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NOT A HOTEL NFTとIEOの件@2023/11/7

NOT A HOTEL NFTっていう、NFTコレクションがあるんですが、そこの発行元が、IEOをやるらしいです。これについて、ちょっと、気を付けたほうがいいんじゃないか、という話です。IEOのことも少し書いてますが、その前提になるNFTについての話が多めです。2023/11/7時点での情報です。あ、サムネ画像は、ChatGPT4でテキトーに生成したやつです。


NOT A HOTEL NFTとは?

毎年決めた日にどこかのホテルが利用できるという会員権をNFTにして、OpenSeaで売ってるっていうやつです。イーサリアム上のERC-721という規格のNFTとして実装されてます。

NOT A HOTEL NFTでは、コントラクトの実装が公開されてない

私的に最大の注意点は、これですね。いちばん発行数が多そうな「MEMBERSHIP S」っていうやつのコントラクトがこれです。
https://etherscan.io/address/0x461a5e25b41395e15ac80a523e7edf763c908982
そこの「Contract」っていうタブに緑のチェックマーク付いてるので、

ソースコード公開されてるじゃん!って思われるかもしれませんけど、それはProxyコントラクトです。要するに、外枠だけってことです。中身である実装コントラクトはこちらです。

https://etherscan.io/address/0x2374753484f8cd72246f086b58244bf4c2aaca9e

これを見れば分かる通り、ソースコードが添付されてません。
一応、画像も貼っておきます。

よって、どこにどんなバグが潜んでるか分かりません。もしかしたら、この後、添付される可能性はありますが、これまで公開されてなかったものを今になってから添付するということであれば、もし、バグがあっても、それが見付かるまでには時間がかかると思います。

有名どころのNFTであれば、ソースコードはたいてい添付してます。それをやってないってことなので、私は信用してないです。

大体が、Proxyコントラクトを使ってるってことは、実装を後から変えられるっていうことなので、後になってから、バグのある実装や、悪意のある実装に変えられる可能性も、仕組み上はありえるっていうことです。そういう意味でも、有名どころのNFTとは異なる危惧を感じます。

NOT A HOTEL NFTは、発行数の上限は決まってないの?

私の勘違いかもしれないですけど、365日のうち、ランダムに決まった日の会員権が作成されて、配布されてるわけですが、最初のうちは、「ランダムに決まった日」って、重複なしで、ってことかと思ってたら、最近見たら、同じ日のやつがありますよね。それで発行数も365を超えてます。

ん?ということは、これって、発行数の上限なくどんどん増えていくっていうことですか?私はてっきり365が上限かと思ってました。他にもそのように勘違いしてる人、多いんじゃないですかね。

多くの人が、365個しかないと思ったから、今の価格になってるかもしれないわけで、実はどんどん増えますよってことになったら、思ってたのと違う!ってなる人居るんじゃないですかね。もし、どんどん増えていくんだとしたら、1個あたりの価値はどんどん希薄化されていってしまい、値崩れを起こす可能性もあるんじゃないですか?

私だったら、コントラクトの実装上、決まった数までしか発行できないような作りにして、購入者に安心感を持たせたいと考える所ですが、実装も見えないし、実装を後から変えることもできる仕組みなので、私は信用してません。

そうでなくても、47年が有効期限とのことなので、年が経つにつれて使える年数は減るので、それによっても利用価値は減っていくという認識です。

NOT A HOTEL NFTは、画像の保存先がIPFSではない

これ、例として、426番のメタデータですが、storage.googleapis.comですよね。

{
    "name": "FEB.22, 2024-2070 #426",
    "description": "Please find the link below for more details of MEMBERSHIP. \nURL: https://note.com/notahotel_nft/n/n82527ee80772 \nArticle: About MEMBERSHIP NFT\n\nPlease find the link below for the information how to book trips. \nURL: https://note.com/notahotel_nft/n/n33c850f5d158 \nArticle: How to stay at NOT A HOTEL using THE KEY\n\nMEMBERSHIPの詳細は次のURL/記事をご参照ください。 \nURL: https://note.com/notahotel_nft/n/n82527ee80772 \n記事: メンバーシップNFTについて\n\nNFTでの滞在・予約については次のURL/記事をご参照ください。 \nURL: https://note.com/notahotel_nft/n/n33c850f5d158 \n記事: THE KEYでNOT A HOTELへ宿泊するには",
    "image": "https://storage.googleapis.com/prd-nah-nft-api-public/membership/metadata/01-0222-24-231126.png",
    "attributes": [
        {
            "trait_type": "Revealed Year (JST)",
            "value": "2023"
        },
        {
            "trait_type": "Next Airdrop Date (JST)",
            "value": "2023/11/26"
        },
        {
            "trait_type": "Date: Day (JST)",
            "value": "22"
        },
        {
            "trait_type": "Date: Month (JST)",
            "value": "2"
        }
    ]
}

