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ハク
2024年5月15日 23:31
私の好きな物書きが言った「しあわせは、川の底に輝く 砂金のようなもの」 愛も似たようなもので 鮮烈さなど要らなかったと知った さんざめき蕩けるような川の底 目を移ろわせれば反射して輝く砂金 一粒ずつ拾ってください 人を愛せたことは 同時に大きな悲しみが 確約されたようなものだ だけどその砂金の輝きを見つめていると 見つめていると
2024年5月7日 16:47
鋒を君に突き立て流れ出るは生命
2024年4月2日 12:15
いつから 僕は籠の中にいたのだろう 抗菌室にも似たそこは あなたはここでしか生きられないと 教えるひとだけが居る 籠の中には 海も空もなくて この電車が どこへ行こうと構わなかった こうなっても僕は まだあの時の夢をみる 僕が鳥だった頃に 僕が何も知らなかった頃に 何かを知るために飛び出したとき あるいは ただ一瞬正気に戻ったとき
2024年4月14日 18:43
羊水の 懐かしいにおいを思い出している時間 空はもう 寝なければならない色をしている 暖かな陽だまりのにおい まだ僕たちがなにも知らなかったころ 君は何を求めているの あの頃は あの頃も 本当はなんにもいらなかった 暖かな匂いの中で漂っていたい もし僕が 人間の姿をしていたのなら あなたは僕を温もりで包んだだろうか ゆらめくような午前四時の きら
2024年5月5日 01:37
暁の空の色が溶けた海を見ていたさざなみは私をまた一人にしたもう行く先はない滅びゆく体 腐りゆく体液寂しさにほんの少しミルクを注いだような波の音ゆらめいて消える ゆらめいている私は 本当にここに来たかったのだろうかみんなどこに向かっているの?燃えるような朝日も芯から凍えた私を置き去りにする指先はぎこちなくここは終点、行く先はない。この広い浜辺に閉じ込められてい