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ジャパンモビリティショー2023が開催されています。モビリティすなわち移動について

 ジャパンモビリティショー2023が開かれています。東京モーターショウを変えて装いも新たに開催されています。

 私の東京モーターショウの印象で言えば奇抜なコンセプトカーとか、派手な新しい型の自動車の発表とかがイメージされます。私は弱視で自動車免許を持っていないので自動車にはほとんど興味はありませんでした。しかし今年からジャパンモビリティショーになって移動に関するあらゆる分野から出店があると効いて興味を持ちました。

 今年の7月1日から、新たに特定小型原動機付自転車という区分が創設されました。これは運転免許がいらず16歳以上では誰でも乗れるものです。電動キックボードを目にした方もいると思います。他にも座って移動する自転車タイプのものもすでに発売されています。

 まだ新しいカテゴリーのものなので成熟しているとは言えず、まだまだこれからのものと言えます。だからこそジャパンモビリティショーに興味を持ちました。トヨタのブースでも、折りたたみタイプの小型電動モビリティ「LAND HOPPER(ランドホッパー)」が発表されています。三輪タイプの特定小型原動機付自転車でコンセプトだけでなく商品化もされるようです。

 移動というのは日常的に行われます。通勤、通学、旅行、買い物、レジャーなど様々な目的のための移動があります。コロナは移動を著しく制約しました。移動の自由は憲法で保証された大事なものです。移動とは目的地から目的地に移るだけのものではありません。明確な移動自身が持つ価値というものがあります。

 移動を考えるときにはどうしても目的地間の問題であり、時間の短縮や、コストの節約に目が行きがちです。しかし旅行の時などを考えれば、外を眺めて、ボーとしながら景色が移ろっていくのを見ると感情が湧いてきます。移動とはそれ自身価値のあるものです。

 移動には環境間を移動するという側面もあります。寒ければ日の当たるところに移動するという行為が考えられます。動物とは自身を変化させることによって環境に対応するだけでなく、移動することによって環境を変え、より力の発揮できるようにします。移動とは生きる上で大事な要素です。

 移動を広く捉えれば会社間の移動のことを転職と呼びます。これもまた力を発揮するために環境を変えることです。そう考えれば資格を取るとは検問所を突破するための許可証を持つようなものです。これは職業の選択の自由を考えれば、この自由も、移動の自由と捉えることもできます。国境を超えるときなどは移動することが難しくなることもありえます。

 他にも小説を読むとき、登場人物の主観に入り込み異なる視点を移動します。同じ物語の中に生きていながらそれぞれを移動していきます。その違いによって初めて人間には、私とは違う人間がいるのだということを認識します。それは旅と同じ構造をもているのです。

 職場と自宅を移動するのが通勤、長く家をあけ目的地を目指すのが旅、さらに長くなって帰ってこなくなるのが移住、どれも移動に関することです。

 ジャパンモビリティショーでは多分関係者はそういうことも考えていると思います。移動を中心に据えた思考も大事な視点です。

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