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『なんで生きてるの?と妹に言われた日』

自殺しようとした日

私はある日、自殺しようとした。

父と母には相談できなかった私は誰でもいいからと妹に人生相談をした。

私は妹に人生の悩みなど、妹には少し重いような話をした。

妹は興味なさそうに絵を描いたり、ご飯を食べたりしていた。

まあ、まだ部屋から出ていかず話を聞いてくれているだけでもありがたいかと話を続けた。

話し終え、妹から出た言葉は今でも忘れられないものだった。

妹からの一言

話を終え妹の方を見つめると妹が一言言った。

「なんで生きてるの?」

私は、唐突すぎて意味がわからなかった。

そして妹に聞き返した。

「どう言うこと?」

その答えも驚きのものだった。

「私だったら生きてられないね。死んでるよ。」

これは自殺を肯定しているのかなと考えた。

妹なりの考え

そのあと話を聞くと、心が折れる話ばっかりだった。

「お姉ちゃんみたいに人の顔色伺ってまで生きたくないし、お姉ちゃんみたいにはなりたくないね。」

なんかその日は傷つきすぎて疲れて寝てしまった。

結果私は自殺はしなかったが妹の言葉は励ましにはならなかった。

後日、妹に話を聞くと、

「事実を述べただけじゃん。」

と言われた。

妹の中では事実を述べていい時とそうでない時の判断が難しいようだ。

妹の言葉に救われた私

心折れて自殺してもおかしくない状況のように見えるが実は妹のおかげで私は救われた。

本当に追い込まれている時に「頑張れ」と言う言葉聞きたくない。

「これから楽しい事があるよ」などと綺麗事も聞きたくない。

そんな中の冷静な妹の私への分析は私にとっては違う意味で刺激になった。

私も予想外の発言に驚き冷静になれた。

なんだか馬鹿らしいなと自分の生き方の欠点についても考えるようになった。

私は人に嫌われることが怖く人の顔色ばかり伺っていた。

それは家族にも同じでわがままだと優秀じゃないと捨てられてしまうのではと考えていた。

そんな生き方に疲れ死のうとする私に妹はお姉ちゃんみたいな生き方はしたくないと言ったのだ。

私もそんな生き方はもう嫌だし、それで死ぬくらいならもう一回頑張ってみようかなと思った。

私は一回死んだ

私は些細な事だが名前を変えた。

私の中で一度私は死んだのだ。

綺麗事のようだけどもう一度母に名をもらった。

それが、優里。

私の本名は優里ではない。

でも、友達にも家族にも優里と名乗っている。

妹と私は似ている

実は、私も事実を述べていい時とそうでない時の判断が難しい。

友達に心中しようと言われた事がある。

いつも死にたがっている友達だったから、冗談だと考えていた。

だけど、その日は雰囲気が違く本気だった。

私は屋上から下を眺め、友達に言った。

「この高さじゃ死ねなくない?」

友達はとても驚いた顔でしばらくすると笑った。

そのあと、屋上でお酒を飲んだり話したり、寝たり、結局友達は死ななかった。

空気が読めないといけない時もある。

でも空気がよめなくてもいい時もあるのかもしれない。

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