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【003】“障がい者国体”大阪市選手団!

■「国体」って、すごい!

 体育教員だった父が生前、言っていたことを思い出しました。
「お前、あの先生、知ってるべ? 国体選手だったんだぞ。すごいべ!」

 陸上競技の短距離と投てきの選手だった父には、選手として全国大会に出ることはかなわなかったようで、国民体育大会(国体)の選手だった同僚には、尊敬していたようです。

■氷点下35℃! 13歳で見た「名寄国体」のものすごさ!

 私自身も「国体選手」にはなれなかったのですが、間近でその競技を見たことがあります。中学1年生の時、北海道名寄市で開かれた「第34回国民体育大会冬季大会スキー競技会」(通称・名寄国体)です。周辺にホテルが少なく、選手たちを学校の教室に泊めたということで話題になった大会でした。この大会で、父は、ノルディックスキー距離競技の役員をやっていたため、私たち家族は「お父さんの応援」に会場に行ったのです。

 そこで私が見たのは、こめかみから氷柱(つらら)を下げ、鼻の穴や口から白髪のような“口ひげ”を付けた選手たちでした。来る選手、来る選手、ほとんどが同じ様子でした。時に、気温が氷点下35度を下回る名寄の冬。後で知ったのは、汗や鼻水、よだれがすぐに「シバレテ」(=凍って)しまい、そうなっていたのだそうです。

 「国体選手になることがたいへんなのに、国体で戦うのは、もっとたいへんなんだな」――いちろー、13歳(当時)。「国体初体験」の率直な感想は、これでした。

■障がい者の「国体」=全スポ or障スポ

 国体といえば、一般の国体だけでなく、障がいのある選手の国体もあります。一般の国体の後に、同じ会場である「全国障害者スポーツ大会」(「全スポ」または「障スポ」)です。今年は鹿児島県で開かれました。この「もゆる感動かごしま大会」に、大阪市選手団は145人(うち選手98人)で、10月27日(金)から31日(火)まで鹿児島に行ってきました。私も総監督として参加しました。

「特別全国障害者スポーツ大会」を紹介する掲示=大阪市長居障がい者スポーツセンターで


 さて、今、「大阪<市>選手団」と書きました。「あれ?」と思った方もいらっしゃるでしょう。そうなんです。一般の国体は、都道府県ごとにチームを編成します。ですが、障がい者の国体は、政令指定都市と、その都市を除く都道府県が、別々にチームを編成するのです。例えば、「大阪」であれば、「大阪市」「堺市」「大阪府(大阪、堺両市を除く)」と3チームが出ることになります。これは、障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳)を交付するのが、政令指定都市または都道府県だからという事情があります。

 そのため、全国大会に向けた予選に当たる大会も、個人競技であれば、大阪市、堺市、(両市以外の)大阪府が別々に実施しています。ただ、アーチェリーだけは、府と両市が同じ日時に同じ会場で「三つの大会」を同時に開き、別々に表彰し、別々に代表を選んでいます。また、団体競技は、府と両市が別々にチームを編成し、近畿地区の他の府県や政令都市のチームと「近畿代表」の地位を争っています。

かごしま大会「大阪市」選手団


 では、「大阪市」の選手たちはどれだけ活躍したか? それは、次回、ご紹介しましょう。

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