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女らしさより人間らしさ
私は小さい頃からおてんば娘だった。教員をしていた父が山の学校で教えていたので、幼稚園の頃は近所のお兄さんやお姉さんたちとターザンごっこをしたり、川で魚釣りをして遊んでいた。
擦り傷や切り傷はしょっちゅうで、赤チンを塗ったり絆創膏を貼ったりしていたと思う。
小学校に上がっても、近所の空き地に幾つも置いてある大きな円形のコンクリートの上を友達同士で飛び移ったり、鉄工所の薄い金属の切れ端を使って忍者ごっこをしていた。
女の子らしい遊びなどはした記憶がほとんどない。
両親から「女の子らしくしなさい」と言われた記憶がほぼないのだ。
それが何時からか、異性を意識するようになって何となくぶるようになった。女の子ぶるのだ。中高校生になると、身づくろいを気にするようになって、可愛くいたいと思うようになった。
何がきっかけだったかは定かでないが、人に好かれたいと言う思いが強くなってから、らしさに磨きがかかってきたように思う。
それは大学生、社会人になって益々強くなり、素敵になりたい女性らしくなりたいと色々工夫したり、研究したりしていたと思う。
当時の自分を思い起こしてみると、健気だなと思う。
それから数十年、今70代を目前にして、私は女らしさよりも人間らしさを求めるようになった。異性を意識するのではなく、人間を意識するようになったからかもしれない。
人として愛され、尊敬され、目標とされる人になりたい。
だから女らしさよりも人間らしさを求めたいと思う。
今日は三月三日女の子のお節句だ。そんな日にふと女らしさについて考えていたら、求めていたのは人間らしさだった。
最後までお読みいただいてありがとうございました。
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