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忍殺TRPGリプレイ【トゥ・プエデス・ヴェニル・ア・ミ・カサ】02

 前回のあらすじ:ネオサイタマ、キララ・ストリートをねぐらとする女ニンジャ・ツインテイルズのもとにトラブルが舞い込んだ。巨大な黒猫が率いる野良猫の集団が、近隣から難民として追い込まれて来たというのだ。放置すれば縄張りが荒らされ、治安が悪化してうまくない。捜索し、交渉せよ!

 やがて猫たちの足跡は、地下下水道へ降りていく。ネオサイタマの地下に広がる広大な迷宮だ。地上とは異なる縄張りや生態系が構築されており、そこに住み着いて自活するだけなら問題はないが、地上のシマも荒らされてはこちらが困る。地域社会の顔役にアイサツもしないのはシツレイである。

「GRRRRR……!」「GRRRRR……!」下水道の奥には横道があり、大型の野良猫たちが見張りをしている。「ドーモ」ツインテイルズは進み出てオジギした。礼儀は大事だ。「私はキララ・ストリートの野良猫たちの長、ツインテイルズ。ここのオヤブンにアイサツに来たの。手土産にマタタビも……」

 見張りの猫たちはコマイヌめいて吠え猛り、通そうとしない。言葉は通じているのかも知れないが、追い立てられて気が立っているのだ。よく見れば肉体には新しい傷跡もある。「通してくれや。オヤブンに恥かかす気か?」キルトゥースは凄むが、彼の言葉は猫たちには通じぬ!一触即発!

「手出し無用ニャ……」ツインテイルズは進み出て、マタタビ入りの手巻きハッパをくわえ、吸い、「スゥーッ……」煙を吹きかける!「ニャーッ!」BOOOM!レッサー・ゼゲン・ジツだ!「「MEOWARGHHH!」」見張り猫たちはマタタビとハッパのにおいにやられ、腹出し降参!ニャムサン!

「どんなもんニャ!」ツインテイルズは勝ち誇る。見張り猫たちは白目をむき、あぶくを吹いてぐったりしている。「口臭がヤバかったんじゃねェか」「シツレイニャ!」「じゃ、行くぞ」3人は見張り猫たちを脇へ寄せ、いよいよ謎の巨大黒猫たちのアジトへと潜入する!カラダニキヲツケテネ!


???

 下水道の横道をさらに奥へ進むと、やがて大広間に出た。そこには無数の廃棄コンテナが積み上げられ、その上からは何十匹もの猫が光る目でこちらを見下ろしている。広間の中心には黒い毛皮に覆われた巨大な猫が鎮座し、知性を宿した輝く目で尊大にこちらを見た。そしてアイサツした。

『ドーモ。我はこの群れの長、バンゴローです』

by Bing Image Creator
◆バンゴロー(種別:ニンジャ/危険生物)
カラテ       8    体力       14
ニューロン     4    精神力       4
ワザマエ      4    脚力        5/N
ジツ        4    万札       10

攻撃/射撃/機先/電脳  8/ 4/ 4/ -
回避/精密/側転/発動  7/ 4/ 4/ 8
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0

◇装備や所持品
△ネコの爪牙:ダメージ2
△ネコの下半身:3マス以内の好きな地点へ一直線に飛行移動
 そこに敵がいれば轢殺1を与えて押しのけ、難易度+1で攻撃可能

◇ジツやスキル
☆ヤマネコ・ニンジャアニマル、ジツLV4
 ◉頑強なる肉体:体力+2
 ★◉異常巨体:体力+4、回避ダイス-1、側転難易度+1
 ◉即死耐性
 ◉常人の三倍の脚力:脚力+1、側転難易度-1
 ◉疾駆:通常・全力移動マス+2

●連続攻撃2
●脆弱性:火炎(精神力2)

能力値合計:24

 元シナリオのは強すぎるため、モブエネミーのメキシコライオンをベースにしてそれらしく作ってみました。ヘンゲヨーカイ持ちや「大型」ではありませんが、ニンジャソウル憑依の影響で永続的な異常巨体を持ち、常人の三倍の脚力で飛び回りながら恐るべき連続攻撃を放ってきます。そこらのサンシタやツインテイルズ単体ならネギトロでしょう。しかしハイデッカーの数の暴力には敵わず、群れごと逃げてきたというわけです。元シナリオには黄色い目とありますが、Bingで作ったら青くなりました。

