道しるべPA講座

おつかれちゃんです。スぺ丸こと18のえんどうです。
タイトルのとおり、PA卓の使用講座です。PA卓の話だけするので、配線等の話はすっ飛ばします。今後のために印刷とかしておくといいかも。

2023大祭では出しゃばってPA卓を数度独占してしまったため、後輩への技術承継に失敗している自覚がありますのでここにて贖罪します。
レベル別に見出しをつけるので、自分の立ち位置や目標に合わせて読んでいってね。



[基礎知識]ハウリングって?

頑張って描きました。

まず基礎知識。

ハウリングという現象があります。
上の絵のように、スピーカーから出た音をマイクが拾ってしまうことで、紫矢印のように、

スピーカーから音が出る→マイクが拾う→拾った音がスピーカーから出る→マイクが拾う………

とループしてしまうことにより、一定の音が鳴り続けてしまう現象。

PA卓をいじくる上で回避したい現象の1つです。

原因としては、
・スピーカーの音がデカすぎてマイクに音が入りやすくなっている
・マイクをスピーカーの方向に向けることで音を拾ってしまう
・マイクの感度が良すぎてスピーカーから出た些細な音も拾ってしまい循環させてしまう
などが考えられます。

みなさんも、スピーカーの音をマイクに拾わせて、ハウリングを起こさないよう注意してください。

なお、ギタリストは曲やジャンルによっては「あえてハウリングさせたい」ケースもありますが、あれはギターをアンプの方向にむけたり、エフェクターでめちゃくちゃ歪み量と音量と空間系もりもりにするとやりやすいよ。


★【全員必修】基本操作

まずは全員必修。音を出すための基本操作。

よく見るやつ。

◆各部解説◆

①赤いやつ。マスターボリューム、全体の音量調整。とりあえず「0」って書いてあるあたりまで上げておいて、後々「音量が!!!足りない!!!!」と思ったら上げてもいいかも。

②AUX1。なんやそれ。しるべセッティングだと「返し」(ステージで演奏している人が聴くほうのスピーカー)の音量調節。

③INPUT A。マイクケーブルを挿そう。

④INPUT B。シンセ(キーボード)とかのシールドはこっちに挿そう。

⑤GAIN。白いやつ。「マイクからの信号をどのくらいキャッチするか」という数字。とりあえず左上の白いゾーンくらいまで回しておこう。

⑥AUX 1の青いやつ。なんやそれ。②の「返し」の音量を個別に調整できる。

⑦ONボタン。ポチっと押して左上の黄色いランプがONにならないと音が出ないぞ。

⑧白いやつ。個別の音量を調整できるぞ。1番がメインボーカル、2番がコーラス、とかなら1番は大きめ、2番は小さめ、とかでもいいかも。最低でも目盛りの0付近はないと小さい。別に目盛りの0のところ以上に上げても問題はない。

⑨カラフルなゲージ。全体で出てる音量が表示される。部室や大祭だと別に赤くなってても気にしなくて大丈夫。

◆注意点◆

音が出る状態でマイクのケーブルを抜いたり挿したりすると故障の原因になるので、⑦でOFFにするか、①で音量ゼロにするか、⑤⑧で音量をゼロにしてから抜き差ししよう。
・⑤はあんまり上げすぎるとゴワゴワしちゃうので、右上白いゾーンくらいにしておいて、音量欲しいときは下の⑧とか①とかで上げた方がいいかも。
・とりあえずわからなければ、下のフェーダー(スライド式のやつ)は、上記説明したやつ以外は一番下にしておく。ツマミは上記説明したやつ以外は画像のとおりにしておく。

ひとまず一区切りです。お疲れ様でした!


