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【2023.10.17.】2024年度からの訪問看護ステーションのリハビリについて今知っておくべきこと!

訪問看護からのリハビリテーションとか病院や老健・診療所からの訪問リハにかかわっている理学療法士や作業療法士や言語聴覚士さんに読んでもらいたいなと思って書いています。

◆プロフィール

でも、

  • とりあえずお金を稼げればそれでいい

  • リハの中身なんてどうでもいい

  • いまさら制度のことや自分のこれからのことよりもとりあえず時給の高い所でがっぽり稼ぎたい

というようなセラピストさんはこのコラムを読む必要はありません。時間の無駄です。

でも

  • 今の自分のやっている訪問のリハってこれでいいのかな?

  • あまり必要性のないケースにまで週2回とか週3回の訪問に行くように管理者さんに言われているけどうちの事業所大丈夫なの?

  • 生活期リハや地域リハで目指すべきものって何なんだろう?

みたいなことを考えながら生活期で働いているセラピストの方には少し参考になることを書いているつもりなのでお時間あれば最後までお読みください。

訪問看護ステーションの管理者さんや看護師さん、役職の方にも参考になるかもしれません。

制度と向き合った訪問看護ステーションのリハの実践

訪問看護ステーションからの理学療法士等の訪問は、診療報酬改定や介護報酬改定のたびにやり玉に挙げられることの多い領域です。

ですが、これまでいろいろ厚労省の資料や発表を見てきた限りで言うと、訪問看護ステーションからのリハビリテーションが制度として廃止されてしまうことはないと考えています。

しかしながら、現行のような「リハが多数在籍していて看護師が少数の訪問看護ステーション」「24時間対応していない訪問看護ステーション」「軽度の利用者さんにしか対応しない訪問看護ステーション」というようなスタイルの運営を行っている事業所にとっては、経営的に厳しい改定が行われると予想しています。

これまでのオンライン講義でも伝えてきましたが、訪問看護ステーションが向き合っているこれからの領域に対して、そこに勤務する理学療法士や作業療法士や言語聴覚士も向き合うことが求められるのです。

  • 小児領域

  • 難病領域

  • 看取りや緩和ケア

  • 精神領域

これらの領域については改定のたびに訪問看護ステーションが高く評価されている領域です。

それに加えて、地域では本来少数派であるリハビリテーションスタッフがより地域で必要とされるために求められている多職種連携や多事業所連携ということに対してかかわっていくことが、これからの訪問看護ステーション出来勤務するセラピストに求められていることなのです。

指示書に記載される項目が改変されたり、リハを行っている場合の報告書に別添が必要となったりしてきている背景は、セラピストが果たすべき同僚である看護師との連携が十分でなかったり、医師との連携が十分でなかったりといった事情があると私は捉えています。

かつて私が勤務していた対照的な事業所のこと。「リハ多数の訪問看護ステーション」と「リハスタッフは非常勤で週1回だけで私一人だった訪問看護ステーション」に同じ時期に在籍していたことがありました。

2つの事業所を比較して分かった事実

看護師さん中心の事業所の利用者さんの入れ替わりは激しく、リハ中心のステーションの利用者さんの入れ替わりは少ないということでした。

看取りなどに積極的な24時間対応の事業所では、当時の平均利用期間はざっくり3か月~半年程度でした。

一方リハメインのステーションでは、1年超の利用期間が平均でした。

状態の安定した対象者さんを中心に見ているリハビリテーションでは、生死にかかわるような状態不安定の利用者さんは少なく、長期の継続利用が多くなります。

結果として、事業所の収益は安定しますし、ケママネや家族に働きかけることで週1回の利用を週2回に増やしたり3回に増やしたりすることも容易だったりします。

看護師中心の訪問看護ステーションに勤務しているときに管理者さんから言われたことは、「看護とリハ両方セットで来てほしい」「リハビリの希望者さんは多い」と話すケアマネが多いという話です。

しかし当時勤務していた看護師中心でリハは週1勤務の私しかいなかった訪問看護ステーションの管理者さんは「リハと看護が両方必要なケースなら対応するけど、リハだけが必要なケースはよその事業所を紹介する。あくまでも看護師中心の運営をする」と話されていました。私はその意見に大賛成です。

訪問看護ステーションという事業所に勤務しているにもかかわらず、看護師とリハスタッフの連携が不十分だという指摘は厚労省でもときおり言われていることでした。だから別添が作られたのです。

また、大阪府訪問看護ステーション協会の研修の運営に携わっていると看護師さんとセラピストの連携がうまくいっていないという現実にも直面します。

なぜか?

前述したように、リハの対象者さんの多くは「状態が安定している」利用者さんが多く、いつ訪問しても状態的には変わりがないので、連携が不十分でも訪問できるし、看護師さとの情報共有がなくてもセラピストは不安にならないようなのです。

でもね、看護師さんが中心の事業所で働くようになると、そんなわけにはいかないのです。かつて勤務していた事業所の平均利用期間が3か月~半年程度ということはその間に身体的状況が大きく変化するということを意味しています。

超重症児と言われるような小児領域の訪問にかかわっているときも状態の変化は非常に大きいということを経験しています。

そんなケースの訪問にかかわっていると、看護師さんとの連携を密にしておかないと作業療法士の私はものすごく不安になります。

私が訪問する前日に看護師さんが訪問していたらその時の状態はどうだったのだろうとカルテを見たり、担当看護師に話を聞いてから訪問することで、少し安心して訪問することができます。仮にその時の状態が不安定であったとしても、情報収集が済んでいるので、どのように対応すべきか、どのようなアセスメントが必要かということはわかっているのです。

だからこそ看護師とセラピストとの連携は必須なんだと感じています。

とくに、小児領域や見取り神経難病などは状態の変化も大きくなることからも、看護師さんとセラピストとの連携は必須。この領域に向き合っていくステーションこそがこれからのセラピストの生き残る方法だと考えています。

看護師さんとセラピストが適切に連携をすることがこれからの訪問看護ステーションの運営には必須なのだと考えています。

そんなことを考えながら、10月29日のオンライン講義ではいろいろお話しさせていただきます。

【10月29日開催】オンライン講義「リハ職が在籍する訪問看護ステーションにおける、業務の進め方と連携の基本的な考え方」vol.2

資料のダウンロードはどなたでも事前に可能ですので、よろしければ資料をご覧いただきお申し込みしてみてください。参加費は無料です。上記のリンク先からお申込みいただけます。

また、こちらの講義動画も無料で視聴できますので、併せてごらんいただくと2024年度に向けたリハビリテーションの在り方がご理解いただけると思います。

【講義動画2023‐8】オンライン講義「2024年同時改定に向けた新しいリハビリテーションの形とは!」

上記の講義動画の資料もダウンロード可能です。

2024年同時改定以降の訪問看護ステーションからのリハビリテーションや、生活期領域のリハビリテーションに不安を抱えておられるセラピストの方や事業所の管理者さんにはお勧めです。

オンライン講義とセットでぜひ動画もご覧ください。

2022年オンライン講義一覧

2023年オンライン講義一覧

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やまだリハビリテーション研究所
作業療法士
山田 剛

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