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あらすじ 藤原一馬は、三十俵二人扶持の御家人として俸禄をもらうが、表向きの役目は無かった。ただ、剣の腕が立つ彼は御免侍として秘密の役割を課せられていた。ある日、暴漢に襲われた供の老従者と水野琴音を助ける。琴音は大事な使命のために西の大烏城への旅路を一馬に頼んだ。 (仮設定です) 藤原一馬(ふじわらかずま):神無流の使い手 水野琴音(みずのことね):謎の姫君 雄呂血丸(おろちまる):旅の仲間 露命月華(ろめいげっか):くノ一 露命臥竜(ろめいがりゅう):月華の兄
設定 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 前話 次話 あらすじ ご免侍の一馬は、琴音を助ける。大烏城に連れてゆく約束をした。一馬は、琴音と月華の事が気になる。一馬達は西国の旅先で山賊の権三郎と出会う。彼を手下にした直後に、散華衆の四鬼に襲われた。 二十五 暗い山道は、たまに山鳥の鋭い鳴き声がするくらいで静まりかえっている。権三郎は、獣道は使わずに猟師や山の者が使う道を進んだ。起伏は多いが歩けない道ではない。 「どこに泊まるんだい」 「へい。猟師小屋
設定 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 前話 次話 あらすじ ご免侍の一馬は、琴音を助ける。大烏城に連れてゆく約束をした。一馬は、琴音と月華の事が気になる。一馬達は西国の旅先で山賊の権三郎と出会う。彼を捕らえた一馬は…… 二十四 金鬼が足を踏み込み藤原一龍斎に、突きを入れた。 土間に血がたれる。赤黒い血は、金鬼の手首からしたたり落ちていた。一龍斎は、鉄貫を刀の峰で受けるとくるりと回して下段から上段に切り上げた。 日本刀同士の戦いならば、手首
設定 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 前話 次話 あらすじ ご免侍の一馬は、琴音を助ける。大烏城に連れてゆく約束をした。一馬は、琴音と月華の事が気になる。一馬達は西国の旅先で山賊の権三郎と出会う。彼を捕らえた一馬は…… 二十三 雄呂血丸が、同田貫を襲撃者に振り下ろす。 ガンッと音がすると、、同田貫が折れる。 「なんと」 「そんなやわい刀、折れて当然」 鉄貫で、同田貫を受けるとそのままねじる。日本刀は刃先が薄い。金属同士がぶつかり合えば刃
設定 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 前話 次話 あらすじ ご免侍の一馬は、琴音を助ける。大烏城に連れてゆく約束をした。一馬は、琴音と月華の事が気になる。一馬達は西国の旅先で山賊の権三郎と出会う。彼を捕らえた一馬は…… 二十二 「山賊を連れていきたい」 「あのヒゲだらけの男ですかな」 「……」 一馬が切り出すと雄呂血丸はうなずくが、水野琴音は黙っている。 「信用できないかもしれない……それでも」 「命を助けたいのですね」 男装姿の琴音は
設定 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 前話 次話 あらすじ ご免侍の一馬は、琴音を助ける。大烏城に連れてゆく約束をした。一馬は、琴音と月華の事が気になる。一馬達は西国の旅先で山賊の権三郎と出会う。彼を捕らえた一馬は…… 二十一 「一馬、交代するよ」 「わかった……」 月華が戻ってくると一馬は立ち上がり権三郎をふりかえる。 「俺の手下になれ」 「……」 「お前は鉄砲を使える、戦力になる」 「何をすれば……」 「姫を守るんだ」 月華が、一馬
設定 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 前話 次話 あらすじ ご免侍の一馬は、琴音を助ける。大烏城に連れてゆく約束をした。一馬は、琴音と月華の事が気になる。一馬達は西国に向けて旅立つが、宿で襲撃を受ける。敵は天狼か! 二十 「権三郎は、まだガキでな。わしが山賊の家から救い出して農家の下男にさせたんじゃ」 祖父の左衛門は懐かしそうに話す。権三郎は、山賊の息子として産まれた境遇からか、やはり農家仕事に、なじめずに山賊の手下に戻って生きていた。すでに死
