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行政書士試験合格のために「やらなかったこと」


肢別周回至上主義という宗教からの脱却

この時期、行政書士試験の合格者がガンガン有料記事を出して「ぼくの/わたしの勉強方法」を公開しています。Youtubeにもたくさん出てきています。

多くは肢別を高速周回する話だと思うのですが、クマはその肢別周回至上主義に苦しめられた一匹だったので、その風潮に一石を投じたいと思い記事をおこしました。

題して、行政書士試験に198点で合格した自分が「やらなかった」勉強方法を無料でお伝えするのであります。

世間では肢別を何周したとか、フルカラー印刷だったかなと思うほどにマーカーで塗られた六法とか、付箋で厚みが2倍になった教科書とか、そういうのを見せて「ここまでやらないと受からない」と教示しているサイトや動画が多くありました。

クマも受験勉強中はそういう動画を良く見ていて、フォーサイトの五肢選択式問題集が手元にありながらも動画に感化されてしまい、「やっぱ肢別やらないとダメなのかな……」と思い込み、肢別問題集を買ってしまいました。そのため最初のうちは肢別問題集をやっていましたが、超スローペース。2カ月で1周終わったレベルでした。

そのため、「ここまで早く周回するの無理だからまあ落ちるやろうなぁ……」と思っていましたが、結果は合格。そう、やれなくても問題なかったのです。動画やサイトに惑わされ過ぎてたわけです。

そこで、合格までに自分が「しなかったこと」だけお伝えしたいなと思いました。これは、クマと同じように「しなければ合格できる」と言うものではありません。あくまで上記の手法が「自分に」合わなかっただけ、「自分は」それで合格したというだけであって、上記のようにすることを否定しているわけではありません。ただ、「肢別周回至上主義」みたいな風潮はちょっと否定したいかなと思うのです。

……あはっ、あはっ、「勉強法を公開しちゃうぞクマさん」になっちゃった……たはは……なっちゃったからにはもう……ネ?

やらなかったこと

①肢別問題集

自分はそもそも肢別問題集をほとんど使っていません。一周もしないうちに合わないと気づきました。憲法・民法・行政法と解き、会社法に入ったところで「問題が理解しづらい……」と思い、そこで五肢選択式のいわゆる普通の問題集に戻り、最終的にはそちらを5週しました。

つまり過去問を五肢選択式のそのままの形で解いていただけ。肢別じゃなくてもいいんです!たくさん周回しなくてもいいんです!

五肢選択式の方が文章の前後関係もつかめるため、より問題と答えを深く理解できたのかもしれません。そもそも、肢別を解いているときも稀に意味不明な問題がでてきて、五肢選択式の同じ問題を読んでみて初めて意味が理解できたパターンにも何回か遭遇しました。クマはそれで肢別から五肢選択式に戻りました。問題の形式の「合う・合わない」は確実にあると思います。

周回回数もあくまで「記憶の定着」が目的なのですから、「スピードこそ命!」みたいな風潮は良くないと思っています。特に令和5年の試験は、肢別を高速周回しただけでは合格できなかった試験と言われています。理解した上での周回をしなかった人は、おそらく合格できてないのです。

②六法にマーキング

ケータイ六法は何度も引きました。が、まっさらに近いほどマーキングはしてません。書き込みもあまりしてません。いっぱい読んでるなら、マーカーがなくったっていいんです! マーカーを引く時間の分だけ勉強できないのですから、マーカーに固執する必要もないのです。

③合格宣言

よく「周囲に受験を宣言することで自分にプレッシャーを与える、後に引けなくする」ということをおっしゃる方がいましたが、自分はしませんでした。完全秘匿です。同居人含む数名以外誰も知らないまま、突然合格を発表しました。

自分は何より「落ちたときに恥ずかしい」という想いが強かったのに加えて、「いきなり発表して驚く様子が楽しみ」というのもあったので隠すことにしました。

もっとも、自分の場合は代わりにここ、noteで「台湾有事に備えて~!」とか随分と大風呂敷を広げていましたので、こちらでの宣言が自分にはプレッシャーになっていた可能性はあります。

④ゲームをしない

「ゲームをしないことをしなかった」という意味です。つまりゲームしまくってました。最近よくあるゲームではバトルパスというものがあって、ゲームを長時間することでレベルが上がり、報酬が貰える仕組みになっています。わたくし、勉強期間中もゲームをしない日はありませんでした。バトルパスは全期間レベルMAXまで上げるほどにゲームしまくっておりました。

ただ、ゲームをするにも自分なりのルールを設けていて、「勉強を30分したら1試合する」「2時間勉強したらあとは自由に遊んでいい」という縛りをかけていました。それがモチベーションとなって勉強を続けられていたと思います。もっとも後半になるとそのルールを無視して勉強するようにはなっていましたが。

土日とかはどうしても気分が乗らなくてゲームばっかりしてた日とかもあります。そんなときでも、「まあそんな日もあろうさ」の精神、大事。そんな日もあろうさ。

⑤旅行に行かない

これも「旅行に行かないことをしなかった」です。旅行に行きまくってました。といっても日帰りできる範囲だけですが。もともと寺社仏閣めぐりが好きなので、神社やお寺に合格祈願しに行きまくってました。

神戸からバイクで伏見稲荷に行って山に登ったり、車で奈良の大神神社や葛城一言主神社に行ったりしてました。試験当日も神社に行きました。神頼みはアリだと思います。

⑥早起きして朝勉強する

わたくし、朝が弱い超夜型の夜行性熊でございましょう? 朝早く起きて勉強するとか、そそのかされてやってみたことはあるんですが、全く頭に入ってこず、1回やってみただけで二度とやりませんでした。

いいんです、朝勉強しなくても! 「夜型の人が無理やり朝早く起きても効率が悪い」というエビデンスもあります。夜型の人は夜、ちゃんと勉強すれば十分なのであります。

おわりに

きっと合格された皆さん、ゲームを封印して、六法が真っ黒になるまで書き込んで、付箋貼りまくり、肢別問題集を何十週したとか自慢されてることだろうと思いますが、前述のように、今年の試験に関しては「肢別周回だけでは落ちる試験だった」と言われています。

肢別周回の本旨は周回することではなく、周回で気づいた「自分が良く理解できてないポイントを改めて調べなおすこと」だと思います。その点では五肢選択式の問題集でもなんら変わりません。

つまり、誰かの勉強法はその人にとって最良だったというだけであって、あなたにとって最良である保証はどこにもないのです。

肢別を周回してみて、合わなかったら変えればいいのです。「肢別周回もできない自分はもうダメだ~」なんて落ち込む必要もまったくありません。肢別高速周回をしなかったクマは合格したのですから!

肢別周回至上主義信仰に陥ることなく、自分に合ったやり方で勉強しましょう。頑張ってね~!

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