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本『いのちをつなぐ海のものがたり』矢田勝美 著

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『海には神さんがおる』 〜 本文より 〜  漁師の父と弟、漁師を支えてきた母という実家の暮らしを背景に描いた、 伊勢湾の海で働く人たちが舞台のエッセイ本。 2012年 斎藤緑雨文… もっと読む
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2020年8月の記事一覧

8月25日に海の博物館に行ってきました。

8月25日に海の博物館に行ってきました。



木造船の棟にも船霊さんがおいでです。そしてまだ解体していないたくさんの木造船の中に船霊さんがおいでです。

現地で食べた魚の新鮮さが忘れられない。

みんなでライブペイントをしました。

それから、思わず手を合わせずにはいられない船霊様の御神体たちにご挨拶を。

漁師でさえ自分の船のどこに船霊さんが潜んでいるのか知らされておらず、船大工だけが知っている。漁師が亡くなって船を解体するときに

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「船霊といのり」が8月22日の朝、NHK総合チャンネルで少しだけ放映されます。

「船霊といのり」が8月22日の朝、NHK総合チャンネルで少しだけ放映されます。



〜お知らせ〜

明日(8月22日:土)の朝7時30分〜、中部地方のNHK総合チャンネルで、ただいま三重県鳥羽市「海の博物館」で開催中、矢田勝美展「船霊といのり」を少しご紹介いただきます。北陸、静岡まで渡って広範囲に放映されるようですのでタイミング合いましたら是非ご視聴ください。

【日時】2020年8月22日(土)朝7時30分〜
【配信チャンネル】NHK総合
【番組】ウィークエンド中部

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すべての人がクリエイターで表現者からの、「震えるような仕事」とは?

すべての人がクリエイターで表現者からの、「震えるような仕事」とは?



かかみがはら暮らし委員会メンバー紹介の対談で
YouTubeに収録していただきました。

真面目な話をしました。

全ての人が表現者である話とか、
生まれるべきして生まれた作品の話とか。。。

アーカイブで保存されていますのでよろしければご視聴ください。
(※14分前後からが聞き時です) 



ナビゲーターのオゼキカナコさんがうまくまとめてくださっています。
すごくわかりやすい!

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〜在廊日のお知らせ〜「船霊といのり」@海の博物館

〜在廊日のお知らせ〜「船霊といのり」@海の博物館



ただ今開催中「海の博物館」での展覧会「船霊といのり」の在廊日になります(他、在廊日は現時点ではございません)。


時間内に複数人で公開ライブペイントも行いますのでご都合つけばぜひご高覧ください。

よろしくお願いいたします。

:
【在廊日お知らせ】

◆日時
 2020年8月25日(火)
 13時30分〜16時30分頃
:

◆複数人による公開ライブペイント

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「船霊様」に念を込めることと「縁起かつぎ」

「船霊様」に念を込めることと「縁起かつぎ」



『天一、地六、表三(見)あわせ、梶四あわせ(幸せ)、櫓櫂(ろかい)五と中に二(荷)がどっさり』

船霊様の蓋を開けて、正面に数字の三、互いにニが合わさる様にサイコロをニ個置くとこのような呪文が生まれる。


このようにして縁起をかつぐ。

:
#船底一枚下は地獄 


:
【企画展】矢田勝美 展 「船霊といのり」

【日程】2020年7月20日~10月11日
【会場

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伊勢湾奥鈴鹿の名物の一つ「真鰯」を

伊勢湾奥鈴鹿の名物の一つ「真鰯」を



鰯は伊勢湾奥鈴鹿の名物で、昔(1930〜1950年代前後だろうか)は、木造船が沈むんじゃないかってくらい獲れたらしい。


床屋も八百屋もこぞって日銭を得るために木造船に乗り込んだという。


私が小学校の頃は毎日のように食卓にあがってた。脂の載った真鰯だ。
今でもたまに上がるけど。

私が鮨屋に行くと、しめ鯖とカツオは必ず、いわしもあれば注文す

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「魚供養」の絵(2)

「死と隣り合わせ」

「魚供養」の絵(2) 「死と隣り合わせ」



「魚供養」の絵(2)

「死と隣り合わせ」


一年に一度か二度漁師が行う儀式。
我が生計を授けていただいた魚介類への感謝と弔いの「魚供養」の絵に何か祝詞を書き添えたいと、私なりに考えた。


————————————

大自然の恵み、
命に感謝し
冥福を祈ります

八百万の神、
海神、綿津見よ
海の幸の命への弔いと
それらをいただく我らが身を
祓い賜え浄め賜へと
恐み恐み申す

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「魚供養」の絵(1)_本当にあった不思議な話。

「魚供養」の絵(1)_本当にあった不思議な話。



「魚供養」の絵(1)

本当にあった不思議な話。


海の博物館から「祈り」をテーマに共同の展覧会を考えている、過去の展示作品2枚(大)を借りれないかとのお話をいただいた。(最終的には私オンリーの展覧会となった)


過去の大作2枚のうち一枚は捨ててしまっていたし、せっかくなので新たに1枚描き下ろそうと制作し始めた。

「祈り」がテーマなら「魚供養」はどうかと閃いた。


それか

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「船底一枚下は地獄」

「船底一枚下は地獄」



船乗りの海の仕事の恐ろしさを表した諺に、
「板子一枚下は地獄」というものがある。


私の父が口にしていたその例えは、
「船底一枚下は地獄」


こっちのが海の怖さが迫ってくる。


子供の頃から父の身の回りの漁師たちが死んでいくのを、この言葉とともに耳にしていたのもある。


私がこの諺を書く時は、父の造語を使っている。

:

【企画展】矢

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