the house eater from HELL "final"
みなさん、こんにちは!
八神夜宵です!
今日は、待ちに待ったシロアリ駆除の日!
ここに至る経緯については、こちらをどうぞ!
予定の時刻より5分早く、二人の勇者が訪れました。
5分前行動、いいですね!
それぞれ名刺を差し出す勇者。
「おおっ!ゆうしゃタツノリとゆうしゃシンノスケよ、まちかねておったぞ」
奇しくも、ジャイアンツの現監督と元監督のお名前じゃないですか。
これは、期待できそう。
二人は、早速てきぱきと作業の準備を始め、あっという間に作戦計画が立てられました。
・1名は現在入れる範囲で駆除作業を開始
・1名は基礎拡張、その後、駆除が完了した範囲の防護措置
基本は、こうです。
なんの躊躇もなく、床下に消えていく二人。
その姿は見えずとも、戦いの音が床下からこだましてきます・・・。
室内には、木酢のような臭いがほのかに漂ってきました。
植物由来の薬剤、ということでしたが、こういうことでしたか。
40分ほどで、勇者シンノスケが地上に姿を現しました。基礎拡張工事と一部の防護措置が終わったようです。
飲み物でも・・・と思いましたが、シンノスケの作業はまだ終わっていませんでした。床下とはつながっていない、玄関土間の下の空間と、配管が埋まっているところの駆除作業をするそうです。
特殊な工具を使い、コンクリートの土間に直径5mmほどの穴が四か所開けられ、そこから細長いノズルで薬剤を散布します。
散布が終わると、魔法の粉と魔法の水で、土間の穴を埋めます。
ほんの少し色が濃くなった以外、施行前と何も変わりません。お見事。
その頃、勇者タツノリが泥だらけ、蜘蛛の巣だらけの姿で地下から戻ってきました。つなぎを脱ぎ、タオルでざっと顔と体を拭きます。
「薬剤残ってるんで、家の周囲の地面に撒きますね!」
んん? そのオプションは見積りの時に断ったはず・・・
「サービスしますんで、大丈夫ですよ!ただ捨てるのももったいないので!」
さわやかに笑った二人は、二手に分かれ、家の周囲、壁沿いの地面に、細いノズルを刺しては噴射、刺しては噴射、ということを繰り返しています。
「え、地下に撒くんですか!?」
「シロアリって、地下からも来るんですよ」
そうなんですか。羽アリで広がるだけではないんですね!
「ええ、俗に地下シロアリと乾材シロアリなんて言われてますね。羽アリになるのは乾材シロアリですけどね」
なるほど・・・。
と、言うことは、これで我が王城は白アリに対して鉄壁の防護措置を講じたことになるわけですね。
ちなみに、薬剤の持続期間は5年だそうです。
こうして、合計90分ほどですべての作業が終わりました。
私はポカリとアイスコーヒーで勇者を労います。
5分も休まないうちに、撤収作業が始まりました。聞けば、この後にも現場があるのだとか・・・。お疲れ様です。
車に乗り込もうとする二人の勇者に、「こころづけ」を手渡します。
今回も再三辞退されましたが、あくまで気持ちが実体化しただけなので、感謝の言葉と共に受け取っていただきました。
こうして、我が家のシロアリ騒動は、一応の幕引きを迎えました。
無事にスタッフロールも流れます。
「続編あるかもよ」みたいな匂わせ演出は、なしでお願いします・・・。
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