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音楽マネージャーとライター、事業家などに夢中になっているうちに、いつの間にかかなりの月…

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音楽マネージャーとライター、事業家などに夢中になっているうちに、いつの間にかかなりの月日が経ちました。何か新しい楽しみを発見している最中です。

記事一覧

笑いと恐れ

「いない、いない、ば~」になぜ赤ん坊は喜ぶのか 赤ん坊の母親は、赤ん坊に顔を向けてそのまま自分の顔を両手で隠し、「いない、いない」と言いながら少し時間を稼いでち…

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10時間前
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名こそ流れて…「布引の滝」

「布引の滝」は神戸の誇り 「布引の滝」は、神戸を代表する名勝地で、新神戸駅の山側の生田川中流にかかる滝である。川上から順に、雄滝、夫婦滝、鼓ヶ滝、雌滝の4つの滝…

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1日前
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盟神深湯(くがたち)の下鴨神社

「糺(ただす)の森」の神の裁き 京都市の左京区,、つまり京都市の北東に位置する下鴨神社は、正しくは賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)という。下鴨神社は名前の通り…

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3日前
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「譜めくり」3年!

駆け出しのクラシック音楽のマネージャーとして 「譜めくり」というのは、楽譜をめくるということで、例えばピアノの演奏家が演奏会でプレイしているとき、両手がふさがっ…

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4日前
37

日本人にとって美味しいもの

御所文化と密接な関係にある料理の味 東京の食べ物がおいしいか、大阪の食べ物がうまいかというのは、昔からよくある食文化についての論争のネタだ。関西には奈良、大阪、…

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5日前
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中津アンダーグラウンド

異形の楽しさが発見できるアラウンド梅田 ふた昔ほど前、大阪の梅田から歩いて10分ほどのところに住んでいた。最寄りの駅としては、阪急電車の梅田から京都線で一駅目の…

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6日前
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三十二の数字の男

数字は人生に付きまとう 人生に数字はつきものだ。まず生年月日に始まり、成長するにしたがって幼稚園や小学校で席順とか、何かしらの番号が与えられる。そこからその人に…

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7日前
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欲望の遺伝子

傲慢で強引な人は社会での競争に強い 少し考えればすぐに分かることだが、「ずるくて」「ケチで」「強引な」人間は人の迷惑をまったく考えないので、人間社会での競争にも…

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11日前
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寝台列車

その時、寝台列車で東北地方への公演に向かった 音楽マネージャーの仕事をしていた時、よく寝台列車に乗った。今は日本中を新幹線が走るようになり、飛行機による移動も地…

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12日前
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ひいきの相撲取り

好きな相撲取りはいつもいた 私は必ずしも熱狂的な相撲ファンではない。しかし、そうは言いながら、いつもそれなりにひいきの相撲取りはいた。小さな子供のころのことだが…

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2週間前
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都市を歩くのが好き

都市には多様なモノ、コトがあふれている 人にはいろんな嗜好があるけれど、私はひたすら都市を歩くのが好きだ。田舎や田園地帯が嫌いというわけではない。どこを歩くのも…

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2週間前
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物々交換の美学

ほぼ同じ価値のものを交換する 近くに住む友達が、といってもかなりのオジサンが、ホッチキスを借りに来た。近くのコンビニにいけば売ってるよと言いたかったが、オジサン…

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2週間前
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「シャッター街」は近い未来の産業資源

向かいの寿司屋が、いつの間にかあの牛丼チェーンに! いつの間にか、家の近くにあった商店街がシャッター街になり、豆腐屋や蕎麦屋、うどん屋、中華食堂、コインランドリ…

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2週間前
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まったく似ても似つかない二人なのに、すぐに混同してしまう不思議

北村と奥村はどっちがどっち 高校生の頃、クラスで親しくしている二人の友人がいた。おかしなことに、私はいつもその二人を混同してしまう。その中の一人は北村といい、あ…

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2週間前
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巨大ネタ寿司と、鉄板大お好み焼き

大相撲の力士が駆け付けてくる巨大ネタ寿司屋 私が小さいころ、近鉄南大阪線の沿線の阿部野橋駅から数駅のところ辺りに有名な寿司屋があった。実は私自身はこの店に直接行…

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2週間前
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北山の空に一線を描く五月のひこうき雲

美しい青いキャンバス私を切り裂く白い線 私が勤務しているビルのバルコニーから北山の連峰が一望できる。京都のビルは、高層とは言え東京や大阪に比べて中層が多く、本来…

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2週間前
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笑いと恐れ

