山本英治 AKA ほなね爺

毎日放送で働いてました。今はただの爺です。 なんか変なもんが好き、なんの変哲もないもの…

山本英治 AKA ほなね爺

毎日放送で働いてました。今はただの爺です。 なんか変なもんが好き、なんの変哲もないものも好き。 モットーは「我悩む、故に我あり」 http://trivial.way-nifty.com/trivialities/ https://twitter.com/honane

マガジン

  • 自叙伝──僕はこんなことを考えながら育って、生きてきました

    自分が小さかったころから思春期を経て、大人になるまでにいろいろ考えてきて、大げさにいうと生きる指針みたいなものになったことについて書いています。

  • 君はいつごろミュージックシーンに登場したか

    人生と音楽の関わり合いについて書いています。

  • ことばと生き方──ことばに対するこだわり

    若い頃から「ことば」というものに興味があり、2001年から2018年まで“ことばのWeb”を主宰していた流れで書いた文章を集めています。

  • Written in English

    These are the rough translation of what I wrote in Japanese here on "note". Eiji Yamamoto

  • 放送とインターネット

    放送局に勤めていたので、たまに放送のことも書いていました。ま、内輪向きの文章が多いので、ここにはたまにしか載せませんでしたが。いずれにしても定年退職しちゃったので、今後はこのテーマではあまり書かない(書けない)と思います。

記事一覧

気がつけば、自分の人生と、自分が作った歌と、当時流行った歌が重なっていた

自分でもそんなものの存在はころっと忘れていたのですが、実は僕は高校時代、大学時代、そして多分会社に入ってから1年か2年ぐらいはかなり多くの作詞作曲を手掛けていた…

時々読ませていただいている為末大さんの文章の冒頭で、為末さんがよく「長文ファンの皆さん」と呼びかけておられるのが気になる。あの程度の長さの文章を長文と呼ぶ感覚が僕にはどうも解らない。あれが長文なら僕の書いているのなんて「長文を通り越して長すぎて誰も読まないクソ文」みたいな感じ?

単数なのに they って言うの知ってました?

ここにも時々書いていますが、会社を辞めてから僕は趣味で英会話を学んでいます。 で、長いこと英語に親しんできて、昨日ほど驚いたことはありませんでした。 そんなこと…

その「生」って、どの「生」ですか?

「生」っていう言葉があるじゃないですか。いろんな場面でみんな気軽に使ってるけど、いろいろ聞いてると、「生」って本来どういう意味よ?って思いませんか? 僕は以前「…

閲覧数 4000 を超えて、クチコミについて考えてみた

僕がとある店について書いた Google Maps のクチコミの閲覧数が 4月30日に 1000 を突破した。 ご存じない方も多いと思うが、あそこに何かを書いてその閲覧数が一定数を超…

日本語空耳アワー ~歌詞とメロディのイントネーション

もう番組自体が終わっちゃいましたけど、『タモリ倶楽部』の「空耳アワー」、面白かったですよね。大好きなコーナーでした。 で、あれは外国語が全く違う日本語に聞こえて…

それは「言葉の乱れ」なのか?

「言葉の乱れ」みたいな言い方はしません。「乱れ」と言ってしまうのはあまりに乱暴だから。 それはちょうど、僕らが中学生の時に、制服の詰め襟のホックをちょっと外して…

Living with my wife

Having spent about half my life with my wife, I realized that she is completely different from me. It is a benefit of marriage or cohabitation to recognize that…

写真はイメージです(和製英語のイメージ)

英語を学んでいる人にとっては和製英語の知識が鬼門になったりします。 普段日本語の一部として親しんでいるから、ついつい英語でも通じるもんだと思いこんで使ってしまっ…

フリーレンの登場人物たちの名前の意味

かく言う私もそのひとりですが、日テレのアニメ『葬送のフリーレン』が終わってしまって、フリーレン・ロスに呆然としている御仁も少なからずおられるのではないかと推察し…

好きな言葉──我々の異性は女性です

先日、嫌いな言葉について書きました ↓ ので、今回は好きな言葉について書きます。 僕が、恐らく中学時代だったと思うのですが、思春期に出会っていたく感動した表現─…

オープン・エンディングを糾弾するよりも大切なこと

オープン・エンディングというものが今や批判の対象になっていると知って大きなショックを受けました。日本がまさかそんな社会になってきているなんて、夢にも思いませんで…

ポケモンの名前に見る和英翻訳の妙技

先日、英語の先生と話しているときに、ポケモンの日本語名と英語名の話題で盛り上がったので、そのことについて書きます。 その先生はユダヤ系アメリカ人で、来日して日本…

