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新卒就活は学生最後の弱者救済である

新卒就活は学生最後の弱者救済である。

いままで大して勉強せず、怠惰に過ごしてきた3年間。高卒が社会に出て3年積み上げてきた知識・経験・努力に、私たちは勝る何かを成し得たであろうか。

否、何も成し得ていない。

親の脛を齧って大学に通い、借りた奨学金で酒を煽る。こんな自堕落な生活を続けた学生でも貰えるのが「新卒カード」というプラチナチケットである。

しかも、なんと大卒であれば所属大学に関係なく企業に応募できるという狂気の制度設計である。

まさに、弱者救済そのものである。

これは、東京一工、早慶などの高学歴層にとっては耐え難きものであろう。中学・高校、早い人であれば小学校から毎日机に向かって努力して手に入れた学歴が就活でほぼ役に立たないとは、虚しいものがある。

裏ルートで慶應生を囲い込むことや、学歴でフィルタリングをかける一部の選抜コミュニティが存在するのも納得の事実であろう。だって、表立って与えられるアドバンテージが何もないのだから。

ポンコツ弱者にとって、さらに嬉しいことがある。なんと、就活は学業成果をほぼ問われないという特典付きなのである。酒、タバコ、ギャンブル、SEXと欲望の赴くままに過ごした3年でもお咎めなしのパラダイスである。

問われるのは、コミュケーション能力という社会生活で必要な要素だけ。

こんな弱者救済制度はこの先与えられることはない。社会に出れば前職の成果で評価されるし、履歴書の空白期間は心証を悪くする。0.1%を下る利率で金を貸してくる金融機関は存在しないし、無職を覆い隠す学生という肩書はもう剥ぎ取られている。

ここでこのプラチナチケットを使わずして、いつポンコツ大学生が高学歴に追いつけるチャンスがあろうか。ここでたった1年歯を食いしばればいいのである。しかも大学受験よりも努力しなくていい。

逆にここまでポンコツに向けて優遇措置がとられているにも関わらず、ここで踏ん張れないなら、もはや何ができるのであろうか。

受験という確定要素の高い戦いで張り合えなかった私たちポンコツは、就活という不確定要素の相対的に高いフィールドで戦えなければ、何もバリューを生み出せないだろう。

そんなわけで一矢報いるために、いま全力を尽くしてほしい。

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