母の生きがい

「お母さんの生きがいは何」と訊ねると93歳の母はすぐさま「イラストを描くことよ」と答えます。
私は、母がイラストに出会って本当に良かったと思っています。

もし二人でブログ作りを始めていなければ母は今のように生き生きと生活していなかったかも知れません。

最近の母はこんなことも言っています。
「朝、元気がなかってもイラストを描いたら何か元気が出るんよ、不思議じゃろ」と。
私も不思議で仕方がありません。母にとってイラストは、もはや生きる活力源になっているのです。

母は、イラストを描き始めると腰の痛みも足のしびれも忘れてしまうようで、ニコニコしながら楽しそうに描いているので、つられてこちらまで笑顔になります。

私が「お母さん、インスラグラムの動画用に一筆描きで可愛いイラストを描いて欲しいんじゃけど」と頼むと、母は懸命に一筆書きの練習を始めます。何度も何度も、納得するまで描くのです。適当に諦めると言うことがありません。

私は母のイラストへの執念のようなものを感じています。

どんなことよりも大切で夢中になれることが母に見つかったことが奇跡だと思います。

母を見ていて、高齢者が生きがいを持つことがその人の人生をどれほど輝かせるかを知りました。

イラストに出会うまで母は俳句が趣味で40数年間続けてきましたが、それとは別に新しく出会ったイラストに思いっきりのめり込んだのです。
素晴らしい出会いだったと思います。

その人にとっての生きがいは何時見つかるか分かりません。そして出会ってしまったら人生が大きく変わるのです。

母はこのままイラストを人生のパートナーとして生活していくでしょう。
90歳になってからの母とイラストとの出会いは神様の贈り物のような気がしています。

 
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