スージー鈴木・著『<きゅんメロ>の法則』出版記念トークショー”<きゅんメロ>フェス”に行ってきた。
http://trivial.way-nifty.com/trivialities/2024/03/post-342407.html

好きじゃない言葉2題──「我が身をつねって…」と「なせばなる」

僕はソーシャルメディアにはあまりネガティブなことは書かないようにしているのですが、特定の誰かを非難するんじゃなくて、単に自分の生き方や人となりを物語るものだった…

「◯球」──球技の名称についての考察

人気漫画『ハイキュー!!』のタイトルは、言うまでもないですが、バレーボールが昔「排球」と呼ばれていたことを踏まえたものです。 明治以降の日本人は、外国語を訳すと…

気がつけば、自分の人生と、自分が作った歌と、当時流行った歌が重なっていた

自分でもそんなものの存在はころっと忘れていたのですが、実は僕は高校時代、大学時代、そして多分会社に入ってから1年か2年ぐらいはかなり多くの作詞作曲を手掛けていたのです。 アマチュア・バンドを組んでいたわけではなく、自分勝手なギター弾き語りです。ステージに立ったことは一度もなく、ただごく少数のごく親しい友人の前で歌ってみたり、あるいはその友人と自作自演のカセット・テープを互いに交換したりしていました。 やっているうちにどんどん凝ってきて、エレキのリード・ギターやコーラスをピ

時々読ませていただいている為末大さんの文章の冒頭で、為末さんがよく「長文ファンの皆さん」と呼びかけておられるのが気になる。あの程度の長さの文章を長文と呼ぶ感覚が僕にはどうも解らない。あれが長文なら僕の書いているのなんて「長文を通り越して長すぎて誰も読まないクソ文」みたいな感じ?

単数なのに they って言うの知ってました?

ここにも時々書いていますが、会社を辞めてから僕は趣味で英会話を学んでいます。 で、長いこと英語に親しんできて、昨日ほど驚いたことはありませんでした。 そんなこと知らなかったのか?とおっしゃる方もおられるのでしょうが、僕は初耳で、結構ショックを受けました。 何かと言えば、英会話の教科書に載っている文章で、時々単数の主語を he や she ではなく they で受けていることがあって、初めて目にしたときは誤記かなと思ったのですが、何度か同じようなケースが出てくるんですよね

その「生」って、どの「生」ですか?

「生」っていう言葉があるじゃないですか。いろんな場面でみんな気軽に使ってるけど、いろいろ聞いてると、「生」って本来どういう意味よ?って思いませんか? 僕は以前「ことばのWeb」というのをやっていたくらいで、言葉に対して強い興味関心があります(と言っても、多少とも知っているのは日本語と英語だけなので、対象はおのずからその2つの言語に限られるのですが…)。 で、最近よく考えるんです。生っていう言葉には一体どれだけの多義性があるんだろう?って。で、いろいろ考えたり調べたりしたの

閲覧数 4000 を超えて、クチコミについて考えてみた

僕がとある店について書いた Google Maps のクチコミの閲覧数が 4月30日に 1000 を突破した。 ご存じない方も多いと思うが、あそこに何かを書いてその閲覧数が一定数を超えるとメールで知らせてくれるのである。 実は 1000 を突破できたのは、僕なりの書き方のコツみたいなものもあってのことだと思っている。そのことについて、少し書いてみようと思う。 Google Maps のクチコミと言えば、悪意のある事実無根の書き込みをされたとして、先日医療関係者が集団訴訟

日本語空耳アワー ~歌詞とメロディのイントネーション

もう番組自体が終わっちゃいましたけど、『タモリ倶楽部』の「空耳アワー」、面白かったですよね。大好きなコーナーでした。 で、あれは外国語が全く違う日本語に聞こえてしまうという例でしたが、いやいや、日本語の歌でも全く違う日本語に聞こえてしまって大笑いってこと、ありますよね? 僕は年寄りなので古い歌ばかりで申し訳ないですが、例えば太田裕美の『木綿のハンカチーフ』(作詞:松本隆、作曲:筒美京平、1975年)では、「都会で流行りの 指輪を送るよ」と言われて、「いいえ 星のダイヤも

それは「言葉の乱れ」なのか?

