強しました。ちなみに、脚が週1なのは、回復に時間がかかる(72時間)と言われているからで、胸、背中は比較的短い期間(48時間)で回復すると言われているので週2にしました。

ほぼ毎日のように通っていたので、常連の人たちと仲良くなりました。気さくに話しかけてくれる方が多く、同じマシンを交代で使わせていただくこともありました。当時、スポセンは、お年寄りがウォーキングマシン(トレッドミル)をするところ、みたいな先入観があり、これほど筋トレ設備が充実していると思いませんでしたが、月1200円通い放題であれだけの設備があるというのはかなりお得だと思います。本気でボディビルやってる人も何人かいました。ただ、多くの人が仕事終わりの18~20時くらいに利用するため結構混無と思います。使う時間帯によって不便を感じるかもしれません。

「24時間ジム時代」

実は今も通っているのですが、筋トレを始めて半年が過ぎた頃に、近所に24時間ジムがオープンしたので、そちらに移ることにしました。ちょうど12月頃だったのですが、スポセンは年末年始は当然のことながら休館になり、その期間もトレーニングを休みたくないというぐらいには脳が侵されていたからです(笑)。一日でも休むと苦労して増やした筋肉が溶けてなくなるのではないか心配になるというトレーニーあるあるです。

ちょうどこの頃、筋トレyoutuberが増え始め、彼らをモチベーションにしながら夢中でやってました。

「筋トレと仕事」

筋トレを続けていると、体型が整ってくる以外にも多くのメリットがあります。その一つが、メンタル面の向上です。男性ホルモンであるテストステロンや幸福ホルモンと呼ばれるドーパミンが筋トレ後に放出されると言われています。実際、筋トレ後は心地よい疲労感ともに、気分が上がる感じがあります。

それが日常化すると、小さいことを気にしないようになったり、冷静に物事を判断できたり、自信をもって発言できるようになったりします。要は、仕事の面でもプラスになることが多くなります。私も筋トレをしていなかったころよりも、している時の方が仕事の調子は良かったし、生活にメリハリが出ました。年齢的に、校務分掌の中でも責任が重い主幹の仕事を任されることが多かったですが、引き受ける時も躊躇せず、やってる時も、たんたんとこなせている感じがありました。要領よく仕事を片付けて、早くジムへ行こうという感じの生活をしていました。

「初めての大会」

筋トレと仕事を両立する中で、ふと挑戦したい欲求に駆られました。教員は公務員なので、仕事を頑張るほど昇進するわけでも、給料が上がるわけでもありません。なので私は、自己実現の方法として、それまで続けてきた筋トレ生活の成果を試すべく、フィジークというカテゴリーでコンテストに出ることにしました。筋トレを始めて1年が過ぎた頃でした。youtubeを見ながら、自分なりに減量をし、エントリーをして、ドーピング防止講習やポージング講習を受けて、大会当日に臨みました。しかしながら、仕上がりが甘く、予選落ちという結果で終わりました。結果は残念でしたが、ステージに上がって、審査されるというyoutubeで見るだけだったコンテストに出られたという経験は貴重なものでした。

「老舗ジム時代」

この大会での経験から、次の大会で雪辱を果たすべく、パーソナルトレーナーがいる地元では老舗のジムに移ることにしました。2週間に1回のペースでパーソナルトレーナーさんに指導や補助を受けながら、必死にトレーニングをし、翌年の大会出場を目指しました。担当していただいたパーソナルトレーナーさんは、ご自身がもちろんボディビルやフィジークの選手でいらっしゃって、その説明はとてもわかりやすく、自分でトレーニングする時も、ポイントを押さえてできるようになりました。これはパーソナルを受けなくなった今でも体に染み付いているので、コストはかかりますが、それだけの価値はあったと思います。