★【役職[PA]必修】エフェクトについて

PA諸君はまだまだ付き合ってくださいね。

いつもの

◆各部解説◆

①灰色のカチカチスイッチ。エフェクトの種類を選びます。エコー(ディレイ)とかリバーブとか。色々試してみてね。1と2で別のエフェクトを選択できます。

②パラメーター。①で選んだエフェクトの効き方を調整します。色々試してみてね。1と2でそれぞれ別のエフェクトを設定できる。

③AUXの青いツマミ。なんやそれ。エフェクトを返しへ反映させるツマミです。1と2でそれぞれ反映度合いを調整できます。

④ON/OFFのポチっとボタン。これをONにしないとエフェクト効かないので注意。1と2でそれぞれON/OFFを変えられる。

⑤フェーダー。エフェクトの量を調整します。基本0まで上げておくと良いかも。1と2でそれぞれ(略)

⑥白いツマミ。例えば「メインボーカルのトラックだけエコー、コーラスのトラックはなし」とかがここでできます。1と2で(略)

◆注意点◆

・③は基本上げなくて良い。ボーカルからの要望があれば、くらい。
・④のスイッチポチるの忘れがちなので注意。
・⑥は1メモリくらいでも十分効く。
・上げすぎるとハウリングの原因になるので注意。

~空間系エフェクトはかけっぱで~

基本的にリバーブ(場合によってはディレイ)は、歌の最中はONにしておいた方が良いです。

頑張って描いたよ

基本的にマイクが拾うのは上の絵でいうピンクい部分の音響です。
ということは、「マイクの音が出てくるデカいスピーカーからは、ピンクの部分が再現されて出力される」ということになります。

一方、ライブ演奏を聴いている人の体験としては、ステージ上の空間や客席の空間で響いた音が聞こえてくる方が、人間の知覚的に自然なはずです。

さらに、これにスピーカー自体の性質も関係します。
スピーカーは入力した音声信号をそのまま出力してデカい音にしてくれますが、スピーカー自体の空間性を無視してしまいます。
あんなデカい物体から音が出るなら、スピーカー自体の内部で反響しているのが自然なはずです。普通あんな箱が音楽の鳴る空間にあればふわふわ響くはず。

でも聞こえてくるのはピンクの部分のみのリアルな再現。
これは違和感の原因になります。

そこで、リバーブをかけて、ステージ上の空間の感じや客席の空間の感じをきちんと再現してあげることで、聴覚的な不自然さを解消できます。

ということで、基本的には曲中は少しだけでもかけていた方が良い感じがします。

逆に、MC中はON/OFFスイッチでエフェクトを切ってあげると、何を話しているか聴き取りやすくなるので切ってあげましょう。

ちなみにこの考え方、楽器隊にも応用できます。
ギターも舞台や客席を響かせていた方が自然だし、ギター自体の空間性やアンプの空間性を再現してあげた方が自然に聞こえるため、ほんの少しだけでもいいのでリバーブはかけておいた方が気持ち良いです。

ベースに関しても同じなのですが、ベースはリバーブかけるとゴワゴワしすぎて輪郭がなくなり、バンド全体の音楽の不安定さに繋がっちゃうのでリバーブはかけないことが多いです。
「でもステージや客席の空間の感じ出したいし、ベースアンプは特にデカいので箱感を作りたい…」この解決方法として、僕個人としてはベースを弾く際、「ほんのちょっと、わずかに、気持ち程度に、みんなにバレないくらいに、こっそり、ささやかに、少々」ディレイをかけています。クリアで存在感を維持しつつ箱鳴り感が出せます。

ドラムはあんまり気にしなくてOK。太鼓はそれ自体箱みたいだし、基本生音なので空間性は気にしなくても問題なし。

(この辺は、僕がバイオリンやビオラなど楽器構造自体に箱のくっついた楽器に親しんでいたことや、残響が残りやすいコンサートホールでの演奏に慣れてしまっていることに起因している、しょうもないこだわりなので無視しても大丈夫です)

