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見上げれば 政府専用機

苫小牧の街を歩いていると、低い高度を飛行する大型機を見かけることがあります。政府専用機の ボーイング777-300ER です。


▲ 苫小牧市街上空を南に向かう政府専用機(一部画像処理、2023年11月)

この日は南風。跨線橋を渡っているとき、新千歳空港のある北の方から上昇してくる航空機を見つけました。日の丸が見えるので、政府専用機です。

▲ 政府専用機の(推定)離陸コース

こんなコースで上昇してくることが多い気がします。「苫小牧市」と書いてあるあたりが市役所やJR苫小牧駅のある中心部で、ほぼその上を通ります。

新千歳空港から離陸した民間機は変針せずにぐんぐん高度を上げるので、苫小牧上空では米粒より小さくなっています。flightradar24で見ると、19Rから離陸すると海岸線あたりで高度5,000フィートを超えているようです。

▲ 海上に出る政府専用機(苫小牧市、2023年11月)

政府専用機の訓練飛行では、苫小牧市の中心部が「出口」になっているようです。flightradar24 に表示されないので高度を確認できませんが、スマホの広角カメラでこれだけ大きく見えるので、かなり低高度で飛行していることは確かです。

海に出たあと左に旋回していくところまでは視認できます。その後は北上してタッチアンドゴーをしているようですね。しばらくすると同じコースを同じ周期で戻ってきますから。

▲ 千歳ターミナルコントロールエリア(eAIP JAPAN の図を一部抜粋し加筆)

eAIP JAPAN (2 NOV 2023) に掲載されている千歳ターミナルコントロールエリアの図の一部を切り取り、着色・加筆したものです。

白抜き円(管制圏)の中心あたりが 千歳飛行場(RJCJ)/新千歳空港(RJCC) です。滑走路18Lから離陸する政府専用機は、千歳特別管制空域(Chitose PCA)を避けて機首を右に振るのでしょう。黄色に塗った Chitose PCA エリアは、新千歳空港を離着陸する民間機でとても混雑していますから。

PCA : Positive Control Area、特別管制空域(特別管制区)
航空法では「特別管制空域」ですが、AIPでは「特別管制区」となっています。


▲ 滑走路01Rに進入する政府専用機(苫小牧市、2021年11月)

機体はいつもピカピカ。


▲ 滑走路36Rから離陸した政府専用機(苫小牧市、2022年12月)

2019年4月に運用開始したこのボーイング777-300ER機は、以前の政府専用機(ボーイング747-400)に比べてエンジン音が静かなので、真上に来るまで気付かないこともあります。「ひこーき、おっきーい」と嬉しそうに見上げる子供たちもいれば、「低く飛んでて何だか怖いね」と心配顔のお母さんもいます。

世界中のさまざまな飛行場に向かう可能性がある政府専用機。初めて訪れる滑走路でも安全に着陸し離陸できるよう、日ごろから訓練を重ねておくことが大事なのでしょう。


※ 写真はすべて、やぶ悟空撮影

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