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ジャーナルクラブにClaude 3を使用してみたら・・・その言語処理能力がヤバい!!第4回 図表解説のプロンプト


主な対象者

本記事では、ジャーナルクラブの準備でどうしたらいいだろう?と迷われたり、時間がない!と思われている医師(研修医や専攻医を含む)をサポートするプロンプトを紹介しています。
ノーコードで出来る内容を扱っています。
#ジャーナルクラブ #抄読会 #Claude #プロンプト #研修医 #EBM

本記事の画像はAdobe Fireflyを用いて生成しました。

はじめに

2024年3月にClaude 3が公開されてから、その高い言語処理能力をジャーナルクラブで活用できないかとプロンプトの試行錯誤を行ってきました。数多くのビューをいただき、また記事をご購入いただいた読者の方もおられ、ここに感謝申し上げます。

この連載で紹介しているプロンプトのベータ版を自分の所属する病院で同僚の医師たちに公開した時に、図表の説明ができないか、というリクエストがありました。これまでのプロンプトではテキストでの全体的な解説や、自施設での適用にフォーカスしており、個々の図表で何が示されているかを詳細に検討することはしていませんでしたので、重要な改善点でした。

図表の内容を素早く要約するためのプロンプトを以下に示します。
過去の記事では、プロンプト①〜③を用意していましたが、今回紹介するプロンプトは②と③の間でこのプロンプトを用いると良いです(①と②の間でも問題なく作動します)。

プロンプト②の1   表についての解説

上記のプロンプト②の次に、以下のプロンプトを入力してください。

(ここから)
#続けて、以下の指示も実行してください。

  1. 本文中の表について1つずつ、以下の点を教えてください。

  • タイトルを日本語に翻訳してください。

  • この表が示している事柄は何ですか?

  • この表の内容について、本文との関連で重要な点を3個まで教えてください。

  • この表の内容について、抄録から分からず、表自体に注意しないと発見できないことがあれば教えてください。

  1. 本文中でAppendixやSupplementの表が紹介されていれば、本文から読み取れる範囲でその内容について1つの表につき1行で説明してください。

(ここまで)

タイトルの日本語訳は出発点として用意しました。
続いて、その表が示している事柄、本文との関連性について解説してもらいます。重要な点が多すぎてもまとまりを欠きますので、3つまでと限定しています。

次の「抄録から分からず、表自体に注意しないと発見できないこと」ですが、ジャーナルクラブの準備を慌てて行っていると、抄録のみ確認して論文を選んだりした場合など、対象者の特性が想定と違う、あるいは自施設と違うということが起こり得ます。最近自分の病院で若手が選んだ論文で、内科系ICUの患者について検討したと思っていたら対象者の大半が外科術後のICU管理を受けていた、なんてこともありました。臨床研究の論文だと表1で記載があることが多い内容ですが、抄録には書いていないことも珍しくありません。

最近では主要な表は本文のPDFに記載されているものの、残りの補足的な表がAppendixやSupplementに掲載されていることも珍しくありません。軽く特徴を記載してもらい、実際に確認してプレゼンで用いた方が良いかの判断材料とする手がかりにすると良いと思います。

続いて、図の解説のプロンプトです(図についてと表については順不同です)。

プロンプト②の2   図についての解説

(ここから)
#続けて、以下の指示も実行してください。

  1. 本文中の図について1つずつ、以下の点を教えてください。

  • タイトルを日本語に翻訳してください。

  • この図が示している事柄は何ですか?

  • この図の内容について、本文との関連で重要な点を3個まで教えてください。

  • 図がグラフである場合、グラフの作成に用いられている統計学的手法と、その手法に関連した限界について教えてください。

  1. 本文中でAppendixやSupplementの図が紹介されていれば、本文から読み取れる範囲でその内容について1つの図につき1行で説明してください。

(ここまで)

正直、表についてとほぼ同様の内容です。
4つ目の箇条書きで「図がグラフである場合、グラフの作成に用いられている統計学的手法と、その手法に関連した限界について教えてください」としたのは、介入研究における生存曲線を意識しました。カプラン・マイヤー法で追跡者がどのくらい残っているか、そもそもサンプルサイズが十分かなど、ラフな形ででも回答が得られれば、そこからさらに考察していくきっかっけになると思います。

終わりに

第1回や第3回のプロンプトに今回の内容を組み合わせることで、ものの数分でジャーナルクラブの発表の骨格が出来上がります。あとは細かい部分の原文との整合性の確認をやれば十分でしょう。Claude 3の言語処理能力は大変優れており添付のPDFファイルの要約という条件なら概ね信頼できるのですが、最後の確認は人間が行う必要があります。その点は忘れないようにしてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今後とも有益な情報を発信していきますので、応援よろしくお願い致します。
本連載はまだまだ継続する予定です。

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