普通は、有名どころのNFTは、IPFSでしょう。これって、何かの拍子に、NOT A HOTEL社が倒産して、Google Cloudの課金も切れたら、画像が見えなくなって、壊れたNFTみたいに見えちゃう可能性ありそうな。。

というわけで、たとえ、倒産しても、データとしての価値は残ると思ってる人は、注意が必要な点かなと思います。

まぁ、IPFSなら万全なのか?というと、必ずしも、そうでもないところが、NFTの怖い所なんですが、Google Cloudよりはマシな印象を持たれると思います。

NOT A HOTEL NFTは、倒産した場合は預託財産を分配するとか言うけど、どうやって、保有者の連絡先を把握するの?

最初に販売した相手だったら、連絡先とか分かってるかもしれないですが、転売されたら、イーサリアムのアドレスだけ分かっても、住所とか分からないですよね。たとえば、私がNOT A HOTEL NFTをOpenSeaで買って、交通事故で死んで、妹が財産の整理をしていても、私の所には郵送とかでは、連絡は来ないってことですよね。そうなると、妹も気付かないですね。

まぁ、これは、NOT A HOTELに限らず、仮想通貨関係のやつは、こういうの多いでしょうけど、「一応、お金返してくれるから大丈夫か」って言ったら、こういう盲点もありますよ、ということですね。

仮想通貨関係をいじってるとしても、普通にビットコインやイーサリアムを買って、複数の取引所に小分けにして置いてあるだけなら、本人確認(KYC)はしてあるはずなので、家族の人でも、遺品整理してる時に郵送物に気付いて、取引所を把握できる可能性があるし、死亡届があれば、ビットコインやイーサリアムを日本円に戻して引き出すこともできそうですが。。それで良くないですか?それよりもさらに儲けようとする必要が無いような。。割と、リスク高いですよ?

NOT A HOTEL NFTでは、MEMBERSHIP S以外のコレクションはどこ?

OpenSeaで検索して出てこなかったので、どこにあるのかな?とずっと思ってたんですが、アクティビティから、探したら、ここにありました。

https://opensea.io/ja/collection/membership-y

https://opensea.io/ja/collection/membership-x

発行数は、Y(2連泊)が57件で、X(3連泊)が37件のようですね。売買は現状、ほとんどされてないようですね。買うことはできても、良い価格での売り抜けは簡単ではないかもしれません。

あと、MEMBERSHIP Eって、なんなんですか?Exampleですか?私には分かりません。

https://opensea.io/ja/collection/membership-e

NOT A HOTEL NFTでは、宿泊券であるTHE KEYのコレクションはどこ?

OpenSeaで検索しても、出て来ないです。アクティビティから探しても、なかなか出てこないです。それで、Google検索したら、こんなのありましたけど、これですか?

https://opensea.io/ja/collection/the-key-nah

0.78 ETHとかで買ってる人居ますけど、1 ETHが、その当時、21.3万円ぐらいでしたから、約16.6万円で、1泊の利用権を買ったってことです。実際は4万円ぐらいでしょうから、12万円分は、NFTのデータに価値があると思って、買ってる感じですよね。でも、画像はGoogleなんで、倒産とかで、Google Cloudの課金が切れたら、画像はアレだし。。

いや、この、0.78 ETHで買った人は、一度、売ろうとしてますね。でも、売れなくて、仕方なく、実際に泊まったのかな?それは分からないですが、NULLアドレスに送付(=burnかな?)されてますね。

THE KEYは記念品として残しておくこともできないのか?

