10月の推奨香木は徳用版シリーズNo.3「最上シャム沈香小爪」に決定♪

最上シャム小爪①

仮銘付きの黄熟香にしようかと迷っていましたが、最上質の真南蛮が不足していることと推察し、10月は最上シャム沈香小爪に決めました。

「爪」に関しては既に触れましたが、小爪は爪の小型版を指します。
具体的なサイズの目安は爪と同様に全く定められておらず、飽く迄も販売する側の勝手な分類ということになります。
今回の分木対象となる小爪は、香木としての出来方や形状が様々で、重量は
ひと欠片につき2g弱から8g程度です。
共通しているのは「数十年前は京都に保管されており、いずれも沈水クラスの最上質沈香で、産地はタイ」ということです。

タイ産ということは、木所に分類すると真那賀に該当することも考えられますが、何片か試し聞きした限りにおいては、全て最上質の真南蛮でした。
中には伽羅立ちするものもあり、「真南蛮も、いいなぁ~」と堪能させてくれる品質を具えています。
「本物の真南蛮らしさ」をたっぷりと味わって戴くには、絶好の機会だと自負します。

では、何がどのように「徳用版」なのかと申しますと、理由は次の通りです。
1.一木が小さく、僅かな重量しか存在しない(リピートは不可能)
2.樹脂化を遂げてから土中に埋もれるなどの経年変化により、朽ち果てた箇所も含まれている(朽ちてはいても木所の特徴は味わえますが)
3.聞香を愉しむには、自ら掃除して截香(聞き易いサイズに挽いたり割ったりする)する必要がある

以下に、なるべく具体的に説明してみます。
先ず、一例として欠片を一つ取り出してみます。

最上シャム小爪②

左の欠片がちょうど4gなので、香鋸で半分を目標にして挽いてみます。
全体のサイズは、こんな☟感じです(横に10円玉を置いてみました)。

最上シャム小爪③

全くの目分量ですが、半分の重さになりそうな線を頭の中で引いて…

最上シャム小爪④

なんとビンゴでした。一見して右のほうが大きく見えますが、実は左の方が厚みがあり、重さが偏っているのです。
左の欠片がジャスト2g、右の欠片に挽き粉を加えて2g!でした。

さて、上記2を説明するために裏返してみます。

最上シャム小爪⑥

お解りでしょうか?
裏面は永年に亘り水分の浸食を受けて朽ちていて、刃物で簡単に削ることが出来ます。
右上の一部をデザインナイフ(コクヨ製)で削ってみました。
(これらの削り屑はけっこうな量に見えますが、計量すると約0.01gでした)
更に、削った箇所をアップで撮影☟してみました(写真の右上部分です)。

最上シャム小爪⑦

今回の分木予定は2g単位を想定していますから、この欠片の場合、丸ごとお届けすることになります。
どのように截香すれば良いか試行錯誤を皆さまに託させていただくこと、また朽ちた部分も掃除せずにそのまま分木に含めさせていただくことが、徳用版である理由とお考え下さい。
(欠片が2gに満たない場合、他の欠片の一部と併せて約2gとします)
挽いたり割ったり削ったりすることによって、香木という不可思議な存在に親しむことが出来ますし、愛情も湧いてくるかと思います。

中には「截香を自ら楽しみたいと思っていた♪」という方々も多いかと想像していますし、具体的な方法につきましてはいずれ改めて投稿しようと考えてはいますが、もし「最初から掃除しといて!」とご希望の方は、遠慮なくメッセージを書き添えてお申し込み下さいませ。

では、正真正銘の真南蛮の香気をどうぞご堪能下さいます様、お奨め申し上げます。


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