140文字小説(2)

「スマホ見てない?」

右手で布団の周りを漁ったり、クッションをどけて隙間に落ち込んでいないか確認する。

外出予定時間が、迫ってくる。

冷静を装っているが焦りは隠せない。

「確かに、さっきまで動画見てたのに…」

とうとう同じ場所を何度も探し始めた。

そろそろ教えてやろう。

左手のスマホの存在を。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?