9月の推奨香木は、ほのぼのと穏やかに薫る真那賀♫

真那賀の聞香会に向けて鋭意準備を進めているところですが、既に推奨済みの香木とは特長の異なるタイプの真那賀がありましたので、メニューに加えるとともに、新たに推奨香木として紹介することにしました。

のどけき峰①

渡来(輸入)した年代は特定できませんが、古木の風合いを感じさせます。
(自然光で撮影してみたのですが、明かりの反射のせいか実物より黒みがかって見えます)
一段挽いてデスクの上で撮影してみましたが、こちらの写真の方が実物の色味に近いかも知れません。

のどけき峰③

インドネシア産沈香でもこのような茶褐色を呈する例を散見しますが、この香木は明らかにタイ産沈香の典型的な一例と申し上げることができます。
聞香会で披露しますので、参加される方々は実物を詳しくご覧いただければと思います。

この香木の特長は、とても柔らかく穏やかに真那賀特有の「匂いの筋」を持続的に味あわせてくれるところにあると感じています。
その穏やかさは『仮銘 雲ゐの花』、『仮銘 夢の浮橋』、『仮銘 山ざくら』などの、「伽羅立ち」に近い感覚で真那賀らしい「曲(くせ)」を感じさせる立ち方とは明らかに異なっているという点において、個性的と言えるかと思います。
「伽羅系」或いは「伽羅落ち」などと呼ばれる「伽羅で代用する真那賀」では味わえない匂いの筋をほのぼのと堪能して戴きたいと願い、推奨します。

仮銘は、以下の証歌に基づき『仮銘 のどけき峰』とさせて戴きました。

朝日いでてのどけき峰の山ざくら花も久かたの光なりけり
                    (宗良親王)(宗良親王千首)



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