SS 黒いオルゴール【#小さなオルゴール】#青ブラ文学部(520文字くらい)
「黒いオルゴールがあるの」
「どんなオルゴール?」
「小さくて、真っ黒なの……」
小さなオルゴールを開くと、美しくきれいな曲が奏でられる。
「先生、これあげる」
「あ……ありがとね」
手製のオルゴールは、どこか歪んだ印象がある。そして黒い色をしていた。
都市伝説でよくある怪奇現象が起きる話で、黒いオルゴールを聴いていると精神を失調して最後は……ありがちな話だ。
生徒達が工作の授業でオルゴールを作り、生徒は自分の作品を持ち帰る。だけど一つだけ余っていた。誰が作ったのかもわからない。
(……まさかね)
しばらく忘れていた。自分の部屋で見つけたのも偶然で、開くと曲が流れるが……曲が変調する。
(壊れてる……)
閉じようとすると声が聞こえた。オルゴールがしゃべっている。
「○○先生はね、△△先生とね……」
不倫の詳細を延々と語り出す。途中で気持ち悪くなり閉じた。不思議な事に、開くたびに別の話を聞ける、いつしかオルゴールを聴くのが楽しみになる。
「□□先生はね、生徒の××と……」
私は警察に通報した。□□先生は捕まり私は満足する。生徒を守るのは先生の責任。だから今日もオルゴールを開く。
「□□先生はね、保釈されて今あなたの後ろに……」
#青ブラ文学部
#小さなオルゴール
#怪談
#ホラー小説部門
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