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僕の名前は所轄孝明

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記事一覧

小説パート2(17)

新しい学校のクラスの生徒の人数は四十人だった。
担任の先生は三島先生と言う女の人である。
僕は転校生という事で、皆んなの前で紹介された。
席は一番後ろであった。全員の名前を聞いたがいっぺんに覚えられるはずも無い。
新しい友達は直ぐにできた。上田君だ。
何と誕生日が同じである。推理小説が好きで、シャーロックホームズが好きと言っていた。
早速、図書室に行って、シャーロックホームズの本を借りた。子供向け

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小説パート2(16)

チョコレートを妹と母に食べられてしまった事を、父に泣きながら言ったら、父は母をきつく叱ったが、妹には何も言わなかった。父は今度また、東京に行ったら、チョコレートを買ってきてあげると僕に約束したが、その約束は未だ、守られていない。

父の勤務先が変わった。僕は転校する事になった。
今、住んでいる所から50km位離れた場所である。
妹が一年生になるまでは、お父さんは単身赴任していた。
僕が五年生、妹が

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小説パート2(15)

お父さんが以前、東京に出帳した時買ってきたチョコレートが僕の口に合わなかったので、今度は子供向けの高級なチョコレートを買って来てくれた。
僕と妹の分を買ってきた。
プラッチック製の樽に入ったチョコで一つ食べた時の美味しいさと言いたら、今まで食べた事の無いチョコだった。
僕は一つだけ食べて、冷蔵庫に入れて置いた。
妹は一度に全部食べてしまった。
僕が食べる時に、僕に「ちょうだい」と言うつもりらしが

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小説パート2(14)

運転会が終わった後、僕はおじいちゃんの家に行った。
おじいちゃんは煎餅を食べながら、テレビを観ていた。
僕が以前から聞きたい事を聞いてみた。
それは、おじいちゃんの記憶がどれぐらい僕の頭の中に入っているかと言う事だ。でも、その事を聞くとおじいちゃんが嫌がるかも知れないと思っていたので、なかなか言い出せなかった。でも今日は思い切って聞いてみた。
おじいちゃんが、僕に言うには
「おじいちゃんの記憶がど

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小説パート2(13)

競技も進み最後は全員で踊る、フォークダンスだ。僕の好きなミオちゃんと踊りたい。といつも思っているのだが、何故かミオちゃんの前で音楽が終わる。
練習ではそうだが、本番は絶対に踊れと期待して踊った。
僕と踊る女の子はみんな恥ずかしいそうに下を向く。僕の顔を見る事が出来ないのだろう。もう直ぐミオちゃんの番だ。僕は期待で胸がワクワクしたが、無情にも音楽が止まった。残念だが仕方ない。運が悪かっただけだ。

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小説パート2(12)

前回は食べ物ばかりの話でお母さんの兄妹の事を書きました。今回はこの前行われた運動会の事を書きます。
毎年10月の第一日曜日に運動会は行われます。
運動会の練習をするのですが、何故か入場行進の練習をやらされる。僕はこれが大嫌いだ。行進の練習なんて、意味も無いし疲れるだけ、何の為に練習するのか分からない。不思議な事である。もしかしたらお爺ちゃんの記憶で考えているのかも知れない。
運動会で一番好きな競技

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小説パート2(11)

お爺ちゃんの記憶を転送された僕だが、失敗したのか、
それともお爺ちゃんがボケた記憶を転送したのかわからないが、あまり重要な情報は無いみたいだ。
昔の映画や、歌など僕には役に立たない。古い言葉もあるが、何の事かは分からない。良かったのは、小学生の勉強はしなくても大丈夫だという事だけだった。

僕のお母さんの実家は昔は靴屋だったが、大手の靴屋が出来て、お店を大衆食堂に変えた。
お母さんの兄妹は五人いる

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小説パート2(10)

お爺ちゃんの記憶を持った僕は、勉強なんてしなくよかった。
小学生の勉強なんて簡単過ぎる。授業など聞かなくても平気だ。

お爺ちゃんの記憶のおかげでみんなに知らない事を教えてあげられる。
皆んなの前で話しすると、皆んなは興味を持って下を向きながら聞いてくれた。中には欠伸する子もいたが、寝不足なのだろう。

皆んな、それ何? と言う表情を見せるのだが、疑問は脳を活性化させる。
そのうち、皆んな話しを聞

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小説パート2(9)

ある日、お爺ちゃんのところに遊びに行った時だ。お爺ちゃんが真剣な目をして僕を観た。
いつもは、優しい目なのに、その日は違っていた。
お爺ちゃんは僕に言った。「これからする事は、絶対に人に言ってはいけない。秘密にしてほしい。」と。僕は何もわからないけれども、秘密にする事を約束した。
お爺ちゃんは僕の頭に、ヘッドギアの様な物を装着した。見ると電気のコードが何本もあった。 「何をするの?」と不安気に聞く

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小説パート2(8)

僕のお父さんさん側の祖父は、科学者だ。
バック トウ ザ フューチャー に出てくる、科学者のドクに似ている。
色んな発明をしているが、いまだに特許を取った事が無い。
この前もタイムマシンの製造をして失敗していた。
この資金が何処から出ているのかは不明だが、父の憶測では、
悪の組織から資金を援助してもらっているかも知れない。と言っているが
そんな事は無いらしい。おばあちゃんの話だと、昔 高額の宝くじ

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小説パート2(7)

待ちに待った食事の時間だ。僕と妹はお子様ランチ。
お父さんとお母さんは、懐石料理。
幼稚園児と小学三年生と同じ物はないでしょう。
懐石料理とは言わなくても、妹との差はつけて欲しいと思っていたら、
お母さんが僕に天麩羅を差し出してくれた。「どれでも好きな物取って良いよ」
と優しく言ってくれたので、本当はエビ天が欲しかったが、お母さんも食べたそうなので、紫蘇の葉の天ぷらにした。
母は同じ様に妹に差し出

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小説パート2(6)

お風呂から上がった後、妹と一緒にホテルの中にあるゲームセンターに行った。色々なゲームが置いてある中、一人の老人がパチンコをやっていた。
見ると、パチンコの玉も無いのに、ダイヤルだけ廻してる。
不思議に思い、僕はその老人に「玉無いですよ」と言ったら、
老人は何かを確認して「馬鹿な事を言うな、わしは男だ」と言われた。
「違います。パチンコの玉です」と言うと、老人は再度確認して「ちんこもあるわ」
ここは

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小説パート2(5)

僕はお風呂に行った。ジャングル風呂だ。猛獣が襲ってきたらどうしよう。大丈夫、きっと檻に入っているはずだ。安心しろ。
と自分で自分を勇気付けた。
扉を開けると、そこは、ジャングルの木が茂っていた。
かの様に見えるが全部、造花、造木である。良く見ると、蜘蛛の巣がこびり付いていた。動物はというと、虎がこちらを覗いている。鋭い目であるが、模造品。人形である。剥製でもない、本物の偽物である。
シロクマとペン

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小説パート2(4)

今週の土日、旅行する事になった。父にボーナスが出たのだ。
金一封が出たらしい。どれくらい出たかは定かでは無いが、家族四人で
温泉旅行となった。父の運転する車に乗り、着いたところが、もみじパラダイスと書いてあった。ここの自慢は、ジャングル風呂で動物が一杯居るらしい。
僕はお風呂に動物園があるのかと期待し胸がふくらんだ。
妹も胸が膨らみ、期待に胸を躍らせたらいしが それは残念ながら今になっても実現して

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