ちなみに某ZXはボーカルに対してリバーブではなくディレイをかけています。なんか若干不自然かも…


★【役職[PA]必修】その他ツマミ

すみません、もうちょっとだけ辛抱下さい。

いつもの

◆各部解説◆

①全体のイコライザー(周波数ごとの音量調整)。後ほど説明。

②26dBとか書いてあるスイッチ。1回押すと引っ込んで、もう1回押すと飛び出てきます。
引っ込ませるとゲインをちょっと下げます。シンセ(キーボード)とかは、マイクよりデカい音量でPA卓へ入力されるので、このボタン押しておくと音量調節しやすくなります。

③PFLとか書いてあるスイッチ。なんやねんそれ。1回押すと引っ込んで、もう1回押すと飛び出てきます。
引っ込ませると音が全く出なくなります。音が出ない代わりに、「マイクやシンセからの入力があった時に上の緑のランプが点灯する」ことになります。

~イコライザー調節について~

①のいじり方について。

基本はいじらずに平らな状態でも問題なしでしょう。多分。

これをいじるのは、ハウリング防止のため音量を下げる調整のときです。しるべのライブでの運用でこれを「上げる」方向で使うことはあんまりないと思います。
ただし、音量を下げるにしてもメモリ1つ分くらいです。あんまり変えすぎると不自然な音になっちゃう感じがするので。

ハウリングしやすい音域を予め削っておくことで、曲中の邪魔なハウリングを事前に対策・防止することができます。

ただし、ハウリングしやすい帯域がどの音域なのかは、会場の空間の広さ、建材、物の数、人の数、気温、湿度、天候、などなど様々な要因に左右されます。むずかちー。

というわけで、PA卓を触る人は、上記みたいなその日の周辺環境に合わせてハウリングしやすい帯域をライブ前に予め削っておく、というのが大事な仕事になる。

帯域の探し方ですが、リバーブエフェクトをめちゃくちゃ強めにかけてみることで、わざとハウリングを発生させます。
それで、ハウリングしやすい、うるさい帯域を洗い出す感じ。

おおむね1メモリ分減らす×2帯域、くらいの調整ができたらいいんじゃないでしょうか。

とりあえずここまでで一区切りです。お疲れさまでした。


★【PA長・音響に詳しくなりたい人向け】各トラックのイコライジング

さらに詳しくなりたいアナタへ。

いつもの。

◆各部解説◆

①HIGHツマミ。高音域の音量(成分量)を調整するよ。

②MID FREQツマミ。③で作用する帯域の調整をする。左にいくほど低音域、右にいくほど高音域。

③MIDツマミ。中音域の成分量を調整するよ。②で決めた帯域を増減できるよ。

④LOWツマミ。低音域の成分量を調整するよ。

~トラックごとのイコライジングは引き算~

この①、③、④は基本的に引き算で使います。増やす方向には原則回さないと思ってください。
(レコーディングとかだと増やすこともあるかも)
理由は、こいつら、点で作用するからです。

頑張って描きました。

赤い点は①のツマミ、緑は③のツマミ、青は④のツマミで音量調節できます。
ちなみに、②は緑を左右に動かせます。

そして、こいつらを回すとと、画像右側のように点として持ち上がり、山型に図形が変形します。
逆に、ツマミを左回しに減らすと谷型に変形する。

――イコライザーを「上げる」場合(△)

頑張って描いた。

さて、今バンド全体の帯域のバランスが、画像左側のグラフのような感じだとします。
ハウリングする音量限界は赤で決まっているようなイメージ。
で、歌は水色の線。

この状態だと、かなり楽器隊に歌が埋もれていますね。
そこで、イコライザーを調節して歌が聞こえるようにしたい。

しかし、ここでMIDを増やす方向に回すと、画像右側のようになります。
バンドに埋もれない歌の部分は水色で塗ったところ、と考えることができます。
まあ、悪くはないんだけど…

――イコライザーを「下げる」場合(◎)