他のKEYも見てみましたが、どれも、最後はNULLアドレスに送付されてますね。これって、期限になったら、確実にburnされるんですかね。使わずに記念品として、持っておくこともできないんだとしたら、結構、微妙ですね。私の予想としては、たとえ使用済みであっても、使用済みの映画のチケットみたいに残しておけるのかと思ったのですが。。そうでなくて、使っても、使わなくても、確実に消えるって話なら、これも要注意ですね。確実に消えるって話なら、NFTとしての価値は基本的に無いです。普通に郵送で紙のチケットをもらったのと同じです。それに対して、12万円も多く払うとか、買った人は、たぶん、何か勘違いしてそうな気がします。期限が切れて、泊まれなくはなるにしても、NFTトークンの所有権は残ると思ったんじゃんないかな。ちなみに、私はそう思ってました。他にも勘違いしてる人居そうです。

Membershipも最後にはburnされるのか?

THE KEYがburnされるということであれば、Membershipのほうも気がかりです。もし、Membershipもburnされるとしたら、最後の1年間に持っている時、Membershipの価値は1回分のTHE KEYの価値とほぼ同じになっていると思います。だって、持っていても、1回分のTHE KEYがもらえるというメリットしかないので。。そこまで価値が減って行くということです。こういうNFTって、アート系のNFTだと聞いたことないですね。burnされるってことだと、全然違うタイプのNFTってことになりますが。。よく、確認したほうがいいと思います。

発行済みのNFTなら、OpenSeaに全部出てるはず

「本当はもっとたくさん売れていて、一部しか、OpenSeaに出てないだけ!」って言い張ってる人も、私の知り合いには居ましたけど、私がいじった感じだと、NFTコントラクトの作者が、OpenSeaにコントラクトをロードすると、それ以後に発行(=MINT)されたNFTであっても、自動的に、OpenSeaに表示されました。

この理屈だと、コントラクトがOpenSeaでコレクションとして見えている以上、発行されたものは、OpenSeaに出ているものが全てということになりそうですが。。私は、そういう認識です。私が何回やっても、そういう結果でした。

だから、販売数をめっちゃ少なく絞ってて、需給ギャップをMAX状態にしているから、かろうじて売れてるだけ、というのが、私の認識です。

Twitter(X)上のポジショントークに気を付けよう

「NOT A HOTEL、お世辞抜きにすっごくイイよ!」って言ってる人は、NOT A HOTELのNFTを買った人です。すっごくイイ!っていう声が広がれば、NFTの価格上昇が期待できるので、無意識のうちに宣伝したくなってしまうっていう側面があります。仮想通貨界隈でよくある話ですね。気を付けましょう。

それで、IEOの件

NACトークン(NOT A HOTEL COIN)を使って、ホテルに泊まれるだの、ステーキングできるだの、言ってますけど、買うとしたら、儲けたい人が買うんですよね?

2024年は景気後退が来るって聞いてるので、だいぶ、NFT市場も揺さぶれる可能性はあると思います。だから、今のうちに、IEOして、高値で売っておきたい、ってことかもしれませんけど・・・。

もちろん、NOT A HOTEL社が倒産する場合は、NACトークンもほとんど無価値になるとは思います。もしかしたら、一部、会社の清算で返してくれる可能性はありますが、最初から期待しないほうがいいですね。それは、他のIEOでも、同じだと思います。というわけで、基本的には、安く買って、高く売り抜けるのに使う感じで、最後にババを引かないように気を付けましょう。

それと、ステーキングできるっていうことは、逆を言うと、枚数が増えていく可能性がある、ということです。もし、枚数が増えるということなら、その増え方以上に、DAOの価値が向上しなければ、1枚あたりの価値はどんどん減って行ってしまうので、有望なDAOなのかどうかっていうのをよく考えておく必要があります。

あ、ステーキングで増えたNACをおそらく、THE KEYと交換できるんでしょうけど、交換した際、NOT A HOTEL社が回収したNACがどうなるのかも気になります。それは保管しておくんでしょうか?burnするんでしょうか?それとも、ステーキング報酬に回すのか?burnがホルダーには最も有利ですが、ステーキング報酬に回して、NACの新規発行をなるべく抑えられるというのなら、それでも、ちょっとマシです。このへんもよく確認しておいたほうがいいと思います。NACがどんどん増えていくようなら、要警戒です。

また、ステーキングする時に、専用のウォレットとかアプリを入れるかもしれませんが、最大手のMetaMaskがハッキングされるくらいなので、NOT A HOTELのウォレットとかアプリがハッキングされる可能性もありえるので、それで、パーになるリスクも頭の片隅には置いておいたほうがいいと思います。そういう事態になっても、死なない程度の額にしておいたほうがいいと思います。

まぁ、せいぜい、怪我しないようにがんばって下さい。

以上

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