不登校の娘との関わり方-大切にした5つのこと
こんにちは。不登校の娘をもつ母親です。
娘は小学校5年生の冬から6年生の卒業まで不登校でした。
そして今年の春に中学校に入学します。今は入学に向けて心の準備をしているところです。
不登校の期間、私は5つのことを大切にして娘と過ごしてきました。
そのおかげか、少しずつ元気になり「中学校からは学校に行く」と宣言してくれました。
不登校の解決方法は一つではありません。
年齢や状況によっても違います。
私たち親子の体験が不登校で悩む親御さんのヒントになれば嬉しいです。
娘との過ごし方ー大切にした5つのこと
家での過ごし方や親の関わり方で気を付けたことは次の5つです。
家で自由に過ごす(無理に登校させない・理由を聞かない)
勉強は強制しない
プチ旅行にいってリフレッシュする
好きなことを応援してどんどんやらせる
学校以外の人と接触する機会をもつ
ひとつずつ詳しく説明していきます。
家で自由に過ごす(無理に登校させない・理由を聞かない)
※イメージ写真
いろいろ言わず、自由に家で過ごしてもらいました。
好きな時間に起き、好きなことをさせ、好きな恰好で過ごす毎日。
声かけも最小限。
「ごはんだよ」「一緒にドラマみる?」くらい。
「学校に行きなさい」とか「なぜ行かないの?」と聞くことも、もちろんしません。
こんな風に娘を責めることなく、見守り続けてこれたのは私自身がうつ病の経験をしたからだと思います。
私がうつ病の診断を受けた時、回復をじっと待ってくれる友人がいました。「早く元気になりなさい」と急き立てる人は誰もいなく、焦る気持ちを抱かずに治療に専念できました。
また、当時の私は苦しみの原因がわからない状態でした。
1年、2年かけてその苦しみを因数分解し、自分という人間を理解し、少しずつ回復してきた経緯があります。
この経験から娘も私と同じなのではないか、苦しい理由がかわからないのではないかな、と考えました。
「これが原因です!」と言語化できないというか。
心にもやもやがずっとあってとにかく学校に体が向かない。そんな苦しみを抱えているのではないかなと思っていました。
娘もゆっくり休憩をして心の整理整頓ができれば前に進めると信じられました。
なので学校にいけない理由をきいたり、無理に学校に行かせることは逆効果と判断しました。
勉強は無理にさせないし、教えない
学校に長くいかないことで学習の遅れを少し不安に思いましたが、学びなおしはいつでもできると考えました。
私も今、さまざまなことを学びなおしています。
必要に迫られたら人はいつでも学べます。
「中学校で勉強についていけないかもしれない」
と娘がつぶやいていたこともありますが、
「勉強なんてできんでよかさ!」
と言いました。なんて無責任な母親(笑)
娘は自ら小学校のタブレットを開いて勉強をしていました。
もちろん勉強しているときは「頑張ってるね」と声かけ。
でも勉強をしているのを見られるのも嫌だったようで隠されたことがあります。
プチ旅行に行って親子でリフレッシュ
私が最も力をいれたのが親子のプチ旅行です。
なぜなら私がめっちゃ楽しかったから!
子供を外に連れ出すという口実のもと、あちこち遊びに出かけました。
私は在宅で仕事をしているので時間に制約がありません。平日はどこも混んでいないのでめちゃくちゃ快適でした!
映画館も初日の朝イチに行ってプライベートシアター状態。
温泉も貸し切り状態。
カフェでも待ち時間なしでゆっくりランチ。
メルヘン村も誰もいない。
クラシックのコンサートや仲里依紗のトークショーなどなど。
島原半島のイルカウォッチングにも行きました。
紅葉を見たり、桜を見たり、リスやペンギンを見たり。
楽しかったなー(しみじみ)。
生活圏外に出かけるので知り合いにあう恐れもありません。
娘ものびのびと過ごしていました。笑顔もたくさん見られ、よく話してくれました。
雲仙に紅葉を見に行ったときのこと(紅葉は終わっていたけど)。
ロープウェイに乗って外を見つめながら
「お母さん、中学校になったら学校行くけん、それまでは旅行にいっていろいろ楽しいことしたい」
と話してくれました。
ちょっと泣きそうになりましたね。「これでよかったんだな」と。
ちょうど不登校になって1年ほどたった時のことでした。
親御さんの中では
「学校にも行かず外に遊びに出かけるなんて。そんな元気あるなら学校に行ってほしい」
と思う人もいるかもしれません。子供自身も平日に外に出るのを嫌がる子もいます。
でも外出と学校は全く別物です。
むしろ「学校に行けない子は平日は出歩いてはいけない」的な考えをいったん壊すとよいかなと思っています。
それに平日に遊んでいても白い目で見られたことはありません。
「大人2名ですね」と言われて「いえ、小学生です」と伝えても「あ、すみません」で終わりです。娘の方が私より背が高いのでよく間違えられました。
学校にも「子供とあちこち旅行に行っている」と話すと「良かったですね!いいですね!」と寄り添ってくれました。
好きなことを応援してどんどんやらせる
趣味や好きなことをとことんさせてあげました。
