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壊すということ


年度が切り替わる頃、私は彼に別れを告げました。

きっと桜が咲いたら、
一緒にお花見をしようと声をかけてしまうから

私の本音が霞む前に、別れを切り出しました。


私から振ったくせに、
電話で伝えたあとは涙が止まらなくて
彼の誕生日を祝った時に買った皿を見ただけで

私の一人暮らしの家にあるには多すぎる箸や
一緒にサッカーを見に行った時に着てた
おそろいのユニフォームが
しばらく畳んだままになってる姿を見るだけで…

身勝手で自己中なのでは、と思ってしまうくらい
なんだかずっと悲しくて悔しくて

過去の楽しかった思い出を苦しいものに
辛かったこともまだ耐えられたのではないかと後悔したり

全てを壊したのは

別れを告げたこの私である。


彼なりの優しさを受け取れなかった私

私の苦悩を素直に伝えられなかった私

全てがもう遅かったね、ごめんねと
毎日、毎時間、毎秒考えて

目を閉じれば涙になって流れてくる。

私は今まで、振る方は目がカラカラ、
もう次の恋愛しよう!とハツラツと生きていけるのかと思ってた。

なのに、涙は永遠に出るし
体は鉛のように重いし、
彼は今何してるんだろうと考えてしまう。


私を変えるため、
私を取り戻すために決めた別れがこんなにも
苦しいなんて知らなかった。

喧嘩別れじゃないことが救い、かと思いきや
生き地獄そのものである。


何かが壊れたわけじゃないのに、
壊してしまった。

日常も、幸せも、未来も。


そんな私は許されないことを分かっているから。
ちゃんと償いをしていくから。

どうか彼は幸せに生きて欲しい。
私じゃ支えきれなかったあなたの尊い人生を。

その支えることを知らない誰かに任せることになったのはすごく悔しいけれど。

私以上にあなたを理解することが出来て、
信用することが出来て、
笑わせてくれる人がきっと現れるはず。

だから、私に未練を持たずに先に行って。


そう言いたいところでしたが(おい)

今でも彼と遊ぶし、お酒も一緒に飲みますよ。

恋人だからこそできたこともあるけど、
元恋人だからこそできることもある。

嫌われたくないフィルターが無くなったので
好きなことを言い、好きなことをします。

とっても楽だし、付き合ってる時にこれが出来てたらきっとまた違いましたね。


でもそれも、今更です。
もう次に進むしかありません。


本っ当に彼が運命の人なら、また出会います。

もしそうなら、その時までには見た目も中身も磨いて
一人前になっていたい。

これからも、私は私を生きて行きます。

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