笑いと恐れ

「いない、いない、ば~」になぜ赤ん坊は喜ぶのか

赤ん坊の母親は、赤ん坊に顔を向けてそのまま自分の顔を両手で隠し、「いない、いない」と言いながら少し時間を稼いでちょっとしたストレスを与え、タイミングを見計らって「ばあ~!」という声とともに手を開いて赤ん坊に顔を見せると、赤ん坊は大きな声を上げて大仰に喜んでくれる。つまりかつて落語家の桂枝雀が言っていた緊張と緩和という構造が笑いにつながるという説にも

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名こそ流れて…「布引の滝」

名こそ流れて…「布引の滝」

「布引の滝」は神戸の誇り

「布引の滝」は、神戸を代表する名勝地で、新神戸駅の山側の生田川中流にかかる滝である。川上から順に、雄滝、夫婦滝、鼓ヶ滝、雌滝の4つの滝からなる。「布引の滝」は大都市の近くにある滝だが、「日本の滝百選」に選ばれていて、那智滝(和歌山県)、華厳滝(栃木県)と並び、「日本三大神滝」の一つとされている。というのがいわゆる「布引の滝」の観光案内となる。

私の大きな誤解の告白とは

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盟神深湯(くがたち)の下鴨神社

盟神深湯(くがたち)の下鴨神社

「糺(ただす)の森」の神の裁き

京都市の左京区,、つまり京都市の北東に位置する下鴨神社は、正しくは賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)という。下鴨神社は名前の通り、やはり著名な上賀茂神社の親とされている神社だ。この神社の「糺の森」は、太古の原始林と言われていて、太古に生えていた樹木がそのまま現代に生えている。また境内では縄文時代の遺跡が発掘されている。かつて散歩道として、しばしばこの神社を訪れてい

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「譜めくり」3年!

「譜めくり」3年!

駆け出しのクラシック音楽のマネージャーとして

「譜めくり」というのは、楽譜をめくるということで、例えばピアノの演奏家が演奏会でプレイしているとき、両手がふさがっていて譜面がめくれないので、演奏者に換わって譜面をめくることだ。一般的には、ピアノのお弟子さんや、プロの場合はマネージャーが演奏者の斜め後ろに座って、必要な時に立ち上がって、あるいは座ったままで譜面をめくる。クラシック音楽のマネージャーに

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日本人にとって美味しいもの

日本人にとって美味しいもの

御所文化と密接な関係にある料理の味

東京の食べ物がおいしいか、大阪の食べ物がうまいかというのは、昔からよくある食文化についての論争のネタだ。関西には奈良、大阪、京都と受け継がれた長い御所文化がベースにあるので、日本の料理文化はどう見ても京都や大阪が源流で、これらが段階的に全国に広がっていったことは間違いがない。今でも日本料理の修業となると、必ず京都か大阪の有名な料亭で見習いをする。しかし、現代で

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中津アンダーグラウンド

中津アンダーグラウンド

異形の楽しさが発見できるアラウンド梅田

ふた昔ほど前、大阪の梅田から歩いて10分ほどのところに住んでいた。最寄りの駅としては、阪急電車の梅田から京都線で一駅目の中津駅で、私の住んでいたマンションは、駅から歩いて3分といったところだった。また、中津は一級河川だった淀川のすぐそばで、そのまま十三(じゅうそう)大橋で淀川を渡れば十三というかなり大衆的な歓楽街がある。もう少し十三の話題を挙げるとすれば、

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三十二の数字の男

三十二の数字の男

数字は人生に付きまとう

人生に数字はつきものだ。まず生年月日に始まり、成長するにしたがって幼稚園や小学校で席順とか、何かしらの番号が与えられる。そこからその人に関連する番号はほとんど無限に広がっていく。子供の頃に子供が知っておかなければならない数字は、最初に誕生日に、次に年齢くらいだが、そのあとは自宅の電話番号、中学生なら自分のスマホの電話番号などが記憶しておかなければならない番号となる。必要な

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欲望の遺伝子

欲望の遺伝子

傲慢で強引な人は社会での競争に強い

少し考えればすぐに分かることだが、「ずるくて」「ケチで」「強引な」人間は人の迷惑をまったく考えないので、人間社会での競争にも強い。また、こういう人には公正・公平という観念が弱いし、法を曲げることにも比較的に躊躇がないので、基本的にはこうしたタイプの人が社会的に成功を収めることが多い。しかし大方の人はこの事実を認めるのが悔しくて、テレビの時代劇などでは、「天につ