頑張った。

逆に、MIDを減らしてみましょう
すると、画像真ん中のグラフみたいに、歌の成分量バランスが平らになりました。

そして、これを画像右側のグラフの紫の線くらい、ハウリングしそうな限界まで音量を上げます。これはPA卓トラックの下のフェーダーで上げる。

そうすると、バンドで埋もれない紫で塗った部分は、先ほど「MIDを上げる」場合よりも格段に大きいですね。

ということで、基本的にイコライザーのツマミは「下げて」、「フェーダーで音量自体を上げる」という作業が大事になります。

(しるべでやるバンドの99%はボーカルが聞こえた方が気持ちいいと思うので上記で問題ないでしょう。ボーカルを聴かせなくて良い・楽器隊と同じ程度の存在感で良い、という場合はまた別ですが…)

~ライブリハでやること~

前置きが長くなりました。

実際にライブ本番の前、音出し・リハの段階でやることとしては、

③のツマミを減らす
↓↓↓
②のツマミをグルグルして、帯域を決める

です。

このMID、先ほど山型になっているのを「削る」→「フェーダーで音量上げる」というのをやりましたが、この山型は歌い手によって頂点の位置が違います。
「山を平らにして音量上げる」という作業をするために、この山の頂点を探り当てる必要があります。
そのために、まず③のツマミでMIDの成分量を減らして、②のツマミをグルグル回し、今歌っているボーカルに合う「削る部分」を探し出して、削ってあげます。

そのボーカルの特徴的な部分、イヤな言い方をすると悪目立ちしている部分を削ってあげるんですね。

(基本的にはMIDだけ触れればOK。子音が聴き取りづらいときとかにたまーにHIGHを上げたり、逆にHIGHが目立つボーカルに対して削るときもありますが…)

ということで以上、イコライザーでした。お疲れさまでした。


★【PA長・音響に詳しくなりたい人向け】その他ツマミ

おまけ程度に。

いつもの。

◆各部解説◆

最後、知っておくと便利なツマミを2つ解説します。

①コンプレッサー。ベーシストおなじみのエフェクト。

雑に言うと、小さい音を大きく、大きい音を小さく調整してくれます。
音量をそろえてくれるんですね。

で、これ、ボーカルに使うのはマジでダメです。NG。

というのも、ボーカルのマイクって声以外にも、ギター・ベース・ドラムの出音も拾うし、客の歓声も拾うし、下手したらエアコンとか照明器具の音とか、要はその空間に響くあらゆる音を拾うんですね。
(他方これがギターとかベースだと電気信号なのでギターの音以外拾わないんですけど。)

そういうあらゆる些細な音に「小さい音を大きくする効果」を発揮されると大変困るわけです。ノイズまみれになるし、ハウリングもしやすくなる。ということで対ボーカルへは必ずゼロになっていることを確認してください。
(レコーディング環境とかだと別なんですけどねー。)

逆に、キーボードに対してはちょっと便利です。
キーボードは電気信号でシールドからしか音出してないので、音量をそろえてあげると割といい感じに聞こえるようになります。多分。

②パン。(ケーキを食べればいいじゃない。)
これは音の左右を調整します。基本的には真ん中で問題ないんですけど、バンド側の意向で「メインボーカルは右側、コーラスは左側にしたい」とかいうめんどくさい要望にもこれで答えられます。

以上、お疲れさまでした。


★【オタク・物好き向け、おまけ】2023大祭でスぺ丸は何を考えていたか

さて、ここからは暇でしょうがないアナタに向けて、私が2023大祭でPA卓を前にして何を考えていたのか、という部分と、特徴的だった3バンドのPAについて書いていきます。

~教室ライブという環境~

まず全体として、教室という環境は音響的にかなり悪いものです。

まず壁がツルツルじゃないですか。あれだとあらゆる音がバシバシに反響しちゃうんですよね。
ハウリングもしやすいし、音の実体がつかみにくい。反響なのかアンプから出た音なのかわかりづらいし、音像がクリアにならない。

