見出し画像

サーカス《エッセイ》

サーカスの空中ブランコみたいな気分。
それか、綱渡り?
私はピエロかもね。

いつでも笑顔張り付けて、素顔は乾いた涙の跡。
それに気付く人はごく僅か…。

同じ傷や同じ様な星の人なら、言わずも繋がる。

甘ったれな生き方や、脳内花畑の馬鹿な奴らには
一生分からない。

見抜ける人の共通点、何かを抱え生きてきた。
何かを背負い生きている。

その苦悩や哀しみをまず吐露しない。
自分より、人を心配する。

そして、神経がとても繊細だ。
図太い神経とは無縁。
だから寄り添う。

私が打ち明けた傷や穢れも、受け入れる。
信じろと強く伝えてくれる。

勝手に心の中にズカズカ入らない、そっと手を差し伸べる。

私の毎日が揺れる吊り橋みたいな事、理解してくれてる。
どんな強気な詩を書いても、それは私を奮い立たせる為。
私に何が出来るの?って、毎日問いかけてる。

強風の中、コンビニに行くだけで精神が磨り減る。
帰りの足が重く、蒼天が悲しく映る…。

明日こそは、明日は…。
そう思いながら、私の避難所に駆け込む。
絶対に安心出来る場所。

ブランケットに包まって、新しく買った絵本を広げる。
誰も立ち入れない。

ここは唯一私だけの場所。私の安らぎの場所。
ピエロの仮面をテーブルに置いて、素顔に戻れる時間。

サティのジムノペディを聴きながら、ゆっくり童心に返る。

明日もまた…サーカスは始まるから…。
今だけは、優しいに包まりたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?