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【薬剤師国家試験】もし合格できなかったら、、、

こんにちは。やまぶきです。
今回もnoteをご覧いただきありがとうございます。

先日、第109回薬剤師国家試験が終わりましたね。
受験された皆さん、本当にお疲れさまでした。

さて、国家試験を受験したけど残念ながら不合格になりそうな方もいると思います。

近年の国家試験の合格率を見ると、毎年一定数の学生が国家試験に不合格になっているのが現状です。もし、国家試験に不合格だったけど、どうなるんだろう…。過去を振り返り自分を責める方や、自分の将来について不安を募らせる方も多く、すぐに気持ちを切り替えるのは簡単なことではないでしょう。両親や先輩、周りの友人に相談したうえで後悔しない選択をしましょう。
国家試験に合格したい気持ちは誰でも同じですが、合格することだけが必ずしも成功ではありません。目標に向かい進んでいく過程で学ぶことも多いはずです。
今回は、試験に合格できなかった先輩たちがどのような選択をしているのかを詳しくご紹介します。


1.もし不合格だったら?

近年の国試の合格率をみてみると、第108回は合格率69.00%、第107回は68.02%、第106回は68.66%。約3割の方が薬剤師の資格を得ることができないのが現状です。 6年の長い大学生活。やっと卒業が決まったのに、これからどうしよう…。 不合格になってしまったときは、こんな気持ちでいっぱいかもしれません。 では、実際に不合格になってしまったとき、どのような選択があるのでしょうか。

  • 翌年の国家試験合格を目指し浪人する

不合格となった方の多くは次回の国家試験に向けて再び勉強を始めます。その場合、専門の予備校に通うか、予備校には通わずに自宅で勉強するかを選択しなければいけません。

専門の予備校に通い次回の国試に臨む場合、予備校の授業で試験対策の方法を習得し、講師に質問ができるのが最大のメリットといえるでしょう。また、一緒に試験を目指す仲間とのつながりをみつけられるので、安心感が得られるのも大きな特徴です。しかし、予備校に通うには費用がかかり金銭的な負担が大きくなってしまいます。また、カリキュラムに追われ、アルバイトをする時間がほとんど取れないのが予備校通いの特徴ともいえます。

反対に、予備校に通わず自宅で勉強する場合は、自分の時間がある程度自由に使えるためアルバイトも可能。費用負担も軽減されます。また、自分に合った時間配分ができるので、納得のいく勉強の進め方ができるでしょう。しかし、自分の勉強方法が正しいのかわからないまま、一人で国家試験に立ち向かわなければなりません。相談する講師や仲間がいないということが大きな心の負担となってしまうのです。

  • 働きながら翌年の国家試験合格を目指し勉強する

病院薬剤師や薬局薬剤師など、薬剤師の資格が必要な場合、国家試験に落ちてしまうと内定が取り消されてしまうことがほとんどです。しかし、就職先によっては1年後の合格を条件に採用してもらえる場合もあり、なかには国家試験までの1年間、奨学金という形で予備校代を援助してくれる薬局などもあるようです。 また、ドラッグストアに就職が決まっている場合、登録販売員として働きながら次回の試験に備える方もいらっしゃいます。しかし働きながら国家試験の勉強をするというのは想像以上に大変なこと。仕事との両立は体力的にも負担が大きく、精神的に疲弊してしまうことも。働きながら試験合格を目指すには、「絶対に合格する」というモチベーションを維持していかなくてはならないのです。

  • 薬剤師の資格を必要としない就職をする

MRやCRA、一部の公務員など、採用条件に薬剤師の資格が必須ではない場合もあります。この場合、国家試験の合否にかかわらず採用になることもありますが、今後の業務を円滑に進めていくには、やはり薬剤師の資格を取得したほうが賢明です。 また、なかには薬剤師になることをあきらめて、一般企業へ就職するという方もいます。しかし、これはとても辛い選択。6年間積み重ねてきたことを手放すのは簡単なことではないのです。

2.国試浪人について

薬剤師を目指して、毎年多くの方が受験する「薬剤師国家試験」。難易度も高く、近年の合格率は7割を下回っています。ここでは、近年の合格率の傾向と既卒で国家試験にチャレンジするにはどのような対策が必要か、具体的にみていきましょう。

  • 万全を期すなら予備校がオススメ

一人で勉強するのには限界があるので、予備校に通うことも視野に入れましょう。 合格できなかったのは必ず原因があります。予備校に通うことでスケジュール管理や苦手科目の克服など、自分がどの部分でつまずいてしまったのかが把握できるようになるでしょう。試験対策として最新の問題を提供してもらえることや、仲間・ライバルと一緒に勉強できる環境が用意されているのは予備校に通う最大のメリット。ただし、予備校の授業料は決して安くありません。フルタイムではなくても部分的に通うなどの選択肢もあるので、両親と相談のうえ検討してみましょう。