しかも、ドラムの下には教壇、その他舞台の下にはビールケース+ベニヤ板。
ステージの下にでけえ空洞がありますね。空洞ってのは音を響かせる効果があります。バイオリン類に箱がくっついてるのは響きを増強させるためです。この空洞も、教室がぼわぼわ響きやすい要因だったりします。

それから机や椅子など物品が多く、共鳴しやすい。
共鳴、っていうのはハウリングとはまた別の現象で、例えばスタジオ練習中にベースがある一定の音程を鳴らした時、スネアの響き線が「ササササーーー」ってなっちゃうこと、あるじゃないですか。
あんな感じで、ある音程に対して音源とは別の物体が振動しちゃうことを言います。

共鳴の何がまずいかと言うと、わかりやすく表現すれば「ド」の音出す場合と「レ」の音の場合で響き方が変わっちゃうことです。それって楽曲としてどうなん?って感じ、あると思います。

てな感じであんまりいい環境じゃなかった、というか例年、あんまりいい環境じゃないと思います。

壁のハウりやすさは「布を張る」、舞台下の空洞は「布や布団を敷き詰める」、物品の共鳴は「モノに布製のものを被せる」とかで対応可能です。
布って拡大してみると表面がデコボコ、ザラザラしてますよね。ああいう材質だと響きがいい感じに阻害されます。参考までに。

それから、ベースアンプの配置がちょい高かったですね。
人間の音響体験的に、低音って低い位置から聞こえた方が気持ちいいらしいですよ。知らんけど。
シンバルとかシャリシャリする高音系は高い位置の方がいいらしい。知らんけど。

で、ベースアンプの位置がちょうどマイクと同じくらいだったのもあって、ちょいちょいベースの音拾っちゃってたなーと思いました。低音のハウリングがこわかったね。

そしてさらにさらに面倒だったのは、PA卓での音響環境と舞台の音響環境が違う感じがした点。
PA卓の手元のマイクで、リバーブMAXにして全体イコライザーのハウリング対策調整をしたんですが、これが舞台のボーカル用マイクに対して有効にはたらいてる感じがせず、結論全然違う帯域がハウってました。
立ち位置によって適正な音響って違うんだなーと痛感しました。
全体イコライザーの調節はちゃんと舞台上でした方がよいですね…教訓。

さて、環境への愚痴はこのへんにして、印象に残った3バンドです。
これは、演奏の良し悪しとか他のバンドに比べて優劣をつけるわけでは決してなくて、「PAとして印象に残る作業をしたバンド」ってだけです。

■印象に残ったバンド1「次殴ったらやめる」(トリプルファイヤー)

何といってもDr.Gのドラムパッドですね。
「カチッとした音は出しつつ、音量面で他の楽器やボーカルの邪魔をしない」ようにしようと画策しました。

具体的には、「コンプレッサーを上げる」「MIDとLOWを削りめにして、HIGHを出す」の2点でしょうか。

コンプレッサーは「小さい音をデカく、デカい音を小さく」ということで、ドラムパッドの音の種類による音量差をできる限り少なく、どの音でもカチッと印象的になるようにそろえたくて使用しました。こちらキーボードと同じ、電気信号だけ送受信する「ライン楽器」なので、問題なく使用できました。

一方でLOWやMIDはギター・ベース・ドラムに譲りたかったし邪魔できなかったので、HIGHを上げることでピキッパキッとした人工音的なニュアンスを残せるようにしてみました。

それから、殴婦菌のボーカルが台詞の繰り返しみたいな感じだったので、途中エフェクター使って遊んでました。サイケ・ダブみたいなイメージ。ディレイとかリバーブとかめっちゃかけてイタズラしてみました。許可取らずにすみませんでした。めっちゃ楽しかった。

■印象に残ったバンド2「たけのこ共和国」(きのこ帝国)

