テレワークの恐ろしさを知った日

まだ幼いころ、「サービス残業」という言葉は良い意味を含んだ言葉だと思ってました。

締切まで頑張っても作業が終わりそうにない。残業すれば終わりそうだけど残業は原則禁止である。

そんなときに、特別に定時の範囲を超えて仕事をしてもいいという許可が降りることが「サービス残業」だと思ってました。


さて話は変わって、今の自分の上司はとってもやさしいひとです。

残業をいっぱいしてると「無理して残業しないで、なるべく定時で帰ってね」と言ってくれるし、体調不良で休んだ人がいると「みんなも調子悪いときは無理せず休んでね」と言ってくれます。

だが待ってほしい。

そもそも残業をしてる理由はなんだ? ちょっと熱っぽくても栄養ドリンク飲んで無理やりパソコンにかじりつく理由はなんだ?

あんたらが振る仕事量が多いからじゃろがーい

仕事量が少なかったら言われなくとも残業なんかしないし、体調悪かったら遠慮なく休むわーい



昔、父の友人から、「車に鍵かけないでちょっと外出て戻ってきたらヤクザっぽいのが運転席に座ってた。ヤクザは別にどいてほしければ金よこせなんて言わずひたすら世間話をするだけだった。このあと急用があって警察呼んでる暇がなかったからやむを得ず財布から金出して渡したら車から出ていった」という話を聞いたのを思い出しましたね。

ここで重要なのはヤクザは結果的に金を受け取ったけど、自分の意志で受け取ったわけではないということです。

先ほどの上司の言葉も同じです。

上司は決して残業しろとも休日出勤しろとも休まず働けとも言いません。

でも納期というのは存在し、金を貰っている以上それに間に合わせなきゃなりません。

残業はともかく、日をまたいだ深夜残業や、休日出勤なんて許可がないとしちゃいけません。

そこで最近現れたテレワークが真の恐ろしさを見せる訳です。

テレワークが始まったとき、自分は単純に「出社が無くなってラッキー」程度にしか思ってなかったのですが、出社が無くなるとは逆を言えば退社も無くなるということです。

つまり終電という概念が消え、自宅が勤務地となった以上、平日休日の垣根を超えた無限の労働時間が与えられてしまった訳です。

あとはもうお分かりでしょう。記事のタイトルと冒頭の文章のとおりです。

もしなにかしらの理由で「それ」をしてたことがバレたら上司はたぶん怒るでしょうね。「勝手にそう言うことはするな。無理して作業するなって言ったじゃん。残業はなるべく控えろって言ったじゃん」と。

……つい先日、進捗が遅れてる今の状態を見て「あれだけ時間あってなんで遅れてるの?」って言ってきたくせに。

あなたのその場で思いついたような指摘で増える仕様変更や追加機能が、1日2日で対応できますかって話ですよ。

さらにこんな状況だってのに、同じチームの人が「表向きの残業時間」が70を超えてパンクしたため、その人が抱えてた作業がこっちにやってくるそうです。こわいなー。

さて、どう戦ってくれるかのう?(ザンボット3)


新型コロナウイルスのせいで多くの人が仕事が無くなって困ってる中、なんで自分は膨大な仕事量に頭を悩ませてるのでしょう。

これが世のSEにとっての普遍なのでしょうか?


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