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【連続小説】#19 生焼けと炭化の間で

勘違いこそ男の本質

座席は確かに満席だが、立っている人は少ない。
そんな電車内で「えんむすび」の御守をつけた女性が僕の前に立った。
いくらでも空いている車内でわざわざ僕の前にだ。
男なら気にしないやつはいないだろう。
妙に意識してしまう。
その女性は隣の席が空いたので座った。すぐさま男性が私の前に立った。

どうやら僕の貫禄不足ですぐ降りる学生だと思われていただけのようだ。

人生は儚い。

つづく

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