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バスチケットを取るだけで3日間 企業の競争がないとこうなる キューバ③11/29世界さすらい雑記

キューバでバスチケットを取るのに3日かかった話

私たちはハバナから、バスで3時間のビーチの町バラデロにいた。

この国ではバスに乗ることだけでも予定通りには行かない。

行きのバス、ハバナからバラデロに向かう際のチケット購入は、ただの序章だった。
ハバナのバスターミナルでバラでろに向かう前日に18ユーロのチケットを購入しようとすると、まずはカードが決済エラー。
現金で払おうとするとお釣りがないからと明日払えと言われた。

当日、20ユーロを渡すと2ドルのお釣りが返ってきた。違う通貨でお釣りが返ってきたのはもちろん旅をして初めてだ。
少しのドルとユーロの差分を損した程度で、特に問題なくチケットをゲットした。

ここまででもかなりの変化球が飛んできている感じがするが、振り返れば行きのチケット購入はさほど問題ではなかった。

問題は帰りの便である。

行きの便、購入の際に「ネットでも購入できるぜ」
とバスのスタッフに言われたので、
スタッフの手際が怪しかった分、帰りの便はネットで購入することにした。

ビーチサイドの街、バラデロについた数日後、私たちは宿のWifiを使って、まずインターネットでバスを検索。
欲しい便を選択し、決済ページまで行けたのだが、クレジットカードの決済が降りなかった。

日本にいるならここの15分程度でチケットは購入完了していたはずである。

次の日、仕方がないので徒歩で30分かかる
高速バス乗り場で直接チケットを買いに行くことにした。

気温は30度で日差しが強く、バス停まで歩くだけでかなりくたびれた。
(タクシーもあるのだが時間もあったし、節約になるので歩いた)

やっとのことでバス会社の受付に着いた。スタッフに「バスのチケット」を買いたいと言った。
すると、チケットを売るための「ネット上のシステムが動いておらずチケットを売ることができない」と言われた。

なんということだ、、、30分歩いた分、が報われずかなりくたびれた。

しかし、爽やかなラテン系のイケメンお兄さんが
「君たちが欲しいチケットを教えてくれ。システムが直ったら予約しておくから」と救いの一手を差し伸べてくれた。

僕らが不安そうな顔を見て、ラテンイケメンニキは「ノープロブレム」ととびきりの笑顔まで見せてくれた。

夕方くらいにはシステムは直るという見込みらしく、「17時頃にまた買いに来てくれ」と言ってくれた。

仕方なく、近くのビーチで17時まで6時間、時間を潰すことにした。
6時間も時間を潰さなくてはいけないことは日本にいてそうそうない。
ちなみにネットはLTEなので、Twitterですら更新に時間がかかるので触っているだけでイライラするレベルなので触る気が起きない。

なのでそこにあるもので楽しむことしかできなかった。

ただ、青と透明と水色の泳いでいると魚が寄ってきたり、釣りをしているおっさんと意思疎通ができたりそれなりに楽しい時間を過ごした。
早めのご飯をたべて、17時半ごろに朝も訪れたバス亭に向かった。

バス停に着くと、お兄さんとスタッフのおばちゃんが平然と「またシステムは動いてないよ」と伝えてきた。

まだチケットは買えないということだった。
3回目のトライでもチケットを買うことができず唖然とした。。

お兄さんを含めたスタッフの人があまりにも当たり前のように、チケットは買えないと言う。

サボっているだけなんじゃないかと僕は思って「電話で買えないの?」と聞くと買えないと答えられた。

明日は買えるのかと聞くと重鎮みたいなおばあちゃんが
「実は当日チケットが4席毎日確保されているんだ。だから9時にこればチケットが買える」と教えてくれた。

「先言ってくれよ〜」と思ったが明日にはバスに乗れるとのことなので、美味しい情報をもらって嬉しかった。

朝に「ノープロブレム」と言ってくれた
ラテンイケメンニキも「9時にこれば100%買えるよ( you can but the ticket at 9 am !  100% sure,)。大丈夫さ!と教えてくれた。」
100%sureは夕方のノープロブレムより遥かに強い言葉なので流石に安心することができた。

夜は涼しくなったかつ、タクシーで宿まで行くと10ドルかかると言うので30分の道を歩いて帰った。

次の日の朝、当日チケットがあることを願って重い荷物を抱え、7ドルほど払いタクシーに乗り込み、8時40分ごろにバスの受付に到着した。
すると、昨日のスタッフはおらず別のスタッフがいた。
ちょっと強そうなマッチョなお兄さんだった。
ここで少し不安で汗をかいた。

思い切って、本日中のチケットを尋ねてみるとマッチョがいうには「今日のチケットは全て売り切れてない。」とのこと。

昨日別のスタッフから聞いた経緯を説明すると
マッチョ兄貴は「they are crazy!当日チケットなんて聞いたことがない。」とあり得ない言葉が返ってきた。

日本にいると雇われているスタッフの言っていることが違うなんてほとんどあり得ない。

ぷんぷんしているとシステムが復旧してたので、次の日のバスのチケットを取ることに。
マッチョ兄貴は手際よく予約してくれた。

現金で支払えると聞いていたので現金を渡すと
マッチョ兄貴に「現金で!というと現金なんて使えねえよ。カードだけだ」と言われた。

キューバでカードを使えた試しがないので
またも絶望感に襲われた。これで払えなければどうすると

マスターカードをマッチョアニキに渡し、ただただ僕らは祈った。

かなり時間がかかってダメかと思った瞬間
「買えたぞ」と笑顔のスタッフが言ってくれた。

僕は嬉しくて「グラシアス!」と言いながらマッチョ兄貴にハイタッチをした。

バスのチケットが取れただけでバス会社の人とハイタッチしたのは人生で初めてだ。

チケット購入をトライしてから3日が経っていた。

僕らは暇な1日を同じビーチで過ごして、次の日問題なくバスに乗った。

国営企業が基本的に重要な産業を支配しているこの国では企業間の競争がないため、ここに買いたようなレベルのサービスが平気で起こる。

この国にいると僕らが日本でいかに当たり前に最高のサービスを享受しているのかを感じさせられる。

日本での生活を豊かにしてくれている先日の努力に感謝するとともに

こういうストーリーが生まれるキューバのシステムもたまにはいいなと思って自分がいた。
むかついたけど、ラテンイケメンニキ、マッチョ兄貴グラシアス!

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