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寝台列車

寝台列車

その時、寝台列車で東北地方への公演に向かった

音楽マネージャーの仕事をしていた時、よく寝台列車に乗った。今は日本中を新幹線が走るようになり、飛行機による移動も地方飛行場が整備されるようになって、詳しくは知らないがおそらくレジャー仕様の豪華なものを除けば、寝台列車という存在は過去のものになっているのだと思う。当時私が寝台列車に乗る必要があったのは、遠方の公演地で午前中か午後一番でコンサートが開演す

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ひいきの相撲取り

ひいきの相撲取り

好きな相撲取りはいつもいた

私は必ずしも熱狂的な相撲ファンではない。しかし、そうは言いながら、いつもそれなりにひいきの相撲取りはいた。小さな子供のころのことだが、4歳下の私の弟は典型的な「巨人・大鵬・卵焼き」大好きタイプで、世の流行に追従しがちで、そのころは熱狂的な大鵬ファンだった。私は弟とはアプローチが違っていて、いわゆる「嫌いで好き」というやや変則的なパターンだった。「嫌いで好き」というのは

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都市を歩くのが好き

都市を歩くのが好き

都市には多様なモノ、コトがあふれている

人にはいろんな嗜好があるけれど、私はひたすら都市を歩くのが好きだ。田舎や田園地帯が嫌いというわけではない。どこを歩くのも基本的には好きだが、都市を歩くのはそれとは一味違ったものがあるという程度に認識していただければありがたい。都市を歩くのが好きである第一の理由は、都市には多様な事物が含まれていて、無限といっていいほど関心を持つ対象が多いということがある。ざ

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物々交換の美学

物々交換の美学

ほぼ同じ価値のものを交換する

近くに住む友達が、といってもかなりのオジサンが、ホッチキスを借りに来た。近くのコンビニにいけば売ってるよと言いたかったが、オジサンの顔が真剣だったので、そのままホッチキスを渡した。オジサンはホッチキスを返す意思が全くないみたいで、彼なりにほぼホッチキスの価格に見合う、パッケージに入ったままの筆ペンみたいなものを置いて帰った。これは目新しいことではなくて、彼の高校生時

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「シャッター街」は近い未来の産業資源

「シャッター街」は近い未来の産業資源

向かいの寿司屋が、いつの間にかあの牛丼チェーンに!

いつの間にか、家の近くにあった商店街がシャッター街になり、豆腐屋や蕎麦屋、うどん屋、中華食堂、コインランドリーが静かに町内から姿を消した。実際のところ、私たちはこの変化の理由も結果も分かっていたはずだが、ついついチマチマした便利さと、何となくの小ぎれいさに負けて、大型の商業施設を受け入れてしまったということなるんだろう。しかしこの手のものは、景

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まったく似ても似つかない二人なのに、すぐに混同してしまう不思議

まったく似ても似つかない二人なのに、すぐに混同してしまう不思議

北村と奥村はどっちがどっち

高校生の頃、クラスで親しくしている二人の友人がいた。おかしなことに、私はいつもその二人を混同してしまう。その中の一人は北村といい、あとの一人は奥村といった。まったく顔のタイプも性格も、少しも似通った部分はないのに、その一方の名前を呼ぶ場合も、実際に私が頭の中で一方の友人のことを考える場合にも、必ずと言っていいほど混同してしまう。具体的に言えば、頭の中では北村を相手に言

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巨大ネタ寿司と、鉄板大お好み焼き

巨大ネタ寿司と、鉄板大お好み焼き

大相撲の力士が駆け付けてくる巨大ネタ寿司屋

私が小さいころ、近鉄南大阪線の沿線の阿部野橋駅から数駅のところ辺りに有名な寿司屋があった。実は私自身はこの店に直接行ったことはないのだが、親父が週に一度は大きな寿司折りを土産として持ち帰ってきていたのだった。この店の寿司はネタが巨大で、穴子やウナギは一つの握りにそれぞれ一匹分のネタが載る。蛸は、大きな足の部分を四等分したものが一つの握りに載っている。そ

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北山の空に一線を描く五月のひこうき雲

北山の空に一線を描く五月のひこうき雲

美しい青いキャンバス私を切り裂く白い線

私が勤務しているビルのバルコニーから北山の連峰が一望できる。京都のビルは、高層とは言え東京や大阪に比べて中層が多く、本来は東山、西山、北山の峰もすべて見えるはずだが、残念ながらこのビルの西側に大きなビルがあって、比較的大きなビルの少ない北山の峰が美しく見える。もちろんこれは都市の景観に関わるビルの高さ規制によるもので、辛うじて多くの場所から五山の送り火が見

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