まずシューゲってマジムズイ。ギターの音の壁に対してボーカルの抜けが作れん。ごめんね腰毛。

で、さらに特徴的だったのは萎のベース。あれフジゲン製なんですが、フジゲン製、まあ日本製ってことで作りが良いとよく言われてます。きっちりかっちり、存在感のあるしっかりした音が出ます。めちゃくちゃ悪い言い方をすると出しゃばりで空気読めない系な感じ。(ごめん)
これは演奏技術とか音作りとかの問題じゃなく、また良し悪しの問題でもなく、楽器の個性なので、それを活かしてあげるのが音響の腕の見せ所。

さてどうしたもんか、と思い、「じゃあプロのシューゲってどうしてる?」と考え、咄嗟にマイブラをイメージしました。

轟音のギターとシンセをバックに女がささやいてる感じ。

「ん?これって音の壁に対して高音域サラサラシャリシャリのウィスパーボイスでなんとか聞き取れるようにしてるんじゃね?」

ってことで、イコライザーでほんのちょこっとHIGHを上げて抜けを作る作戦。
さらにリバーブをちょっと強めにかけて、残響を増やし、HIGHの響き感を残すことでなんとか聞き取れるだけの存在感を維持しようと画策。

LOWは前述のベースアンプの位置とフジゲンベースの特性を考慮し若干削り気味に。

あと、序盤ピアノの音がありましたが、これも人工音のピキパキっとした感じで「ギターベースドラムでは出せない音ですよ」感を出すためにHIGHをちょっと上げ気味に。音量・存在感をそろえるためコンプレッサーもちょい上げ。

結果、なんとかボーカルもきちんとなって、ピアノの存在感も出せたかなという気がします。

■印象に残ったバンド3「ザーシーカー」(スーパーカー)

はい、同じくシューゲです。キツ。
しかも萎のフジゲンベース。うおー
さらに今回は殴婦菌のギターです。スーパーカーだからハウらせたいという意識をビンビンに感じとりました。
彼のギター、フェンダーのジャズマスターです。フェンダージャズマスターは基本的にキャピキャピ、チャリチャリ、シャンシャンした音のイメージです。結構HIGHがキンキンする。

ってことで、基本はたけのこ共和国と同じ戦法でHIGHちょい上げ+リバーブ強め、でいきましたが、HIGHは殴婦菌ギターと被ってハウる危険あり。
ってことで、
①いつものMID帯域いじり・MID削り
②ベースアンプ・フジゲンベースを考慮しLOW若干下げ
③フェーダーでできる限り音量上げる、①②をいじりながらハウらないけど最大音量が出せる限界ポイントを探る
④HIGHちょい上げ、③に戻る
みたいなことを永遠にしていました。

設定を追い込みすぎた結果、萎や殴婦菌の立ち位置がマイクの前からズレたり、かがんだりしただけで、ドラムやベースの音をバシバシ拾ってしまい全体の音量感がゆがむくらいだった。ので、ボーカルの物理的な動きにも注意し、マイク前に顔や身体がないときはボタンでOFFにしておく、などしていました。

結果ボーカルはほぼハウリングせず、ギターで演奏者の狙ったハウリングだけが作用できました。マジでよかったー…(安堵感)

ちなみになんですが、マイブラの本家は中音かなり小さめらしいです。PA側でめっちゃ上げてるんだとか。マジ???


★最後に

以上で解説終わりになります。
ただ、僕も別にプロではないので、もっと詳しくなりたい方はご自身で研究してみたり、プロに教わってみると面白いんじゃないでしょうか。
多分上述の内容で間違っているところもいっぱいあると思います。

PAはよくわからない・難しい・めんどくさい・つまらない、みたいな感じがするかもしれませんが、演奏者と一緒にいい音いい音楽を作りあげるのは結構楽しいし、上手く出来た時はすごく気持ちいいです。
むしろバン練とか個人練とかしてないのに、演奏に加わることができるのは本当に贅沢だなーと思います。ぜひ挑戦してみてください。

今後は出しゃばってPA卓独占しないように気を付けます。

以上、お疲れさまでした。スぺ丸こと18のえんどうでした。

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