「言葉の乱れ」みたいな言い方はしません。「乱れ」と言ってしまうのはあまりに乱暴だから。 それはちょうど、僕らが中学生の時に、制服の詰め襟のホックをちょっと外していたり、ちょっと幅の広いベルトをしてきたりしただけで「服装の乱れ」なんて言われたのと同じように思うから。 とは言いながら、この年まで専ら日本語を使って生きてきた老日本人としては、やっぱり昨今の皆さんの言葉の遣い方にあまり馴染めないところがあるのも事実です。 例えばこういうことが「言葉の乱れ」などと言われますが…例

Living with my wife

Having spent about half my life with my wife, I realized that she is completely different from me. It is a benefit of marriage or cohabitation to recognize that each person is unique. To put the difference between her and me in a nutshell,

写真はイメージです(和製英語のイメージ)

英語を学んでいる人にとっては和製英語の知識が鬼門になったりします。 普段日本語の一部として親しんでいるから、ついつい英語でも通じるもんだと思いこんで使ってしまったり、あるいは逆に、これは和製英語だろうから通じないと思っていた表現が意外にも英米で使われていたり…。 まあ、学んでいるうちに知識も次第に蓄積されてはくるんですけどね。 例えば、OL(オフィスレディの略)は誰もが知る和製英語ですが、この表現が使われ始めたころには BG(ビジネスガールの略)という和製英語もありまし

フリーレンの登場人物たちの名前の意味

かく言う私もそのひとりですが、日テレのアニメ『葬送のフリーレン』が終わってしまって、フリーレン・ロスに呆然としている御仁も少なからずおられるのではないかと推察します。 ある人の note で、フリーレンという名はドイツ語の frieren という動詞(英語の freeze に当たる;「凍らせる」の意)から来ているという話を読みました。 そう言われると、他のキャラクター名もドイツ語っぽい響きを持っていますよね。ひょっとしたら全員かもしれません。 幸いにして私の大学時代の第

好きな言葉──我々の異性は女性です

先日、嫌いな言葉について書きました ↓ ので、今回は好きな言葉について書きます。 僕が、恐らく中学時代だったと思うのですが、思春期に出会っていたく感動した表現──それは「我々の異性は女性です」でした。 おぼろげな記憶で書いているので間違っているかもしれませんが、多分1970年代初頭の資生堂の男性化粧品ブランド「ブラバス」の CMコピーでした。(追記註:ブラバスだと思い込んでいたのですが、調べてみるとどうやら資生堂は資生堂でもブラバスではなく MG5 のコピーだったようで

オープン・エンディングを糾弾するよりも大切なこと

オープン・エンディングというものが今や批判の対象になっていると知って大きなショックを受けました。日本がまさかそんな社会になってきているなんて、夢にも思いませんでした。 僕がそれを知ったのは朝日新聞での「映画『怪物』クィアめぐる批判と是枝裕和監督の応答 3時間半の対話」という記事(有料)でした。 是枝裕和監督、ライターの坪井里緒氏、映画文筆家の児玉美月氏によるこの鼎談で議論されているのは、主に「クィア」をめぐる表現や発信のあり方についてであり、それはそれでとても意義の深いも

ポケモンの名前に見る和英翻訳の妙技

先日、英語の先生と話しているときに、ポケモンの日本語名と英語名の話題で盛り上がったので、そのことについて書きます。 その先生はユダヤ系アメリカ人で、来日して日本語の翻訳者になるべく勉強をしている人です。 彼は小学校時代ポケモンカードの収集に熱中したのだそうです。僕は年が年だけにポケモンのことは近年までほとんど何も知らなかったのですが、数年前から iPhone で Pokémon GO をやっています。僕がそのことを話したのが発端でした。 そこで、「君の一番のお気に入りの

スージー鈴木・著『<きゅんメロ>の法則』出版記念トークショー”<きゅんメロ>フェス”に行ってきた。 http://trivial.way-nifty.com/trivialities/2024/03/post-342407.html

好きじゃない言葉2題──「我が身をつねって…」と「なせばなる」

僕はソーシャルメディアにはあまりネガティブなことは書かないようにしているのですが、特定の誰かを非難するんじゃなくて、単に自分の生き方や人となりを物語るものだったら良いか、と思って少し書いてみます。 僕には好きじゃない、と言うか、嫌いな言葉が2つあります(タイトルだけはちょっと和らげておきましたw)。いや、僕は嫌いなものが多いですから(笑)、探せば他にもどんどん出てきそうな気もしますが、まあ、今思いつく2つだけにしておきます。 我が身をつねっても仕方がないことがある僕は小さ

「◯球」──球技の名称についての考察

人気漫画『ハイキュー!!』のタイトルは、言うまでもないですが、バレーボールが昔「排球」と呼ばれていたことを踏まえたものです。 明治以降の日本人は、外国語を訳すときに、それが今まで日本になかった物や概念であった場合、それらしい漢字を当てはめて新しい日本語を作ろうとしました。例えば明治初期に作られた「自由」とか「権利」とか「哲学」などという言葉がその例です。 そして、スポーツの世界でもそれは行われました。多くの球技に「◯球」という訳語があります。 野球さて、今ではバレーボ