砂金➖詩

 私の好きな物書きが言った
「しあわせは、川の底に輝く
 砂金のようなもの」
 愛も似たようなもので
 鮮烈さなど要らなかったと知った

 さんざめき蕩けるような川の底
 目を移ろわせれば反射して輝く砂金
 一粒ずつ拾ってください

 人を愛せたことは
 同時に大きな悲しみが
 確約されたようなものだ

 だけどその砂金の輝きを見つめていると
 見つめていると

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