なお、予備校の選び方については、以下の記事をご参照ください。

【薬剤師国家試験】予備校の選び方|やまぶき💊 (note.com)

  • 徹底した自己管理ができるなら宅浪もあり

微差で不合格になったケースや、自己管理が徹底できていて自分の弱点がみえている場合は「宅浪」するのも選択肢の一つです。

授業料がかからないことや自分でスケジューリングできるのは宅浪のメリット。勉強優先ですが、生活費を工面するためのアルバイトも可能です。

しかし、自身で勉強法を確立できないと点数を伸ばすのは難しく、国家試験に向けて自己管理や強い意志が必要です。また、一人で勉強するので孤独を感じることも多く、モチベーションを維持するのは容易ではありません。しっかりと対策をたて国家試験に挑みましょう。

3.国試浪人でモチベーションを維持する方法、不安を解消する方法は

ここまで、合格できなかった場合の選択についてお伝えしてきましたが、決して不安をあおるためではありません。実際に多くの方が国試にチャレンジして成功できず、それでもなお夢に向かって懸命に努力しています。歩んでいく道は一人ひとり違っていても、薬剤師になりたいという強い気持ちは共通しているのです。しかし、どんなに強い気持ちがあってもモチベーションを保てなかったり、不安でくじけそうなときがあるはず。

ここでは、落ち込んだ気持ちを前向きに変えていく方法や心を落ち着かせ不安を和らげる方法をいくつかご紹介します。

  • 定期的に息抜きをする

絶対合格したいという気持ちから、休憩も取らずに勉強を詰めすぎていませんか?勉強量をただ増やすだけでは、一つひとつの問題への集中力が低下してしまいケアレスミスも増えてしまいます。また、ミスによる焦りからかえってメンタルが下がってしまうことも少なくありません。

次の国家試験までの期間、自分のメンタルを良好に保つためにも適度な休息は取りましょう。日曜日は映画やスポーツなど自分の好きな時間にあてる。一日のうち数時間は自由な時間を作るなどメリハリをつけて、自分を追い込まないように心がけましょう

  • 受験生と情報交換をする

勉強中心の生活は、どうしても孤独になりがちなので、なるべく人と接点を持つことを意識してみましょう。おすすめは受験生と情報交換をすること。最近では多様なコミュニケーションアプリを使用し「勉強会」を立ち上げて仲間を作っている方もいるようです。仲間と一緒に乗り越えようとする気持ちは、つらい時も励みになりますよね。また、母校に顔を出してみるのも気分転換になります。薬剤師を目指す後輩たちから良い刺激を受け、自分も頑張ろうという気持ちになるのではないでしょうか。

  • 薬剤師として働くイメージをする

勉強に励むことももちろん大切ですが、何のために勉強しているのか理解するため、自分が試験に合格して薬剤師として働く姿をイメージしてみましょう。成功しているイメージはモチベーションアップにもつながります。また、薬局や病院など実際に薬剤師が活躍している現場に足を運んでみるのもおすすめです。

  • なぜ不安なのか明確にしてみる

人間は未知のものに対して不安を抱く習性があります。それは、経験から学んで周りに適合していけるよう、可変性を身につけているからなのです。つまり、何に対して不安を感じているのかを明確にすることで、その対処法を探し不安を軽減していくことができるのです。

例えば、「勉強しているのに思ったように点数が伸びない」「試験に落ちたら...と不安になる」「試験本番で力を発揮できるのか不安」などの不安要素がある場合、それを紙に書き出しそれぞれの解決方法をリストアップしてみましょう。過剰に不安になっているときは、自分の脳が容量を超えているときです。紙に書きだすことによって具体的な解決方法がみつかると少しずつ不安が治まり前向きな気持ちになれるでしょう。

  • 不安な気持ちを勉強へのモチベーションに変える

「これだけ勉強しているんだから大丈夫!」と自信をもって言えるくらい、ひたすら勉強するのも一つの方法です。地道に青本などの参考書の章末を繰り返し解く。何日か過ぎたころにもう一度解きなおす。一週間時間をあけて再度解いてみる。これを何度も繰り返し知識を定着させていきます。知識が定着するとそれが自信へとつながり、次第に不安は解消されていくでしょう。ただし、あまり無理をして体調を壊さないように。風邪などをひいて体調を崩してしまうと、そこから心のバランスも崩れてしまいます。どんなときでも適度な休息は必要ですね。