 彼……あるいは彼女の意志の声は、3人には伝わる。ニンジャなのだ。そしてアイサツされれば、ニンジャはアイサツを返さねばならない。「ドーモ、私はキララ・ストリートの野良猫たちの長、ツインテイルズです」「護衛のキルトゥースです」「同じく、シャープフィンガーです」『何用か?』

 バンゴローは尊大に問うた。『マタタビのにおいがするぞ。我らに貢ぎ物を差し出し、服属しに来たのか?』「ええと……手土産は持って来たけど、服属しに来たわけじゃないニャ。あんたたち、よそからハイデッカーに追われて来たんでしょ? じゃあ、対等の共闘関係を結ぼうと思って……」

『まずはマタタビだ』「ニャッハイ」ツインテイルズはポケットからマタタビを取り出した。『それを持って我が足元にひれ伏し、忠誠を誓うがよい。そうすれば貴様らを庇護してやる』「……それは、できないニャ。ここはもともと私たちの縄張りで」『ならば、戦って屈服させる。異存はないな』

 バンゴローは交渉に乗ろうとしない。野生の本能と、ニンジャソウル憑依によって自我を肥大化させているのだ。「……どうする」「……やるしかないなら、やるしかないニャ!」一触即発アトモスフィア!

戦闘開始

1ターン目

イニシアチブ:シャープフィンガー/SF(7)→ツインテイルズ/TT&キルトゥース/KT(5)→バンゴロー/BG(4)

SFは集中して論理射撃[6115][2563]成功。BGは[21][3]命中!体力14>12!
TTは接近してレッサー・ゼゲン・ジツ(精神力4>3)、即応ダイス5をつぎ込む!12D6[351625522661]6成功。BGはニューロン4で対抗判定[4464]4成功。BGは戦闘終了まであらゆる判定難易度-1!

「TAKE THIS!」BLAMBLAM!シャープフィンガーはLAN直結型ハンドガンを論理射撃!『グワーッ!』バンゴローは躱しきれず命中!「スキアリ!」ツインテイルズは接近して手巻きのハッパを吸い、巨大黒猫の顔面に煙を吹き付ける!「ニャーッ!」BOOOM!『グワーッ!』バンゴローは悶絶!

KTは集中し論理射撃[135][532]成功。BGは回避難易度H、[15][54]回避!
BGはTTへ集中&連続攻撃、難易度H>N。[1145][2646]2成功、2成功&殺伐[3]急所破壊!TTはアドレナリン・ブーストし(精神力3>2)[243][434]回避!

「TAKE THIS!」BLAMBLAM!キルトゥースも論理射撃!だがバンゴローは野生の直感で銃弾を躱す!『許さん!死ねーッ!』巨大な腕を振り上げ、ツインテイルズへ振り下ろす!アブナイ!どくん……ツインテイルズはアドレナリンを過剰分泌し、「イヤーッ!」紙一重でブリッジ回避!ワザマエ!

 バンゴローの率いる群れは、ニンジャ同士の恐るべきイクサに介入することなく、じっと見守っている。ウカツに手出しすればネギトロであろうし、バンゴローも手出しを許しはすまい。3対1、勝負の行方は、果たして!

2ターン目

SFは…銃を納めて側転&カラテ[436162][2526]2成功。
BGは回避H、[22]命中!体力12>11!
TTはSFの背後に隠れてトロ粉末を吸引、精神力2>4に回復。

「イヤーッ!」シャープフィンガーはツインテイルズをかばいつつ、バンゴローの懐に飛び込みカラテ!SMASH!『グワーッ!』命中!だが頑強な巨体にはさほど通じぬ!「ハァーッ、ハァーッ!ちょっと待ってて!」ツインテイルズは目を血走らせ、懐からトロ粉末を取り出してSNIFF!遥かに良い!

KTは銃を納めてTTをかばいつつ側転&カラテ[343266][26113]1成功。
BGは回避H、[46465]回避&迎撃!KTは[231]命中!体力4>3!
BGはKTへ集中して連続攻撃[1244][1525]2成功2発。KTは[2513][3666]回避&迎撃!BGは体力11>10!

