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聞こえないけど、伝わるカフェ〜国立にある手話のスターバックスを体験してきた〜

手話が共通言語であるスターバックスを体験してきた

 先日、国立nonowaにある手話が共通言語のスターバックスに行ってきた体験を共有しようと思う。

このスターバックスでは店員さんが、手話話者で、手話を使って店員同士、お客さんとコミュニケーションを取る。

手話のスターバックスは世界では5店舗目、日本では初の店舗らしい。

記事:手話が共通言語となる国内初のスターバックス サイニングストアが東京・国立市にオープン『スターバックス コーヒー nonowa国立店』 2020年6月27日(土)開業

お店のコンセプト

「店舗のコンセプトは“Infinite Possibilities(無限の可能性)”。私たちパートナーの夢を店舗という形にしました。聴覚に障がいのあるパートナーやお客様にとって、ありのままの自分で居られる場所であり、障がいのある若者にとって夢や未来を描ける場所、そしてこの店舗を訪れた誰もが新たな気づきを得られる場所になればと考えています。」(ホームページより引用)

 お店のコンセプトは“Infinite Possibilities(無限の可能性)”。私は普段あまり触れることのない手話を通して、コミュニケーションを違った角度から見つめられた機会になった。ホームページにも書かれている「普段とは違う気づき」が溢れた場所だった。

ここから体験記

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 店舗に入ると、いつも通り、ドリップコーヒーのトールサイズを買うために私は列に並んだ。すると、いつもと違うボードが目に入った。ゲージの上にあるコミュニケーションボードである。

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ゲージの上にあるコミュニケーションボード

注文の際に使える手話とその意味が書かれていて、私も試そうかなと思った。

私の順番がきた。店員のお兄さんは、「いらっしゃいませ」と言うのではなく、会釈をしてくれた。いつもなら、私はメニューもみずに、「ドリップコーヒー、HOT、トールのマグで」と注文をしてすぐにスマホで会計をすます。

だけどここではいつもと違う頼み方をした。お兄さんは、何も言わず、メニューを広げて見せてくれた。私も声を使わず注文することが必要であることに気がついた。

私は、メニューを指差して注文する必要があることを読み取り、ドリップコーヒーのメニューとトールサイズを指をさして注文した。

メニューの横に、HOTかICEか示すための紙ももあったのだが、せっかくだからと思い手話に挑戦することにした。コミュニケーションボードにあった「HOTで」という意味の手話と「店内で」と言う意味の手話をやってみた。

するとお兄さんは笑顔と指で作ったわっかを示してくれた。
私は伝わったんだと思い、すごくホッとした。嬉しかった。

そして、お兄さんはマグカップに入れた「ドリップコーヒー、HOT、トールのマグ」を出してくれた。私はスマホ画面にからスターバックスカードを出し、お兄さんに見せた。お兄さんはスターバックスカードでの支払いだと読み取ってくれて、スマホのバーコードを読み取ってくれた。

レシートが出て、お兄さんから渡された後、お兄さんが笑顔で、ありがとうの手話をしてくれた。

ありがとうの手話は大学で数回使った限り使うことはなく、頭のなかから離れていたけど、お兄さんの手話を見てこれはありがとうという意味だと文脈で読み取った。

私はコーヒーを片手に持っているため同じ手話はできなかったが、代わりに右手にあるコーヒーを高くあげて笑顔でお兄さんに会釈した。

お兄さんも笑顔をまた返してくれた。
普段、スターバックスでコーヒーを頼むよりも、伝わるかどうか少しの緊張があった。お兄さんの表情や手話にいつもより気を配った。

お陰で、「ドリップコーヒーのトールHOT、店内で」が伝わったとわかった時、お兄さんのありがとうの手話を受け取ったとき、あったかい気持ちになった。

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コンセプトは集める人を変える

コミュニケーションに加えて、いつものスターバックスとの違うなと気づいた点はお客さんに手話話者が多いことだ。

この日も、手話で会話する5人組の家族が隣のテーブルに座っていた。

6月のオープン当日も、店の前を通ると多くの人が国立駅の外でコーヒー片手に手話を使っていて、こんなに手話を話す人がいるんだと、驚いたことを覚えている。

打ち出しているコンセプトと共通言語を手話にすることで同じスタバでもお客さんがこうも変わるのかと驚いた。

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調べたくなった手話を使う人の数

このお店で手話で話す人を見ているとどれくらい手話を使う人はいるのだろうということを調べたくなった。このスターバックスに行った後日本と世界の手話を使う人の人口を調べてみた。




みなさん、日本と世界にどれくらいの手話話者がいると思いますか?




日本の手話話者、一説によると8万人 
 出典:日本人の0.06パーセントのために。そして世界中の手話話者
世界の手話話者、一説によると7000万人
 出典: World Federation of the Deaf. http://wfdeaf.org/,

予想したよりも多くないですか?
8万人は少し大きめのと市の人口(東京都 だと東大和市 83,465など)と同じくらいの人数。
7000万人は人口6400万人と言われているタイ王国を超える数である。

こんなにもいるのであれば、自分が住んでいる地域にも実は多くの人が手話を使っていたり、ろう者であったりするのだろうということも簡単に想像できますよね。マスマーケティングの対象にもなり得る数だと思います。


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まとめ

国立nonowaにある手話が共通言語であるスターバックスは手話について、コミュニケーションについて考えるきっかけとなる場だった。

何より、私にとってはこのスタバで再認識したことはコミュニケーションで気持ちが通じ合うってあったかいなという日常的なことだったと思う。

お願いやありがとう、目の前にいる人に伝わっているか改めて意識してみたくなった。

読んでいただきありがとうございました。興味を持ってもらえたらぜひ、
一度足を運んでいただければ嬉しいです。

MAP:https://goo.gl/maps/vxQrDcXCbo7DWtpZ6

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