「コロナと筋トレ」

老舗ジムに移って、半年が過ぎた頃、コロナウィルスが世界を震撼させ、日本初のコロナ発症患者が出て、「緊急事態宣言」が発令されました。外出自粛ムードが高まる中、多くのジムが営業停止となりました。そんな中でも、私が通っていたジムは対策を講じながら営業を続けてくれていたのですが、万が一、自分がかかった場合に、学校や家族にかける迷惑を思うと、通うことはできませんでした。そして、思い切ってベンチやダンベルを購入し、自宅で細々と続けることにしました。筋トレをした直後は、免疫が落ちた状態になる、とか聞きますが、筋トレを始めてから風邪一つひかなくなり、コロナにかかることはありませんでした。これは筋トレのおかげというより、健康な食生活のおかげだと思います。

「転職と筋トレ」 

コロナ禍の終わりが見えず、次のコンテストもいつになるのかわからない中でしたが、ジムに通えるくらいには社会も落ち着いてきて、日々のトレーニングをたんたんと続けていました。そんな中、ふと、この先の人生について考えるようになりました。そして、中学校の教員をしながら、趣味として筋トレを続けるだけでは、物足りない、何か大きなことに挑戦したいと感じるようになりました。

そんな折、今の仕事の公募情報を見つけて、応募することにしました。当時46歳で、研究職を目指すなら最後のチャンスだと思いました。

「二回目のコンテスト」

コロナ禍で、2シーズンの間、コンテスト開催が見送られました。そして、私が筋トレを始めてから6年目に2回目のフィジークコンテストが開かれることになりました。減量期が今の仕事の立ち上がりの時期と重なったので少し迷いましたが、ここまでトレーナーさんに支えられて頑張ってきたのだから、と思い、出場を決めました。

1回目とは違い、トレーナーさんから事前に減量に向けた食事指導やポージング指導も受けました。自分なりに、過去一絞れたからだを作ることができましたが、またもや予選落ちとなりました。大会としての結果は伴いませんでしたが、自分なりにやりきった感がありました。

「筋トレとの付き合い方」

コンテストが終わった後の脚トレで怪我をしてしまいました。治癒するまで3ヶ月かかると医師に言われ、できる種目だけでも、と無理にトレーニングを続けるより、休むことにしました。そして、けがが治癒するまでの間、じっくり考える時間ができました。筋トレと仕事を両立していた頃は、仕事をしている間は、早く終わらせてジムに行きたい、ジムが終われば翌日の仕事をいかに早く終わらせるか、というトレーニング中心の思考でした。周囲の人から、年齢の割に若い、とか、体型がいつも変わらずすごい、とか言われ、気をよくして夢中になってやっていました。

そんな生活の中で、飲み会に誘われても、「筋肉に良くないから私は飲みません」と言ったり、カップ麺を食べてる同僚に「身体に悪いですよ」とか言ったり、調子に乗って、よく配慮に欠ける言動をしていました。そんなやりとりは、ジム仲間とやっていればいいわけです。全くもって大きなお世話というものです。そういうことに当時は気づきませんでした。

今の職の公募情報が出る前、大会で優勝して自分のジムを開くのもいいな、と思ったことがあります(youtuberの影響大)。ダイエットきっかけで始めた筋トレが、心の拠り所になり、欠かせない生活の一部になりました。筋トレや健康的な食生活は、これまで述べてきたような様々なメリットがあり、日常生活をより良いものにする力がありますから、そういう思考になるのもどこか自然なことだと思います。でも、生活を支えてくれる筋トレが、いつの間にか、他のものを捨ててまで、手に入れたいものみたいになってしまっていることにこの頃に気づき、ハッとしました。

今の仕事に移ってからは、元の24時間ジムに戻り、マイペースでトレーニングを続けています。最近になって、フィットネスのゴールは大会で結果を出すことではなく、一生続けられることだと思うようになりました。フィットネスて整えた丈夫で動ける体と頭というインフラを使って、何を成していくかで人生の真価が問われるのだ、と思えるようになりました。

ふとしたきっかけで始めた筋トレですが、筋トレを通して、体型の改善だけでなく、どう生きていくかについても多くの気づきがありました。筋トレは、手軽に始められて、比較的に短期間で効果も出ると思います。また、インターネット等で、自分に合うやり方も見つけやすくなっていると思います。興味がある方は、ぜひお試しください。ただし、くれぐれものめり込み過ぎにはご注意ください。

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