「イヤーッ!」キルトゥースはバンゴローへトビゲリ!『ニャめるな!イヤーッ!』バンゴローは苦悶しながら対空ポムポムパンチで迎撃!SMASH!「グワーッ!」『グワーッ!』両者にダメージ!だが体格の差でキルトゥースの方がダメージは大きい!このままでは押し切られかねぬ!「クソッ!」

3ターン目

SFは側転&カラテ[521146][4655]3成功。BGは[354]回避!
TTは…集中してネコ・スウォーム・ジツ発動(精神力4>3)[4352451]成功。1D6[3]攻撃失敗、しかしBGの集中を乱す!

「イヤーッ!」シャープフィンガーのカラテ!『イヤーッ!』バンゴローは跳躍回避!ツインテイルズは……フエを取り出し、思い切り吹き鳴らした!ピィイイイーーーッ!その音色はバンゴロー率いる猫の群れをざわめかせ、まっしぐらに呼び集める!これがネコ・スウォーム・ジツだ!『ヌウッ?』

KTは側転&カラテ、即応ダイス4をつぎ込む![622611][165223555]5成功。BGは[4533]回避!跳躍移動しTTへ轢殺&連続攻撃、攻撃難易度H>UH![6613][2516]2成功&殺伐[6]即死、1成功。KTがかばう!アドレナリン・ブーストして(精神力4>3)緊急回避ダイス7をつぎ込む![352][646446][353412]回避&迎撃2発!BGは2ダメージを受け体力10>8!

「スキアリ!イヤーッ!」キルトゥースは渾身のトビゲリ!『イヤーッ!』バンゴローは紙一重で跳躍回避し、ツインテイルズへ飛びかかる!アブナイ!どくん……キルトゥースはアドレナリンを過剰分泌し、ツインテイルズを引っ張りかばう!「イヤーッ!」迎撃のキック!SMASH!『グワーッ!』

「ハァ、ハァ……まだやるか!」『GRRRR……!』バンゴローは怒り狂って喉を鳴らす!だがこのまま戦えば、誰かが殺されかねぬ!そうなれば……!「マッタ!」ツインテイルズがマッタをかけた。「ここまでにしよう。私はあなたと交渉して、共闘を持ちかけに来ただけ。命の取り合いはしない!」

???

交渉判定、難易度UH。TTは精神力1を消費し(残り3>2)難易度をHARDに下げる。ネコ・ニンジャクランなので発動値で判定、[4135344]成功。

 ツインテイルズはバンゴローの目をじっと見つめ、ジツの力も借りて必死で説得する。周囲ではバンゴローの群れの猫たちが座り込み、じっと見守っている。キルトゥースとシャープフィンガーはカラテを構えて威嚇する。やがて……バンゴローは怒りを鎮め、うなずいた。『よかろう。ここまでだ』

戦闘終了

エピローグ

 単独で3人のニンジャと対等に渡り合ったことで、バンゴローのメンツは守られた。とはいえこれ以上戦えば、双方に無視できぬ被害が生じ、怨恨が生まれる。それは、うまくない。力で屈服させるだけではハイデッカーたちと同じだ。対等に共闘関係を結び、ともに外敵と戦うのが一番良い。

 バンゴローは部下にスシを持ってこさせる。互いに負傷を回復させねば。「わかってくれてよかったニャ。じゃあ、マタタビ・パーティーしよう!」ツインテイルズはマタタビをばらまき、フエを吹いて踊りだす。つられて周囲の猫たちやバンゴローも踊りだした。少年ニンジャたちも踊りだす。

 不思議な音色とダンス、マタタビとハッパのにおいが、野良猫たちの気持ちを解きほぐした。……かくして両者は共闘関係を結び、バンゴローたちは地下下水道にねぐらを得るかわり、互いのシマには干渉・侵略しないことが取り決められた。そして外敵に対しては一致団結して戦うことも。

 しかし、問題はこれで解決したわけではない。ハイデッカーたちは周囲の浄化作戦を継続しており、キララ・ストリートには難民が押し寄せている。いずれストリートは包囲され、囲んで棒で叩かれるだろう。そうなれば地上の民は、バンゴローのシマである地下下水道に避難することになる。

 内外に緊張関係を孕みつつ、ともあれ両者の和解は成った。混沌の魔都ネオサイタマの片隅で暮らす野良猫たちに、安住の地はあるのだろうか……。

【トゥ・プエデス・ヴェニル・ア・ミ・カサ】終わり

リザルトニャ

評価: バンゴローを倒せなかったが、ある程度のダメージを与えて互いのメンツを保ち、共闘関係を結ぶことに成功した。報酬は特にないが、名声+1と余暇3日を獲得。

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