設定 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 前話 次話 あらすじ ご免侍の一馬は、琴音を助ける。大烏城に連れてゆく約束をした。一馬は、琴音と月華の事が気になる。一馬達は西国に向けて旅立つが、宿で襲撃を受ける。敵は天狼か! 十九 山賊の権三郎が、血の気の引いた顔で突っ立ていると仲間の山賊達が八人くらい姿を見せる。三人の山賊が後ろを遮断するように刀を向ける、月華を見て今にも襲いかかろうとしていた。 「どうした、親方」 「早くやっちまおうぜ」 山賊達は
設定 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 前話 次話 あらすじ ご免侍の一馬は、琴音を助ける。大烏城に連れてゆく約束をした。一馬は、琴音と月華の事が気になる。一馬達は西国に向けて旅立つが、宿で襲撃を受ける。敵は天狼か! 十八 「あははははっ」 「そんなに笑わないで下さい」 お仙から琴音の話を聞くと月華が大笑いした。一馬はそのまま起きて月華と入れ替わり朝まで起きていた。あれからは追っ手は襲ってこない。 「私はそんなことをした覚えはないです」 「寝
設定 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 前話 次話 あらすじ ご免侍の一馬は、琴音を助ける。大烏城に連れてゆく約束をした。一馬は、琴音と月華の事が気になる。一馬達は西国に向けて旅立つが、宿で襲撃を受ける。敵は天狼か! 十七 「一馬、あんたは壁際に寝な」 「わかった」 祖父を寝かせると一畳しかない。三人がそこに寝るのがきついが、琴音を真ん中にして、お仙が祖父を見まもる形で川の字になる。 「ふふふ、こんな風に寝るのは子供の時くらいです」 琴音が
設定 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 前話 次話 あらすじ ご免侍の一馬は、琴音を助ける。大烏城に連れてゆく約束をした。一馬は、琴音と月華の事が気になる。一馬達は西国に向けて旅立つが、宿で襲撃を受ける。敵は天狼か! 十六 「お爺々様、大丈夫ですか……」 「平気じゃ」 老体の上に散華衆に肉をえぐられる傷を受けた。長旅は命の危険すらある。 「なに、拙者が背負うので大丈夫です」 熊のような大きな体の雄呂血丸は、藤原一龍斎を背負って夜の街道を歩く
設定 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 前話 次話 あらすじ ご免侍の一馬は、琴音を助ける。大烏城に連れてゆく約束をした。一馬は、琴音と月華の事が気になる。一馬の朝帰りで、月華は、つい一馬と口づけする。 十五 「一馬」 障子が開くとお仙が顔を見せる。口に指を当てると、その指を下の階に向ける。 (追っ手か) 隠密頭の天狼が怪しんで探しているのかもしれない。すかさず部屋に入ると、鬼おろしを腰に差す。部屋の全員が戦闘態勢の状態で支度をしていた。一
設定 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 前話 次話 あらすじ ご免侍の一馬は、琴音を助ける。大烏城に連れてゆく約束をした。一馬は、琴音と月華の事が気になる。一馬の朝帰りで、月華は、つい一馬と口づけする。 十四 琴音は、目で合図するように廊下を見た。一馬は立ち上がると廊下に出ると琴音がついてくる。 「どうした」 「もうしわけありません」 「なにを謝る」 「一馬様には、お好きな人は居ることを知りませんでした」 「……何の事ですか」 (まさか月華に口
設定 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 前話 次話 あらすじ ご免侍の一馬は、琴音を助ける。大烏城に連れてゆく約束をした。一馬は、琴音と月華の事が気になる。一馬の朝帰りで、月華は、つい一馬と口づけする。 十三 品川では大勢の旅人が宿に泊まる。馬や人があふれんばかりに往来していた。旅に同行したお仙は、かなりさびれた宿に一馬達を案内する。 「ここだよ」 「泊まれるのかい」 「眠れるでしょうか」 女三人がガヤガヤとしゃべり出すのに一馬はなれない。長