冬の星空と牛スネ肉の赤ワイン煮込みキャンプ 〜夕宵編〜
今回は昼編の続きで、夕方から寝るまでの夕宵編です。
夕宵という言葉があるか知りませんが、時間帯的にそのあたりだったのでこのように命名してみました。今回も長くなりますが、写真多めで書きますのでお付き合い下さい。夕宵編は富士山の写真が多いです。
↓前回の昼編はこちら
多くの方に❤️していただき、ありがとうございます。
今回も途中から視界に・・・
天気も良くて風もほとんどなく、富士山が綺麗な最高の午後。
そんな午後に気持ち良くお酒を飲みながら雄大な富士山を眺めていたのだが、目の前の空きスペースに一台の車がやってきた。
「雪が残っているし不便な場所だから誰もこんなところに来ないだろう」と安心していたので少しびっくりした。その車は石川ナンバーのジムニーシエラで、運転席からは私よりも少し年上の男性が降り、助手席からは奥さんであろう女性が降りてきた。
「夫婦でキャンプか、うちではありえないな」と思っていたら、さらに中学生くらいの娘二人が後部座席から降りてきた。
これには「石川から2ドアのジムニーシエラで4人でやってきて冬キャン!?」とお供のワッシーと二人で驚いた。
石川からふもとっぱらまではおそらく4、5時間はかかるだろう。しかも思春期であろう娘二人を狭い後部座席に乗せて・・・
いつもなら視界に入らないように工夫するところだが、この状況は微笑ましいというか敬うしかなかった。
その家族は、だいぶ慣れているようで手早く小型のティピーテントを建て、その中に小型の薪ストーブをインストールしてた。どうやら娘さん二人は車中泊するようであった。なんて素敵な家族。
ちなみに、今回掲載している写真にはこの家族は写り込んでいないが、それはAdobe Fireflyで生成塗りつぶししているからである。
夕方の富士山
そんな素敵な家族を視界に富士山を眺めながら酒を飲んでいたのだが、酒を飲むとトイレが近くなる。今回設営した場所はトイレがとても遠かったので、私はトイレに行きたくなると散歩がてらカメラを持って撮影に出かけていた。
金山キッチン前の池はそこへ行くたびに違った雰囲気の逆さ富士を眺めることができた。これも天気が良くて風もほとんどなかったからだと思う。なんていい日なのだろう。
用を足してそのままテントへ戻るのももったいないので、遠回りして草原中央トイレ付近へ行ってみた。ここからの富士山もまた違って見える。ふもとっぱらは広大だから歩けば色々な方向から富士山が眺められてとても楽しい。
そしていよいよ赤富士
テントへ戻ると、それまで寒がっていたワッシーがテントの外に椅子を出して富士山を眺めて放心状態になっていた。まぁ彼も色々あったのでそうなっても仕方がない。シュッとした外見で性格もいい奴なのに、三連休の初日に私と一緒にキャンプしているのだからそれなりの事情があったと察して欲しい。
そんなしんみりした話はいいとして、しばらくすると日が沈んできて富士山が赤く染まってきた。この赤富士を見ることができるのが富士山キャンプの良いところの一つである。今回は少しだけ雲があったがこれはこれで良い。
せっかく綺麗な赤富士が現れたので、US土産の二本目であるHAZY IPAをいただいた。こちらのIPAの方がホップが沢山入っていて苦味のある柑橘系の味で、私は好きだった。こんなビールがスーパーに売っているなんてアメリカって素敵だ。円安と物価高が改善したらまた行きたい。
そして、赤富士も落ち着いてきて少し暗くなってきたところで、オイルランタンに火を灯した。この画が見たいがためにランタンスタンドを持ってきたし、売店で忘れてしまったパラフィンオイルも買ったのだ。なんて素敵な雰囲気なのだろう。いつまでも眺めていたい。
ディーナーの準備
赤く染まる富士山も堪能したところで、ディナーの準備を開始した。
牛スジ肉の赤ワイン煮込みだけでは寂しいので、副菜として「アボカドとブロッコリーと卵のサラダ」を作った。
ここで登場するのが今回3つ目のニューギアであるロスコの戦闘飯盒2型である。
本体側には水と卵を入れ、中蓋の上にはブロッコリーをのせる。それを薪ストーブの上に置いておけばゆで卵と茹でブロッコリーの完成。
なんて便利なのだろう。これは色々作れそうで楽しみだ。
マヨネーズとオリーブオイル、ぽん酢(味ぽんではない)、ガーリックソルト、コショウを入れて混ぜてから、そこにサイの目に切ったアボカド、茹でたてのブロッコリー、半分に切ったゆで卵を入れて和えれば「アボカドとブロッコリーと卵のサラダ」の完成。
次に牛スネ肉の赤ワイン煮込みの仕上げ。薪ストーブの上でコトコトと煮立っている中にウスターソースと醤油を入れて味を整えたらこちらも完成。
そして、今回のこだわりポイントの一つである、バケット専門店のバケット。
これはキャンプの朝にジョギングをして買ってきたものであり、バケットのみで勝負しているストロングスタイルのパン屋さんのものである。バケットだけでもう一年以上も繁盛しているのですごい。
このバケットを薪ストーブの脇で軽く温めて牛スネ肉の赤ワイン煮込みに添えた。
