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福娘って何者?-金崎宮の花換祭り-

金ヶ崎の小高い山の中腹には、金崎宮という神社があります。春になるとたくさんの桜が咲くこの神社には、花見に多くの参拝者がやってきます。「かつては境内で宴も開かれていたんです」と、さらりと語る宮司の田村さん。なんてフランクな神社なのだろうと驚きます。そんな金崎宮で行われる春のお祭りに「花換祭り」と言う桜の小枝を交換するお祭りがあります。

金崎宮がなぜこんなにフランクなお宮さんなのか?はコチラのインタビューをご覧ください。

さて、花換祭りは全国的にも珍しいお祭りのようですが、その中でも今回注目したのが、祭りの時期だけ現れる「福娘」。この福娘の特徴はなんと公募で集められところです。かつては市外、県外からも応募が来ることもあったといいます。(今年度は新型コロナウイルス感染症対策のため、市内在住者に限られました)

〈福娘🌸募集中〉 . 令和3年度...

Posted by 敦賀駅交流施設オルパーク on Wednesday, December 23, 2020

この福娘とは一体どんな存在なのかと気になり、今回は敦賀観光協会と金崎宮の協力のもと、福娘の活動に密着させていただきました。

密着の様子はRCN(嶺南ケーブルネットワーク)内のコーナー「私の敦賀note」でもご紹介しています。

研修会に潜入!

今年度の福娘が決定すると、まず行われたのは福娘の研修会。書類審査で選ばれ5名の福娘が、この日初めて顔を合わせました。

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早速衣装に着替え、研修会スタート。まずは田村宮司から、金崎宮と花換祭りの歴史、そして福娘の存在について説明を受けます。

「福娘は巫女とは少し違う」と語る宮司は、稀な立場の福娘が一番大切にして欲しいのは、「自分が一番楽しむこと」と心構えを語ります。格式高い神事とも、興行とも異なる、全国的にも珍しいと言われる祭りの、不思議な性質が見えてきました。

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歴史を知った後は、正式な衣装をまとい、花換の練習をします。宮司から直接レクチャーを受ける福娘たち。最初こそ戸惑いを感じましたが、段々と福娘らしい振る舞いを身につけていきます。

例年は、小枝ごと交換をしていた花換祭りですが、今年度は花を重ねて想いを交換。宮司は、時代に合わせ、祭りの形式を常に検討し続けていると言います。形式に囚われないところもまた、金崎宮らしさを感じます。

RCNのスタジオに潜入!

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福娘の活動2日目は、地元のケーブルテレビRCNでのPR活動でした。この日は三人の福娘が代表して、市内の新聞社やテレビ局を回ったそう。普段は市外・県外のメディアにも足を運ぶそうですが、今年は割愛。地元でのPR活動に注力したようです。

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3人とも、こうした活動が初めてとは思えないほど、カメラの前でも堂々としています。そしてこの日、写真左と右の福娘は私と同い年と発覚。敦賀市出身の二人は、なんと同級生で、福娘をきっかけに再会したのだとか。

応募の動機を聞いてみると、「幼い頃から、福娘に憧れていた」とのこと。地域の子供たちの憧れの存在となり、受け継がれてきた福娘の素敵なストーリーを知ることができました。

神事に潜入!

4月1日、ついに花換まつりがスタート。初日は、参拝者との花換ではなく、「初日祭」という神事が執り行われました。

「初日祭は、神様に今年の福娘を紹介する神事。この儀式を経て、福娘たちは本当の意味で福娘としてのお務めが始まるのです」と、宮司。先日までの和やかな雰囲気とは変わって、厳粛なムードの中で神事が進みます。

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普段は入ることのできない、本殿の中で神事の様子を特別に見学させていただきました。本殿の神聖な雰囲気に、福娘たちにも緊張感が漂っていました。

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神事を終え、緊張感から解放された二人にRCNのコーナーではインタビューもおこないました。この翌日から、4月15日まで、彼女たちは笑顔で福娘の役目をこなしていました。

役目を通じて地域や社会を知る

一般の女性たちが、PR活動や神事に参加する「福娘」というお役目。福娘の活動を通して、きっと人生でなかなか見られない景色を見られるのではないかと、この役目の面白さを感じました。

今年は、市内在住者に限られましたが、市外の人が福娘期間だけ敦賀に滞在するという体験ができるなら、役目を通じて敦賀の様々な面を知っていただける貴重な期間になることもあるのかもしれないと思いました。

来年はどんな福娘に会えるのか。一年後の花換祭りが今から楽しみです。

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