好きなことの先には自分の夢や希望があると思ったからです。
YouTube、コミック、アニメ、一日中見ているときもありました。深夜まで見ていることも最初の頃はありましたね。でもこれも黙認。
読みたいコミックがあれば買いに行き、見たい映画があればすぐに見に行きました。
見たり読んだりするだけでなく、イラストも描いていました。iPadを渡していつでもイラストを描ける環境にもしました。
描けたものを見せてもらったときは「すごいすごい!」とほめまくり。
本当に「え、これ6年生のイラスト?」ってくらい上手なんですよ。
見てもらいたいけれど許可がないので公開できないのが残念です。
始めは描いたイラストを全く見せてくれませんでしたが、「お姉ちゃんの誕生日プレゼントにイラストを描いて」とお願いしたらさささーっと描いてくれました。
好きなことを認めてあげ、応援することは、自信をつけることにもなるし自己表現ができるようになるためのトレーニングにもなるかと思います。
学校以外の人と接触する機会を持つ
※イメージ
プチ旅行に行くことで家族以外の人間と接触する機会を作りました。
ただ、人とあってもほとんど発話はありません。
最初は誰にも会わない日々だったのですが、プチ旅行を繰り返すうちに人に会うことに少しずつ抵抗がなくなってきました。
家に娘に会いに来てくれた私の友人がいて、3回ほど「面会謝絶」だったのですが、3月に訪問したときには玄関に出て話もできました。
ただ、学校関係者となると話は別でした。
同級生も何度も来てくれましたが最初に会っただけで、次からは無理でした。
担任の先生も、ソーシャルスクールカウンセラーもしかり。
学校の人となると体が固まってしまうようでした。
無理に合わせることなく「○○ちゃんが来たよ」「○○先生がプリント持ってきたよ」とだけ伝えました。
以上が私が大切にした5つのことです。
正直、低学年だともっと手がかかるし、中学生、高校生となるともっと深刻な状況の家庭もあるかもしれません。
また仕事の都合でどうしても子供との時間が過ごせない人もいるでしょう。
私は在宅ワーカーなので昼間も一緒だし、時間の調整ができました。
不登校の親が仕事で悩むことも多いと聞きます。私のように在宅で働く方法もあるのでぜひ下の記事を参考にされてください。
https://yaenowriter.com/futoukou-partent-job/
中学入学前の最近の子供の様子
ここからは最近の娘の様子をお伝えします。
嬉しいことが一つありました。それは卒業式に出られたこと。
校長先生、副校長先生、教頭先生、担任の先生が集まってくださり、教室で娘だけの卒業式を行いました。
「よくきたね!」「えらかったね!」「来てくれて嬉しい!」「おめでとう」「頑張ったね」
などなど次々と先生たちから喜びの言葉。担任の先生も涙。
校長先生は今日学校に来られたことを賞賛し
「今日のことはあまりプレッシャーには思わず、自分らしく進んでいってください」
とはなむけの言葉もいただきました。
本人は終始緊張の様子で話すことはありませんでした。けれど、帰り道の顔はとても晴れやかで「これなら中学校大丈夫そう」と話してくれました。
3月に入ったころから早寝早起きができています。
毎日7時前には起床して朝食を食べ、勉強をしたり、好きなことをしています。寝る前には筋トレまで(笑)
やる気がみなぎっていますね。
幸せの道はそれぞれ
不登校を解決したい。
というより、娘が幸せになる道を自分で歩んで欲しい。
そのために必要なことを親としてやっていこう。
これが私の出発点でした。
学校に行くことがゴールではない、と私は思います。
長い人生、学校に行かない1年、2年あってもへっちゃらです。
それも山あり谷ありの人生の一つ。
むしろ傷ついた分、苦しんだ分、人の気持ちに寄り添える人間に育つ。
学校に行けなくなった原因は今でもわからないままです。
もしかしたら10年、20年先、大人になってから気づくのかもしれません。
むしろ原因を追究するのではなく、親はただただ本人の辛い、怖い、不安な気持ちに寄り添っていくことなのかなと思っています。一緒にできることはたくさんあります。
月曜日に迎える中学校の入学式。私もドキドキです。
娘の笑顔が見られますように。
でももし、無理だとしても大丈夫。
またプチ旅行がはじまるぜ!くらいの気持ちでどっしり構えています。
まとめ
不登校の子供の過ごし方と関わり方ー大切にした5つのこと
自由に過ごす
勉強は無理にさせない教えない
プチ旅行に行ってリフレッシュ
好きなことを応援してどんどんやらせる
学校以外の人と接触する機会を持つ
ゴールは子供の幸せ、子供の笑顔。学校がすべてではない。
親子の絆を強めるいいチャンスだと思ってどっしりのんびり親子で過ごしてください。
追記
4月10日。
娘は真新しい制服を着て中学校の入学式に行きました。
友達が笑顔でむかえてくれ娘もにこにこ。
2日目。
今日も元気に出発しました。
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