ポーカーと賭博
日本は、ギャンブルをするには非常に窮屈な環境です。定められた一部のギャンブルは可能ですが、それ以外は基本的に違法となります。
刑法第185条にて賭博が禁じられているからです。
ポーカーは世界中でプレイされており、そのほとんどが金銭を賭けた、いわゆるギャンブルとして認知されています。しかしながら、今、賭博が極端に制限された日本で、ポーカーが急速に流行り始めています。
その一方で、2023年9月には、オンラインカジノの生配信者が逮捕された後、オンラインカジノの決済代行業者が逮捕されるなど、警察の対応の強化が伺えます。
かかる状況において、ギャンブルと題されるものにつき、どのような法律的整理がされ、安全に遊ぶことが可能となっているのか、まとめてみました。
※本記事は、弁護士からの意見をもとに、弁護士資格を持たない私が執筆しています。一定の信用性はあるものと考えておりますが、本記事に依拠することは出来ないことをご理解ください。
日本において許容されるギャンブル
①公営ギャンブル
公営ギャンブルには、以下の5種があります。それぞれ、法律根拠があり、【金銭を賭けること】が許容されています。
競馬:「競馬法」、「地方競馬に関する条例」
競輪:「自転車競技法」
競艇:「モーターボート競走法」
オートレース:「小型自動車競走法」
宝くじ:「当せん金付証票法」
②パチンコ・パチスロ
パチンコ・パチスロは特殊で、【金銭を支払うこと】は許容されていませんが、【景品を提供すること】は許容されています。
【賭博】ではなく【娯楽】として整理されています。
法律根拠は、【風営法】です。【風営法】には1~5号営業がありますが、本記事に関係するのは以下の2つ。
■4号営業
麻雀店、ぱちんこ店など。遊戯設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業。
■5号営業
ゲームセンター、アミューズメントポーカー屋など。遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるものを備える店舗。
③海外カジノ・オンラインカジノ
オンラインカジノも同じで、国外犯の規定がありませんので、海外で適法にプレイすれば合法となります。しかしながら、【国内から接続】については、警察庁が、以下の見解を発表しています。
④大会
賞金が提供される例を、いくつか挙げてます。
・スポーツ(ゴルフ、テニス)の大会
・頭脳スポーツ(将棋、囲碁)の大会
例として東京マラソンを考えてみます。参加費(16,500円orUSD160)を徴収して、大会を開き、順位に応じて賞金を分配しています。
⑤”一時の娯楽”の範囲内
以下、刑法185条の原文です。
なお、一時の娯楽の定義は曖昧です。一般的には、食事をおごるなどに限定され、金銭の場合には少額でも一時の娯楽とは捉えられないようです。
ポーカー賭博の選択肢
では、日本人はどこでポーカーをすれば良いのか?
ノーレート(ポーカーアプリ、アミューズメントポーカー)は、本論点とは関係ありませんので割愛します。ただ、ポーカーはそのゲーム性から、多くの人が、できれば賭けたプレイしたいと考えているはず。私もその一人です。
くらいでしょうか。ちなみに、これ以外の選択肢も否定するつもりはありません。最も改善すべきことは法律だと考えています。
私見
ここからは、完全な私見です。
既にお伝えしている通り、今、日本人にとってのポーカーの選択肢は非常に窮屈です。もちろん、ノーレートのポーカーも楽しいです。
ただ、海外で大金を賭けて遊ぶポーカーの方が、好きです。そもそも、ギャンブルって悪いことではないですし。
私は、ポーカー(海外)、パチンコのほかに、不動産・株・FX・仮想通貨というギャンブルも大好きですが、これらの方がよっぽど動く金額は大きい。ポーカーでギャンブルをしてはいけない理由って何でしたっけ?
勿論、【法律を破ること】は悪いことです。しかし、【法律を変えること】は悪いことではないです。
ポーカーに関する法を、早期に整備すべきと考えています。
理由は以下の通り
・多くの国民(特に若者)が潜在的に望んでいること
・多くの雇用創出が見込まれること
・海外からの観光客数の増加が見込まれること
・外貨獲得手段となること
現在、日本経済は多くの課題に直面しています。だからこそ、経済的振興と国際的な観光資源の開発の両方を達成可能な、ポーカーに関する法律整備を真剣に検討する価値はあるものと考えます。
タイムリーに、本記事の執筆日(2023年10月23日)に、首相が経済への注力を強調しています。
今の公営ギャンブルは、昔、それらを合法的に遊びたいと望んだ人が多かったから、法律が整備されたものです。多くの国民が望めば、それに合わせた法律を作る、というのは民主主義の国なので当然のことです。
ポーカー賭博を成立させる方法として、
・公営ギャンブルにする
・ぱちんこ店のように景品を出せるようにする
・そもそもの賭博法を見直す
それぞれ、検討すべきと思います。
ある程度の民意が集まれば、一部の政治家が動き、法律を変えることができるかもしれません。ポーカーの国内のプレイ人口は、現在100万人以上いると言われています。100万人が望めば、十分に実現可能になるのではないでしょうか。(公営ギャンブルであるオートレースの参加人口は約60万人)
法律家でも政治家でもない私が、法律を変えるために少しでも寄与できることは、【法律を変えることのメリット】と【法律を変えるのは民意であること】をできるだけ多くの方にお伝えすることと考えました。「法律変わったら面白くなる」という考え方の人が、一人でも増えればよいなと考えながら、この記事を書きました。
私の意見と合わない部分がいくらあったとしても、【法律を変えたい】という一点につき、同意できるという方へ。できるだけ拡散いただけますと、幸いです。
おまけ
カジノ法案(IR: 統合型リゾート)を待てばよいではないか、という意見もお聞ききしますが、私は以下のように考えています。
・IRはタイムラインが読めない。IR施設は大規模な不動産開発を伴うので、実際に遊べるようになるのはいったい何年後だろうか。
・IRは良いポーカー環境とならない。日本がモデルとしているカジノはシンガポールですが、シンガポールIRのポーカー環境は悪いです。最近の事情は分かりませんが、5年前はマリーナベイサンズにポーカーテーブルは無く、リゾートワールドで2テーブル稼働している程度でした。理由は簡単で、カジノ側としては、ポーカーはテーブルゲームの中で収益が低く、あまり場所をとりたくないからです。
⇒テーブル数は絞られ、ウェイティングが長く、レーキが長い、プレイしにくい環境になる可能性が大きい
勿論、IRは出来ればそれはそれで喜ばしいことですが、IRとは切り分けた法律整備を、した方が良いのではないか?ということです。
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