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カルタヘナ国際映画祭 最終日




昨夜、プレミア上映を迎えたばかりだと言うのに


僕のカルタヘナでの生活は間も無く終わろとしています。




歩き慣れたこの街とももうバイバイかと思うと、本当に寂しさを感じるんですよね。

僕はこの街が好きでした。

カルタヘナの人も、映画祭の人も

みんな僕に優しかった。

動物もみんな可愛くて

建物は美しくて

いつもどこかで音楽が流れていて

食べ物は色とりどりで美味しくて

活気に溢れている海街でした。






最終日。

本当はのんびり過ごす予定だったけど、結局朝7時に起きて一日中動き回っていました。


昨夜、映画館で僕の隣に座っていた方から上映後声をかけて頂いたんです。

「素晴らしい映画だった」

彼は地元の映画学校でディレクターをしている方で、インタビューをさせて欲しいとオファーをして頂いたので、今日は急遽朝からインタビューがありました。

学生達との会話も楽しく、みんな僕を盛り上げてくれました。


コロンビアで好きな食べ物は?

コロンビアの音楽で好きなものは?

コロンビアの映画は?

コロンビアの・・・

という無邪気な質問に何一つ答えられない事が本当に情けなかった。

何も知らないんですよね。この国のこと。

ここにも自分と何も変わらない『人間』が住んでいるんです。








そして



最後の大仕事。




Jury members
Dorothee and Jorge


どの作品がアワードに相応しいか、という話し合いです。


フィードバックセッションがあったから、監督やプロデューサーと会って話す事ができました。その分、皆さんの顔が浮かぶから難しいですよね。喜ぶ顔も落胆する顔も。


芯を持って、僕の意見を伝えました。


僕とJorgeは今日カルタヘナを出るので、授賞式での発表はDorotheeに全てを託す事になります。


話し合いの後、3人で一つの公式文を作り、その完成をもって僕の審査員としての仕事は終わりました。






カルタヘナで僕たちをずっとアテンドしてくれた、地元の学生Luciaと審査員のメンバーで。

これは、僕のお気に入りの一枚です。

今回の僕のカルタヘナ国際映画祭を一番よく表してくれる一枚です。



右も左も分かっていない僕に優しくしてくれた3人。

本当に素敵な人達。

僕にとっては、この3人がいてくれてこそのカルタヘナ国際映画祭でした。

本当に本当に、素敵な人達でした。

もっともっと俺、頑張らなきゃ。








そして。


カルタヘナを出る直前

僕をカルタヘナに連れてきてくれた恩人であり、カルタヘナ国際映画祭のプログラマーのGabrielと最後の時間を過ごしていました。


「トシの夢を叶える手助けをさせて欲しい」


そう言った彼の目はキラキラしていました。ロッテルダムで『莉の対』を観た後、僕に話しかけてきてくれた時も同じ目をしていました。

きっと彼はアルプスの水かなんかくらい心が綺麗なんだよ。もし彼が日本にいたら、僕は頭を下げてでも仲間に欲しい。そんな人なのです。


地球の裏側に住む彼と、果たしてこれからの人生で再び会える事があるだろうか。

これが最後になっちゃうかもしれないと思いながら、もしこの人とまたどこかで会えたら、俺めちゃくちゃ嬉しいだろうな。

また再び会える世界線に僕は立っていたい。









空港に着くと、ここに着いた日がまるで昨日の事の様に感じました。

だけど、確実に僕はこの街に6日間もいたんだよな。



『莉の対』が連れてきてくれた2ヶ国目も

最っっっっ高の思い出になりました。





バイバイ カルタヘナ。

バイバイ コロンビア。

Gracias!

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