おいしく素敵な時間
準備も整ったのでディナーの開始。
ディナー用のお酒はワッシーが用意してくれたのたが、まず出されたのはシードルだった。
このシードルは長野県の南にある伊那市の醸造所であるカモシカシードルのものである。私も2年ほど前に伊那市へキャンプに行ったときに、その土地のものを飲もうと思い、そこに寄ったことがあるが、とてもオシャレな建物の醸造所で甘口のシードルが美味しかった。今回のシードルもその甘口だったのでワッシーとは好みが合う。このシードルを飲みながら食事をいただいた。
薪ストーブで3時間くらい煮込んだ牛スネ肉はホロホロになっており、とても美味しかった。ウスターソースを入れ過ぎてしまったのか少し味が濃い目だったが、スープをパンにつけて食べると丁度いい感じでお酒が進んだ。
サラダはこの組み合わせならば間違いない。さっぱりするようにポン酢を入れたのが正解で柑橘系の味がアクセントになっていた。こちらもお酒が進んだ。酒飲みのディナーはお酒に合うものに限る。
シードルを飲み終わるとワッシーが「赤と白どちらにしますか?」と言ってきたので、肉料理だし赤ワイン煮込みだしってことで赤をチョイスした。どちらも用意してくるとはなんて出来た後輩。
ワッシーが出してくれた赤ワインは、こちらも伊那市のもので、「檜 -ヒノキ- Merlot」だった。
私はワインをあまり飲まないので、このワインは初めて飲んだが檜の樽で熟成させたというだけあって確かに檜の香りがした。檜はとても香り強い木だが、丁度いい感じに香りが乗っていた。たまにはこんなお酒もいいなと思った。
さすがワッシー、私を楽しませてくれる。
そして、このワインを飲みながら話をしてディナーを楽しんだ。
夜景を楽しむ
2月10日は新月だった。
そのため、どうしても今回は晴れて欲しかった。晴れた方が放射冷却で寒くなることは知っているが、それよりも星が綺麗な方が良い。この日の夜は快晴で、暗くなると空にはだんだんと星が増えていった。
ここからは今回のキャンプの一番のお楽しみ時間である。
ワッシーにはテントで薪ストーブの番をしてもらい、私は19時30分ごろにカメラと三脚を持って一度目の夜景撮影に出かけた。
レンズは1月に来た時に20mmでは画角が広過ぎたと感じたのでFE 35mm F1.4 GMにした。
金山キッチン前の池に来ると、そこには満点の星空と幻想的な綺麗な景色が待っていた。私は場所を変えながら何枚も写真を撮った。
夜のコーヒータイム
撮影から戻ってくると、いかに暖冬と言えどふもとっぱらの夜は冷えるので体と手が冷えていた。
あまり飲みすぎると翌日にさしつかえるので、お酒はやめワッシーが焙煎した豆でコーヒーを淹れて暖まることにした。
今回の豆は「グァテマラ」である。昼間の焚き火で途中まで焙煎してあったものを薪ストーブで追加焙煎し、粗熱をとってから挽いてコーヒーを落とした。もう何回もやっているのでコツは掴んできた。
そして、そのコーヒーと一緒にふもとっぱらプリンを食べた。ふもとっぱらに来たら毎回食べているプリンだが、何度食べても美味しい。残念だったのは、ワッシーの淹れたコーヒーが薄すぎたことだった・・・。寝る前だからいいけど。
さらに夜景を楽しむ
薪ストーブに当たりながらコーヒーを飲むと体が暖まってきた。今夜は次の日のメインイベントに備えて早く寝ることに決めていたので、少し早いが寝る前のトイレがてら二度目の写真撮影に出かけた。
今度は空を広く撮りたかったのでFE 20mm F1.8 Gレンズで出かけた。
空には先ほどよりも沢山の星が見えていた。
さすが冬の新月の夜である。嬉しくなって時間と寒さを忘れて沢山の写真を撮っていた。最高の夜だった。ここで残念だったのは私の写真の腕か・・・
翌日に備えて
写真撮影を終え、また冷えた体を薪ストーブで暖めながら歯を磨きつつスマホの星空アプリを確認したところ、翌日の3時から4時ごろにかけて富士山近辺に天の川が現れることがわかった。
私はどうしてもそれを見なければならない。幸いにも天気は全く問題なさそうだった。あとは、私にその天の川を撮れるだけの腕があるかだ。
綺麗な天の川が撮れることを夢見て、私は薪ストーブをワッシーに託し湯たんぽと電気毛布で温めておいた愛車N-BOXの寝袋に潜り込んで寝た。外気温はマイナス3度だったが寝袋の中はとても暖かかった。
明朝編へと続く
以上、夕宵編でした。
同じような写真が沢山ですみません。
一部の星空写真は高解像度のものにしておいたので、気が向いた方は拡大して見ていただけると嬉しいです。
本当に綺麗な星空だったのですが、私の写真の腕と星空に対する知識ではうまくお伝えできないのが残念です。
今年は写真についても星空についてもレベルアップしていきたいと思うので、来年の今頃にはもっと良い記事を書ける・・・かもしれません。
本記事を気に入って頂けた方は「明朝編」もご覧頂けると嬉しいです。
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