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根源に遡れば、AIは怖くない

「AIに将来仕事を奪われる職業リスト」みたいな記事がインターネットに溢れていて、AIによって職を失うことの不安が語られます。
 
AIは人間の存在理由を脅かす存在なのでしょうか?私は、人間が、その崇高な志を保っていれば何の心配も要らない、と思っています。
 
例えば
「世の中の貧困をなくし、全ての子どもたちに夢と希望を与えたい。」
「戦争の無い、全ての国が融和する平和な社会を実現したい。」
 
という志を持っている人が、仕事をAIに取って代わられたとしましょう。
 
「AIの発展によって、貧困・格差を解消する最適な分配が実現されるようになった。もう世の中には貧困に苦しむ子どもはおらず、皆明るい未来を描いてしまっている。私が生涯取り組もうと思っていた仕事をAIに奪われてしまった。」
 
「AIの発展によって、世界各国の文化摩擦や経済格差は是正され、戦争や暴力被害は地球上に存在しなくなった。世界平和を目指して邁進してきた私のキャリアはAIに取って代わられた。」
 
何と嘆かわしい恐るべき未来でありましょうか。
 
SDGsのような壮大な志に限定する必要もありません。
 
進学学習塾を経営している人。

「夏期講習の申込者を増やして年間売り上げを最大にしたい」と考えていましたが、無料でじゅうぶん便利になりつつあるインターネット上の教育リソースに脅威を感じたとします。
「子どもたちの『生き抜くための活きた知恵』を伸ばし、ひとりひとりの個性的な輝きを応援する教育を実現したい」という、より高いパーパスを掲げればどうでしょうか。
 
ラーメン屋をやっている人。

客の回転と売り上げ・利益率の最大化だけを目標にしていたならば、「ラーメンという食文化を通じて人々の食生活を豊かにしたい」と目標設定し直せばどうでしょうか。
 
目標を人間の崇高な動機におけば、そのジャーニーは永遠にチャレンジングで終わらない道のりとなります。
 
よくインターネット上に「工場の単純作業は最初にAIに取って代わられる」という短絡的な議論があり、的外れな議論だと感じます。「単純作業」は既に自動機械に置き換えられているので、近代の工場現場はより高度な組織的課題に苦しんでいるのです。
 
私は工場の生産技術者として、「従業員が幸せに働いて利益・成果も最大化するウィン=ウィンの生産組織を創り上げる」ことをライフワークにしています。そんな私は仕事をAIに奪われる恐怖を全く感じていません。
 
もしAIに奪われたならば、世界中の製造業が活気にあふれ、高品質な製品を誇りを持って安く安定供給する企業だらけになります。その時に私は喜んで引退します。
 
これらのことから逆説的に得られる示唆です。AIが隆盛する近未来においては、人間は、人類の高邁なあり方を問うことに人生の時間のより多くを集中できるようになる。そのことに準備できる人が、AI時代の幸せを謳歌できるのではないだろうか。


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