雪泉

こんな夢を見た

雪泉

こんな夢を見た

最近の記事

Time waits for no one.

∵第八夜∵ 瞬く間に時が過ぎてしまう 先日まで綺麗に咲いていた紫陽花も 今や色褪せ、雨が続く中たまの晴れ間には蝉が鳴き始めている フル在宅だった仕事も出社率を変動させながら不規則に出社に変わっている 慌ただしい毎日である そうそう、先日24歳の誕生日を迎えた 毎年誕生日には友人たちが祝いのメッセージをくれる 大人になった今でも覚えてくれていて、 祝ってくれる友人がいるのはいいものだな、と毎年温かい気持ちになるのだ 中学以来の友人が、 「私達が出会って10年が経つ」

    • 或夜

      ∵第七夜∵ しとしとしと 雨音が静かに響いている ここ最近暑かった気温もどこへやら ひんやりとした風が開け放った窓から流れてくる こんな日にお香を焚いて、ゆるゆると立ち上る煙を眺める 行燈の淡い光がぼうっと辺りを照らす 窓下にはモコモコとした紫陽花が咲き乱れ、 煙は細くたなびいて夜の帳に吸い込まれていく こんな夜は実に風流だろうなと想像する 残念ながら、アパートの我が家には紫陽花は咲いていないし、お香もアジア雑貨のお店で買ったものしかないのだが、これは結構煙たい香り

      • 八重山吹

        ∵第六夜∵ 夜、窓辺のベッドで窓枠に身体を預けて ただ、夜を眺める ひんやりした風が通り抜けてカーテンを揺らす 昼、教室の窓辺の隅っこ、陽だまりの中に佇んで、何となく心地いい喧騒を聞き流す 柔らかな風が吹き込んでくる 朝、不思議と目が覚め、サンダルで外に出て朝焼けを見上げる 凛とした空気が肌を刺す こんな時間がずっと続けばいいのにと思う 時間帯によって空気の匂いは違っていて、どの匂いも脳裏で記憶と結び付いている 忘れていた時間が、ふと嗅いだ匂いで花開くように蘇って

        • 欲望のままに、悪事の限りを尽くすのだ

          ∵第五夜∵ せめて1週間くらいは毎日書こうと思っていたのに、早くも2日空いてしまった... というのも、珍しくこの週末は絵を描くのに熱中して作業していたのだ やっぱり好きに忠実でなければ何も作れない やり始めるとやり終えるまで他のことは手につかないド集中型人間なので、ごはんも作りたくなければ寝る間も惜しい、 当然仕事もしたくない(これはいつもだが) 社会人になると如何せん時間が無くて困る まだ完成してはいないが、仕事もあるのでかなり不本意ながら中断している... 次の週

        Time waits for no one.

          承認欲求の解

          ∵第四夜∵ 今の時代、自分の本体が在る場所を飛び越え、ネット上であらゆる繋がりを持つことができる TwitterやInstagram、数ある媒体の中には無数の繋がりが絡み合っている これは手軽に発信でき、新たな道はへの端緒を掴むことが出来るということ 自分が今在る場所からは縁遠いものごとも身近に感じることができるということ それ故に、世界が広がる 井の中の蛙だったと知る 自分にとって価値あることがネット上では取るに足らないことだったと 得意だと思っていたことが上を見れば

          承認欲求の解

          三ノ香、焚きあがりました

          ∵第三夜∵ 今夜は香りの話をしよう 時は昔高校2年のあくる日、 わたしは【モノノ怪】というアニメに出逢う オムニバス形式の和製ホラー作品だ 各話和紙のテクスチャなのだが、それぞれ美術テイストが異なるのだ 素性不明な薬売りが、遭遇する怪を解く、というのが話の筋なのだが、 この作品の魅力を文字だけで表す術をわたしは持ち合わせていないのが心苦しい... ストーリーの麗しさや切なさ、薬売りさんのかっこよさは勿論のこと、とにかくその世界観の虜になってしまうのだ 開花しつつあったわ

          三ノ香、焚きあがりました

          岁寒三友

          ∵第二夜∵ ところで、わたしの名、雪泉とは中国語である 拼音で表記すると、xuě quán 何故中国語の名前にしたのか? 答えは簡単、今中国語を勉強中だから きっかけは研修で仲良くなった中国人の友達と中国語で話してみたい、1人で大好物の小籠包を食べに行けるようになりたい!と思ったからだった でも元を辿れば、小さい頃よく母と一緒に見ていた中国大河ドラマの影響かもしれない あのシャオシャオした発音の響きが何だかずっと好きだった 雪泉とは、中国の子が考えてくれた名前なのだ

          岁寒三友

          こんな夢を見た。

          ∵第一夜∵ いつから夢を見られなくなったのか? 大人になって気付けば あらゆる義務に絡め取られている 仕事、生活、その他もろもろ 好きだったことでさえ 毎朝仕事に行かなければ 洗濯と掃除をして夕飯を考えなければ もっと上手に出来るようにならなければ もっとちゃんとしなければ もっと、もっと、もっと....と思ってしまう もう、しなければの大洪水である わたしの中に大洪水から逃れられるような場所はないというのに! この前、絶対!こんな仕事!辞めてやる! と思った 奨

          こんな夢を見た。