  • 焦っているときは体を動かす

勉強が思うようにはかどらず、焦っているときや心に悩みを抱えているとき、少し体を動かすとウソのように焦りやストレスが消えることがあります。体を動かすことは休むことと同様に、脳にとっては「疲労回復」になるのです。体を動かすというとジョギングやウオーキングなどを想像して、時間がないからとあきらめてしまう方もいらっしゃいますが、難しく考える必要はありません。軽いストレッチや首を回す、冷蔵庫から飲み物を取り出すなど簡単なことで十分です。脳の緊張が解けることによって、考えがまとまり始め漠然とした不安から解放されるでしょう。どうしても時間がない方は、深呼吸するだけでもOK。深い呼吸をすることで副交感神経の働きが高まり、自律神経のバランスがとれるようになるので、ぜひ試してみてくださいね。

  • 不安な気持ちを誰かに聞いてもらう

試験に対する不安に限ったことではありませんが、人に話すことで心がスッキリして不安が解消されることがあります。友達や家族、経験のある先輩など気軽に不安や悩みを相談できる人を見つけておくとよいでしょう。また、多くの大学に設けられている「学生相談室」。抱えている不安に対してアドバイスをもらえたり、乗り越える方法を一緒に考えてくれたりするので、ぜひ活用してみるとよいでしょう。

  • 自分の時間を作り、心をリラックスさせる

休憩も取らずただひたすら勉強していると、だんだん心が疲弊してきます。そんなときは少しだけ自分のお気に入りの時間を過ごしてみましょう。みなさんだったらどんなことをしますか?

本を読む、甘いものを食べる、音楽、動画、お気に入りのアプリ...。勉強と勉強の合間に少しだけそんな時間をつくることもいい気分転換になります。この章が終わったらおいしいコーヒーを入れよう。この問題が解けたらあの曲を聞こう。こうした気分転換は、がんばっている自分へのご褒美。心をリラックスさせることは不安を解消することにもつながります。ただし、こうした時間を長時間とってしまい学習時間が減ることのないように、時間のペース配分は必ずしてくださいね。

4.国試浪人の就活について

国家試験に不合格になってしまった場合、これから先の就職や内定がどうなってしまうのか不安に感じている方も多いのではないでしょうか。ここでは、不合格になった際の採用についてや、国家試験前の就活について詳しく解説していきます。

  • 内定は継続される?取り消される?

国家試験が不合格になってしまうと、採用が取り消しとなる場合があります。職種によっても違いはありますが、病院や先行倍率が高い公務員、製薬メーカーの研究・開発職、医療品卸の管理薬剤師などは取り消しになるケースが高いようです。 また、ドラッグストアや地方の調剤薬局では薬剤師の需要が高く継続となるケースがあります。さらにMR、化粧品メーカー、食品メーカーなどは基本的に薬剤師の資格が必須でないことが多いので、卒業後採用されるケースがほとんどでしょう。こうした企業へ就職が決まった場合は働きながら次の国家試験に挑戦する選択肢もあります。

  • 勉強しながら就活するの?

内定が取り消しになった場合、勉強をしながら就職活動を行うのが基本となりますが、就職活動をスタートする時期については個人で設定します。その際、自分で求人を探し、エントリーから日程調整など、すべてを自身だけで行うのはかなりの労力が必要となるので、薬剤師専門のコンサルタントを利用するのも選択肢の一つです。

また、勉強に集中したいため、就職活動は国家試験合格の結果を待ってスタートするといった方もいらっしゃいます。ただし、合格発表が3月の下旬になるので社会に出るのが遅れるといった点や、慌てて就職先を選んでしまったため、入社・入職してから後悔するといったデメリットも考えられます。就職ついては慎重に考えましょう。

  • 就活で浪人が不利になることはない

薬局、病院などでは毎年一定数の国試浪人を採用しているので、国試浪人であることが特別不利になることはありません。とくに後ろめたさなどを感じることなく、自然体で臨むのがよいでしょう。

今回は、惜しくも試験に不合格となった方に向けて、進路や勉強方法やモチベーションの保ち方、就職活動の方法などを詳しく解説しました。

これからみなさんが挑む国家試験は、6年間ただ大学に通えば受かるような、簡単なものではありません。近年の薬剤師国家試験の合格率は約7割。毎年約3割の方が国家試験に合格できないという結果になっています。とても落ち込みますし、将来への不安も大きいことでしょう。

ときには挫けそうになって逃げ出したくなったり、あきらめたくなったりすることがあるでしょう。

しかし、ここで諦めてしまっては6年間学んできたことが活かせなくなってしまいます。続けてきたことは必ず「力」になります。決してあきらめず少しずつでも前に向かって進んでいきましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
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